一口メモ--2003/01/01-- |
世界中で反米の炎を煽るブッシュのイラク攻撃 |
11月14日、私営企業家の入党と世代交代で注目を集めた第16回中国共産党大会が閉幕した。現在、中国共産党が抱える最大の問題が党幹部の腐敗。党大会を前に江沢民前総書記が去る9月、党と政府の高級幹部を集めて発した警告が報道されている。それによれば、江前総書記は「今日直面しているのは、共産党自身の腐敗、人民からの離脱によって共産党政権が崩壊する危機である」として、政権を崩壊に導く高級党員を以下の5つのタイプに分類。 @ ケ小平理論の旗を降り、指導的ポストについて権力を握りながら、社会主義事業の土台を壊している者。 A共産主義の理想も社会主義実現の意欲も全く喪失し、高い地位に安住して漫然と日を送る者。 B政治思想も党員の行動もとうに変節し、自分の権力を利用して、妻子や親族の利権を確保し、風向きが変われば外国に逃げだす準備を整えている者。 C表向き体制に順応しているが、実は表と裏がある2面派。「全面貫徹」などと号令をかけながら、汚職をむさぼり続けている者。 D仕事ぶりはなかなか優秀なのに、心の中で共産党が潰れ、中国が西欧民主主義国家になる日を待ち望んでいる者。 これを読めば警告したくなる気持ちは分からぬでもないが、国家と党が一体化、巨大な特権階層を形成して資本主義へとひた走っているのだから、腐敗はもはや「論理的必然」というべきではないか。 |
途上国のコピー薬容認、米1国の反対で合意不成立 |
世界保健機構(WHO)の報告によれば、南部アフリカなど途上国では、現在も年間300万人が、はしかなど基礎的なワクチンが行き渡らないために死亡。貧困や紛争のため、世界の子供たちの1/4は最低限の予防接種を受けられず、00年の推計値で、はしかによる死者は70万人、先天性破傷風で20万人。また、B型肝炎で52万人、B型インフルエンザで45万人が死亡。いずれも新型ワクチンが途上国に行き渡らないことが原因。 |
止まらぬ地球温暖化 |
世界食糧計画(WFP)の事務局長は朝日新聞のインタビューに応え、北朝鮮の食糧事情について、「支援不足で、来年にかけて400万人の子供が餓死する恐れもある」と述べた。当初、WFPは今年の支援計画を640万人強を対象に計61万dとしていたが、各国からの食糧は11月までに半分しか届いておらず、11月に約300万人、来年1月にはさらに約150万人への供給を見送らざるをえなくなりそう。 |
露骨な大衆課税の強化--与党の税制「改正」大網-- |
伊、英、仏、スペインで労働争議が激化している。景気回復が低迷する中で、リストラが増えていることに加え、相次いで誕生した中道右派政権が経済効率優先の政策を取っているため。 伊では、フィアットの8100人の追加削減案に対して11月26日、フィアット傘下労組が1万人以上のデモ。政府の介入でリストラ開始の延期が決まったが、労組は気を緩めていない。中道右派のベルルスコーニ政権が、正当な理由なく解雇された労働者の再雇用を企業に義務付けた労働法18条見直しに着手し、労使間の緊張が高まっている。 英では、消防士組合が22日から8日間の長期間ストに突入。26日には2つの教員組合が住宅手当の増額を求めて24時間スト。公共部門改革を優先課題に掲げてきたブレア政権への反発が背景にある。 仏では24日深夜にトラック運転手が賃上げを求めてストを開始。25日夜からは航空管制官が32時間のストに入った。26日には、運輸・通信・郵便部門の労働者が政府の民営化計画に反対してストを実施。パリでは3万人以上がデモに参加。保守・中道のラファラン政権の民営化路線への反発は強い。 |
<書評>一市民の目線で中国の真実の姿を「等身大」で捉えようと 「現代中国--グローバル化の中で」 (岩波新書・興梠一郎著) |
中国本がたくさん出版されている中で、本書は「中国の真実の姿を『等身大』で」捉えようとした本だ。「『中国脅威論』『中国崩壊論』『中国バラ色論』のどれでもない、あるがままの『実像』を活写」しようとした。しかし、あとがきにもあるように「本書を書き終え、あらためて無力感にとらわれている。中国という複雑きわまる対象をうまく描き切れたかどうか」という正直さも吐露している。 中国とのつきあいが最初の頃は、「ニイハオ、シエシエ」に感激して、皆中国は素晴らしい国だと思う。つきあいが深くなった3人が寄ると、中国の悪口でおしゃべりは止まらない。その時期が過ぎると、お互いに「悪女の深情け」だなあと慰め合いながら、淡々とつきあいを続けていく。 革命中国が、1970年代後半から「改革開放」にかじを切った。そして92年には「社会主義市場経済」の導入を始め、今年は「3つの代表理論」から私営企業経営者の入党を認めるようになった。本書では、この大きな社会体制の変革をたどりながら、現代中国の重要な問題、「都市と農村の格差」「腐敗・汚職と立ち上がるメディア」「高齢化問題、遅れた社会保障、人口問題、悪化する生態環境、進学競争」「国有企業改革、共産党の変貌、『改革』の形骸化」について具体的な数字や事例を紹介し、「中国はどこへ向かうのか」という終章で結んでいる。 一市民の目線で書こうとしただけあって、わかりやすい。推定は避け、事実に基づいて組み立てている。中国政府にとっても非常に参考になる書ではないだろうか。 |
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