えみちゃんと私との交流をこのたび“ジャンケン靴”というタイトルの本にまとめさせていただいた。こういう機会をいただけたこと、そういうチャンスと巡り会えたこと、そしてなんと言っても、私が書いたものをそのまま活かしてくださり、“岡田先生の言葉”でまとめようと努力してくださった万葉舎との出会い、社長さん、編集の方の精力的な仕事に心から感謝をしていると同時に、そのお心になんとか、私自身も答えていきたいと思っている。そう、えみちゃんを世界に羽ばたかせたいと思っているのだ。
えみちゃんの思い出を書き出してはや１年半。実は、その前からえみちゃんのことをいつかは本にしようと思い続けていた。えみちゃんと出会ったのは私が個人的に一番苦しんでいた頃であるということ、それにやはりえみちゃんがお星様になったということを私自身が消化するのに時間がかかったということもあってこれが長引いてしまい、原稿を書き出したのは３年前くらいであった。この頃に原稿を書いて、そのまま、これも手つかずで暖めていた。これが日の目を見たのは、昨年の２月頃だっただろうか、Kさんという私が所属している“アホ会”という異業種交流会を主催していた方に後押しされたときだった。
原稿を見せ、なんとか売り出していこうと精力的に動いてくださったのだ。そして印刷会社とお会いするはずの日、彼は天に召されていった。これも、あまりに壮絶で急な話であり、Kさんの死も私自身が受け止められないでいた。いや、亡くなったことはわかっていたが、実際にその場に行ったのだが・・・・しかし、その死は“私のために動いてくださっていた”時に起きたものであること、そしてお星様になっていく直前まで私に連絡をくださっていたことなどから“うそでしょ？？？”という気持ちが強く、どうにもこうにも私自身が動けなくなってしまったのだ。
そのまま、そう、原稿を持ったまま何ヶ月もたってしまっていたときのこと。私の教え子の一人と偶然に電話でお話をする機会があった。その時に本の話が出た。
「本、出せなくなったの」
そんな私の言葉に、教え子の彼女は私の知らないところで敏感に反応してくださっていた。そう、ご家族の知り合いの出版社を紹介してくださったのだ。これが万葉舎だった。えみちゃんも私の教え子であれば、今回、こうして出版にこぎつけるチャンスをくれたのも私の教え子だった。つくづく思う、私はすばらしい教え子に囲まれていると。
そして出版社とお会いしたのが今年の2月末。5/2の命日までには出版したいと言う私のあまりにも無謀な意向に添ってくださって、必死で編集してくださった。それまであった原稿のほかに、いろいろと加筆をした。それをすべてあわせて、そしてお友達の紹介で出会った方に絵を入れていただき、絵本チックで、小学生からご老人まで幅広く読めるすばらしいものが出来上がった。
最後の最後まで生きる望みを失わなかったえみちゃんに恥ずかしくないように、最後の最後まで、そう、ぎりぎりまで原稿を自分で校正していった。編集者の方には申し訳ないと思いつつ、夜中までやらせていただいた。そうして出来上がった“ジャンケン靴”是非読んでください！！生きるということをもう一回考えさせられる、そういう本にしてみたつもり。生きていることの幸せ、噛みしめて欲しいと願って！！ |
