§パレスチナ情勢§
◇ブッシュ大統領「中東和平に向けた道筋」
ブッシュ大統領は14日、近く中東和平に向けた「ロードマップ(道筋)」を成文化し、双方に提示すると述べた。イラク攻撃を目前に控えて、アラブ諸国の理解を得たいとの意向から、ブレア英首相に促されて急遽演説したもの。
「道筋」は昨年6月にEU、ロシア、国連、米国の4者協議が発表した中東和平構想実現への道筋を示すもの。提示に先立って、パレスチナ側に対して、「民主化」と「テロ」の放棄を求め、イスラエルとの交渉相手となる新首相が実質的な権限を持つことを要求。イスラエルに対しては、「テロ」の脅威が取り除かれた時点で、パレスチナ国家樹立を支持する具体的なステップをとるよう要求。占領地での入植活動については即時ではなく、「和平が進展した段階で停止」するよう求めた。ブレア首相も14日、「英国は中東和平に全面的に関与していく」と述べ、2005年までに中東和平問題を解決することが重要との認識を示した。占領に対する抵抗権を否定し、占領の放棄ではなく、占領されている側により譲歩を求める内容。
◇イスラエル軍 米人女性を轢殺
ガザではイスラエル軍による軍事行動が連日続いている。「過激派捜索」と称して民家を破壊、その過程で多くの子どもを含む市民が殺されている。
ガザ南部のラファでは16日、国際連帯運動(ISM)の活動家である23歳米国人女性コリーさんが、イスラエル軍のブルドーザーに轢かれて死亡した。コリーさんは、イスラエル軍がブルドーザーでパレスチナ人の家屋を破壊しようとするのを、ハンドマイクを使ってやめるよう呼びかけていて轢かれた。
◇アラファト議長 新首相を指名
アラファト議長は6日、パレスチナ新首相にPLO事務局長のマフムード・アッバス氏を指名。パレスチナ評議会は18日、新首相の権限を定め、正式に首相職の創設を承認した。新首相は閣僚の任命権や閣議の開催権などを持ち、内政を主に統括する。アラファト議長は首相任命権や、治安の最高指揮権、和平交渉など外交の最終決定権を保持した。態度を保留していたアッバス氏は19日、首相を受諾した。首相の権限は20日から移譲され、5週間以内に組閣する。
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§北朝鮮情勢§
◇日・米 水面下で様々な動き
マスコミによってあるいは米国のリークによって、必要以上に「瀬戸際外交」「北朝鮮の挑発」といった言葉が飛び交っている。批判すべき事柄なのか、主権国家として認められる範囲内のことなのか、冷静に判断し対処する必要がある。
米国、日本とも北朝鮮を牽制しつつ、一方では水面下の非公式協議のパイプは維持しているようである。米朝の核問題専門家らが2月20・21の両日、ベルリンで非公式に協議していたことがわかった。北朝鮮がウラン濃縮計画を放棄する場合、それをどう検証するかを協議した。米国側出席者は元政府当局者、国立研究所所属の科学者、在野の核問題専門家の3人、北朝鮮側出席者はエネルギー省と外務省の当局者が1人ずつとベルリン大使館員2人の4人。北朝鮮側は米国の調査団を現地に受け入れて計画の放棄を証明したいと提案したのに対して、米国側はIAEAによる査察と寧辺の核施設解体を求めて、物別れに終わったという。これまで表向き、米国は寧辺の黒鉛型原子炉の凍結と高濃縮ウラン計画の放棄を要求、それに応じれば食料や燃料の支援を軸とした「大胆な提案」についての話し合いに応じるという立場であったが、今回ハードルを高めたもの。米側に実際に対話に応じるつもりがあるかどうかは不明。
こうした水面下での協議の一方で、米国は北朝鮮に対する軍事的牽制も行っている。米国防総省は4日、長距離爆撃機B52とB1の計24機をグアムへ増派することを発表。
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