<<特集1>>
イラク攻撃へひた走るブッシュ 各国で抗議の声も
◇イラク攻撃戦費、米議会が試算
米議会予算局は、米軍がイラク攻撃に踏み切った場合の費用の試算を上下両院に提出。「戦争遂行」のための費用は毎月60億〜90億ドル、戦争前の米軍「派遣」に総額90億〜130億ドル、戦後の「帰還」に総額50億〜70億ドル、戦後の治安維持部隊による「占拠」に毎月10億〜40億ドルと指摘している。
◇イラク攻撃 英労働党大会で容認決議
英労働党は党大会で、対イラク攻撃反対決議を反対多数で否決、「最後の手段として、国連の承認の下で武力行使を認める」との決議案を可決した。
◇米、対イラク新決議案作成 主要国に配布
米英が国連安保理で対イラク武力行使容認の新決議採択を求めている問題で、米国が作成した新決議案草案の全文が、主要関係者に配布された。要旨は▽イラクの査察受け入れ回答期限は7日間、▽イラクは大量破壊兵器開発計画に関する情報を決議採択から30日以内に開示する、▽査察団がイラクの科学者を国外に連れ出したり、国外で聞き取り調査を行うことを認める、▽査察団に大統領宮殿やモスクを含むあらゆる施設への立ち入り調査を認める、▽治安部隊が国連査察団を護衛する、▽化学兵器など大量破壊兵器と関連物質、施設を破壊、封鎖する、▽イラクの国連決議違反が判明した場合、国連加盟国は武力行使を含む「あらゆる必要な措置」をとる。
◇「イラク攻撃反対」 ロンドンで15万人 ローマで10万人 米西岸でもデモ
英のロンドン中心部で9月28日、イラク攻撃に反対するデモが行われ15万人(警察発表)参加。ロンドン市長も「世界を新たな戦火に巻き込んではならない」などと訴えた。反核・環境団体、キリスト教会、労組とイスラム教徒の団体が協力し、与党・労働党の現職議員も加わった。米サンフランシスコ市でも28日、7000人がデモをした。ローマ中心部では28日、左派政党「再建共産党」の呼びかけで10万人以上の市民が反戦デモ。
◇対イラク軍事攻撃 ブルガリア政府、基地提供表明
ブルガリア政府は3日、米がイラクの軍事攻撃に踏み切った場合、自国の基地を提供し領空を開放する用意があると表明した。すでにルーマニアも、基地の使用と領空通過を認めている。3日、スペイン、ポルトガルも米英への支持を表明。断固たる新決議の必要性を強調。
◇クルド2派接近 イラク政権崩壊にらみ
クルド民主党(マスード・バルザニ議長)とクルド愛国同盟(ジャラル・タラバニ議長)は先月下旬、バルザニ議長が今年初めに提案していた自治区憲法案について協議を行った結果、イラク北部に立法、行政、司法機関を有する自治体制を確立することで合意。今月4日には、休眠状態にあった「クルド民族会議」を6年ぶりに開催。和解と団結ぶりをアピール。
◇トルコ副首相会見 クルド国家阻止を示唆
トルコのギュレル副首相兼外相は4日、日本の主要メディアと会見し、「イラクの領土的な一体性は守られるべきで、特定の民族による統治体制を認めるわけに行かない」と述べ、クルド国家の創設につながる動きに強く反対する姿勢を表明した。また、数百人規模のトルコ人部隊をすでにイラク北部に投入していることも明らかにした。イラクのフセイン政権打倒を有利に進めたい米国の仲介で、反体制組織のクルド2大勢力がこのほど和解。イラク北部で4日、民族議会を開いた。これを受けて、トルコ軍参謀総長が大統領や首相と緊急会合を開くなど、軍もクルド勢力の動向に大きな関心を寄せている模様。
◇査察問題 「大統領宮殿も認める」 イラク国連大使示唆
◇米上下院でイラク攻撃容認決議
米下院は10日、「イラクに対する軍事力行使の権限付与」決議を296対133の賛成多数で採択した。民主党は対応が分裂し、賛成81、反対126となった。また、上院でも11日、同決議を77対23の賛成多数で採択した。賛成が共和党48、民主党29、反対が民主党21、共和党、無所属各1。
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