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<<特集>>差し迫るイラク情勢◇国連査察団 安保理で追加報告国連査察団は2月14日、安保理に追加報告。▽イラクは原則的に査察に協力▽多くの禁止兵器について説明が不十分。化学兵器1000トン分についても説明がない▽ミサイル「アルサムード2」は国連決議で定められた150キロの射程制限を越えている▽炭疽菌やVXガスを廃棄したというが、専門家の検証が必要▽イラク側が提供した化学兵器を廃棄した83人について、事情聴取の要▽査察飛行を来週から始める▽イラクが核開発を再開した証拠はない▽イラクに引き続き協力姿勢を望む−というもの。ブリクス委員長は、11月の査察開始から300ヵ所以上の査察を行ってきたことを報告。また、パウエル米国務長官が提出した衛星写真について、禁止された物質を移動していたという証拠にはならないと述べた。 ◇NATO 仏抜きの防衛計画委員会でトルコ防衛合意 イラク攻撃切り離す NATOは仏を除く18ヵ国で構成される防衛計画委員会で、トルコ防衛支援計画について合意した。合意に応じたドイツ、ベルギーは、トルコ支援とイラク攻撃を切り離す姿勢を崩していない。理事会での決定をさけた妥協の産物。 ◇安保理イラク問題討論会 日本、米英支持 新決議 の採択主張 査察団の追加報告を受けた安保理での公開討論は、非同盟諸国会議の要請で実現した。18、19日の2日間で、62ヵ国・機構が発言を求め、査察継続を支持する発言が大半を占めた。明確に米英を支持したのは日本、オーストラリアなど約10ヵ国にとどまった。日本のように「新決議」の採択を求めた声は異例で、際立った。 ◇日本政府 イラク開戦時 4億ドル拠出検討 難民・ 周辺国支援で ◇イラク攻撃後 米主導で復興・統治 ブッシュ政権 が最終案 パウエル米国務長官は13日の議会証言で復興方針を明らかに。第1段階は軍による占領期間、第2段階は米国による文民統治、第3段階は多国間による統治、第4段階はイラク人による民主政権、というもの。第2段階までは米国が「完全かつ一方的に統治」する筋書き。欧州、アラブ各国の反発も予想される。 ◇ミサイル「アルサムード2」廃棄 イラク受諾 UNMOVICのブリクス委員長は21日、国連決議で定められた射程150kmを超える短距離弾道ミサイル「アルサムード2」の廃棄に、3月1日までに着手するようイラク政府に要求。イラク政府は「技術上の問題」としながらも、廃棄要求を受諾し、査察団の監督下、ミサイル廃棄に着手した。 ◇UNMOVIC委員長 「未解決問題」常任理事国に提示 ブリクス委員長は査察を巡って、30項目以上にわたる疑問点を列挙した文書「武装解除における未解決の問題」を作成、常任理事国5ヵ国の国連大使に提示した。UNMOVICの諮問機関が24、25日両日に開く会議に提示する。3月7日の安保理報告は、決議1284に基づく3ヵ月にわたる査察の定期報告で、草案ではイラクの協力が「限定的」だと報告される見込み。これ以降が山場になる。 ◇米・英・スペイン、安保理に新決議提出「機会逃し た」/仏・独・露は査察継続を求め「覚書」提出 ◇イラク査察団に書簡6通 「新たな爆弾」申告 ブリクスUNMOVIC委員長は25日、イラク政府が、未確認の液体が詰められた生物・化学兵器用の爆弾1個を見つけたと申告してきたことを明らかにした。この爆弾が過去に生物兵器が廃棄された場所で見つかったこと、91年の大量破壊兵器廃棄に関する手書きの書類も見つけたことなどが書かれている。 ◇英下院 ブレア首相の対イラク政策支持 修正案に労働党議員120人造反 英下院は26日、対イラク政策の是非を問う政府提出の動議を3分の2以上の434票で確認。労働党主流派と保守党が賛成。「軍事行動を正当化する根拠はまだ示されていない」とする修正案も、199人の賛同を集めた。修正案は労働党議員が提出し、自由民主党に加え、労働党議員120人以上が造反して賛成。 ◇米が950億ドル補正予算、議会に申請へ 対イラク 戦費やトルコなど周辺国への経済支援など ◇ブッシュ米大統領 「アラブ全体の民主化目指す」 保守系シンクタンク「アメリカン・エンタープライズ研究所」の会合で講演。イラク攻撃の目的が、イラクの「民主化」を足がかりにアラブ世界全体の「民主化」を目指す考えであることを明らかにした。 ◇米軍臨戦態勢 湾岸地域の米軍は、3月初めには20万人を越す見込みとなった。25日には、米中央軍司令官も前線基地カタール・アサイリヤ米軍基地入りした。また、米海軍は27日、空母ニミッツが3月3日に湾岸地域に向かうと発表、イラク周辺海域の空母は6隻態勢に。 ◇米労働総同盟・産別会議(AFL−CIO) 安保理の 支持を得ない武力攻撃反対決議 ◇茂木外務副大臣 首相特使としてイラクへ1日出発 ◇トルコ国会 米への基地提供否決 トルコ国会は1日、▽米軍6万2000人と255機の戦闘機、65機の戦闘ヘリを6ヵ月間の期限付きで受け入れる▽クルド難民の流入阻止のためトルコ軍をイラク北部に派遣する−という内容の政府提案を否決した。イラク攻撃に備える米軍にトルコの基地を提供し、領内通過を認めるとの政府提案を否決した。賛成264、反対250、棄権19で否決。審議を先送りして与党内の調整を続けたが、対米協力への抵抗は予想以上に強かった。 |
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