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さまざまな抗原たち
今は科学も進んでいて、モノクローナル抗体(一つの特異的な抗原にしか反応しない抗体)が作れる時代である。このモノクローナル抗体が進歩して、細胞表面のさまざまな抗原がわかってきた。あまりにも多くの抗原が見つかってしまったため、世界ではCDと名前をつけてこの抗原たちを分類している。現在では200を越えていて、もう詳細はつかめないくらい多くなってしまった。リンパ球系のものからそれ以外のものまで数多く存在している。細胞表面以外でもこの世の中には花粉のように抗原となって人体に影響を及ぼすものがたくさん存在する。
区切り
細胞表面抗原のうちリンパ球系のものには、広くT細胞に出現しているT細胞系の抗原、T細胞のあるサブセットにだけ出現しているT細胞サブセット抗原、T細胞が活性化すると出てくる活性化T細胞抗原、B細胞系抗原、癌細胞などを直接攻撃するNK細胞系抗原、などがある。リンパ球以外では樹状細胞に存在するもの、血小板に存在するものなど、数多く見つかっている。細胞表面に存在する抗原分子は天然抗原物質の一つでその細胞独特のものであり、細胞が活性化したりしていく過程で何らかの関与をしていくことになる。また、今どの細胞が増えてきているのかを見分ける、よい指標にもなるのであった。
では、一般に“私は卵のアレルギーなの、卵の蛋白抗原がね・・・”などという抗原はなんだろうか??細胞表面の抗原分子とは違って天然に存在したり生体内に存在したりするたんぱく質、もしくは脂質などのことである。たんぱく質抗原には微生物の構成成分、細菌毒素、ホルモンなどがある。ホルモン??といわれるかもしれないが、男性の不妊症は精子に対する抗体によって起こったりするのだよ。また、甲状腺ホルモンに対する自己抗原ができてしまうと病気になっちゃう。そう、何でも抗原になりうるのだ。私は牛乳の蛋白質にアレルギーがある。温めて出来る、あの膜のようになる蛋白質に。面白いでしょう。
多糖類抗原もある。血液型の型物質(A型物質、B型物質など)は多糖類抗原である。細胞膜には多くの多糖類抗原があるが、有名なのは血液型の型物質なのだ。これらは脂質やたんぱく質と複合型になって存在し、ヒトのABO式血液型やLewis式血液型など多くの血液型物質などになっているのだ。では、脂質抗原はあるのか???あるが、脂質はそれ自体では完全抗原にはなりにくくて、蛋白とくっついて抗原性を発揮することが多い。これを“ハプテン/キャリアー”という。蛋白がキャリアーで脂質がハプテン、大きな分子のキャリアーがハプテンとくっついて抗原性を発揮するのだ。この他、核酸抗原も存在する。従来は存在しないのであるが、自己免疫疾患であるSLEという患者さんの中には核酸に対する抗体、抗核抗体が存在する。ということは核酸も抗原になりうるのであった。
世の中には抗原と言われるものがたくさんある。今一番いやなのはアレルギーを起こす花粉とか卵類などの食べ物とかではないのかな???必要なものだけ抗原として存在して、不要なものが無くなればいいのに・・・花粉とか・・・なんちゃって。
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