この作品はちょっち電波が混線しております。
お読みの際は十分注意してお読み下さい。

シト転生? 原案 mr.selfDEATHtructさん 書いたヤツナイスガイ♪ 緒方紳一


01 僕が第三の適格者なのかい?

おや……ここは一体どこだろうね?

どうして僕は公衆電話なんか持っているのかな?

ん……この荷物は……こっ、これは!!!

シンジ君の物じゃないか!!!!

ああ、シンジ君のカバン、シンジ君のウォークマン、シンジ君の本、シンジ君の歯ブラシ、

シンジ君のシャツ、シンジ君のズボン、シンジ君の靴下、そしてシンジ君のブ…ブリー………!!!!

おっと、いけないいけない。

危うく白昼堂々自慰行為に走ってしまうところだったよ。

それにしてもどうして僕がシンジ君の荷物なんか持っているのかな?

おや?

あれはサキエルじゃないか。

と言うことは、僕はどうやら過去に戻ってきてしまったみたいだねぇ。

さらに僕とシンジ君が入れ替わってしまったみたいだ。

と言うことはせっかく戻って来れたのにシンジ君に逢えるのは半年以上先までお預けなのかい!?

そりゃ無いよ、シンジくーん!

車が走ってくるねぇ。

「君が……渚カヲル君かい?」

「加持……リョウジさん?」

「自己紹介は後だ、早く乗ってくれ!」

 

「十五年ぶりだね」

「そうですね。間違いありません、使徒です」

「どうするのかね?」

「決まっているではありませんか。初号機を使うのです」

「でもあの子は大怪我をしているぞ?」

「大丈夫です、冬月先生。今加持君が予備を迎えに行っています」

 

エヴァ初号機……誰が中に入っているんだろうね?

「待っていたわ、渚カヲル君」

「あなたは……碇ユイさん!」

「私のこと知っているのね?」

「もちろんですよ」

でも未来のお義母様とは言えないねぇ……。

「それで、僕にどうしろと?」

「あなたにこれに乗ってもらいたいの」

「僕にですか? つまり僕がこれとシンクロできるとでも?」

「そうよ。現在正規のパイロットは大怪我で乗ることが出来ないの。

 だから今これに乗って使徒と戦えるのは渚君、あなたしかいないのよ」

正規パイロットか……。

僕とシンジ君が入れ替わったのなら、そのパイロットは一体誰なんだい?

「……いやです」

「…………そう。冬月先生、レイを起こしてください」

そうか・・・レイか・・・

やっぱり半年後なのかい、シンジ君

「大丈夫かね?」

「問題ありません。死んでいるわけじゃないんですもの」

どうしよう、今僕が乗ると言ったらレイは辛い目に遭わなくて済む。

でも……シンジ君が出てこないのなら・・・・

「……」

来た!!

また逢っ・・・・・!!

シ、シンジ君!!

逢いたかったよ、シンジ君!!

いや、ユイさんはレイって呼んでいた

まさか・・・・・・・・

そうか、そういうことかリリン

でも、僕にはかえって好都合なのさ

これでユイさんを「お義母様」と問題なく呼べるじゃないか!!

でも、シンジ君じゃなくてレイの表情がおかしい

なにか・・・苦痛に耐えるような表情だ・・・

はっ、危ない

シンジく・・・・いや、レイっ!!

「大丈夫かい、レイ?」

「うぅ・・・・・・・くっ・・」

血が・・・・

苦しんでるんだね

こんな目に自分の息子・・・じゃなくて娘をあわせるなんて・・・・

僕が護らなければならないようだね

しかし好都合だね。それなら何の問題もなくシン、いや、レイに近づけるって訳さ。

「僕が乗ります、ユイさん」

「本当に?」

「ええ。レイを辛い目に遭わせるわけにはいきません」

「そう。頑張ってね」

悪いね、サキエル。君には死んで貰うよ。

僕とシンジ君改め、碇レイの輝けるスイー−−−−−−−−−−−−−−−−−トな未来のために!!!

 


02 知らなくても逢えれば問題ない天井

んんん、気持ちの良い朝だねぇ。

早速レイのお見舞いに行こう!

 

「君は誰?」

「僕かい? 僕はカヲル、渚カヲル。そのままカヲルって呼んでくれると嬉しいよ」

「カヲル……君?」

「そう。よろしくね、レイ」

「ボクのことを知っているの?」

「もちろんさ。君のことなら何でも知っているよ。

 ガラスのように繊細な、君の心の壁の内側まで……全部ね」

「えっ……(赤面)」

「本当はこのまま何時までも君の側にいられたら嬉しいんだけど、

 余り話をするのも体の毒だからね。ゆっくりと休むんだ、良いね?」

「……(こくり)」

「じゃあまたね、レイ」

…………ああ、未だかつてこんなにも幸せな一時があっただろうか!!!

僕はもう今すぐATフィールドを破られても、本望だよ!!

「……何してるんだ、カヲル君?」

「はっ! か、加持さん……」

「君の住むところが決まった。碇司令の命令でね、俺と同居して貰うことになったよ。

 男二人のむさ苦しい生活になるが、構わないかい?」

「レイはどこに住んでいるんですか?」

「ああ、レイちゃんは他の区画のマンションに一人で暮らしているよ」

「どうしてレイと僕を引き離すんですか!!」

「(汗汗汗)……つ、つまりレイちゃんとも一緒に住みたい、と?」

「そうです!」

「悪いが司令の命令でね。そうすることは出来ない」

「どうして!!!」

「どうしてって……俺に訊かれてもなぁ」

「解りました。ユイさんと直接話を付けてきます!」

 

結局僕の願いは叶わなかった。

ああ、さっきまでは幸せの絶頂だったのに……。

いやいや、めげてはいけないぞ!

必ずレイとのスイ−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−トな家庭を築かねば!!

 


03 電話なんか要らないさ・・・・レイとは心が・・・・・

「えーそれでは、転校生を一人紹介します。渚君、入りたまえ」

おやおや、えらく騒がしい歓迎だねぇ。

「初めまして、僕はカヲル、渚カヲル。

 親しみを込めてカヲルって呼んでくれると嬉しいよ」

レイとあのお下げの子以外の女の子がみんな気絶しちゃったみたいだけど……しかたないね。

夢を見る権利は誰にでもあるさ。でも僕の総てはシンジ君、いやレイの物……。

 

おや、あれは弐号機パイロット……アスカちゃんじゃないか。

弟が怪我をしたって……ということは、セカンドとフォースも入れ替わっちゃったのかな?

ちょっと付いてきなさいって……。

 

バキッ!!

痛いねぇ。女の子が拳で人を殴るなんて、軽蔑に値するよ。

「アンタの操縦のせいでうちの弟が怪我したのよ!! 悪く思わないでね!!!」

「……それは済まないことをしたね。

 でも僕もあの時は何としてでも使徒を倒さなくてはならなかったんだ。

 僕が乗らなかったら、重傷のレイちゃんが乗らなくてはならなかった」

「レイ……あの碇が!?」

「そうだよ。知らなかったのかい? レイちゃんがエヴァのパイロットだって」

「あの暗くてジメジメして何時も黙りこくったあの真性根暗娘が……」

酷い言い方だねぇ……。

「カヲル君」

「おや、レイじゃないか」

「非常召集……先に行くから」

「あ、待っておくれよレイ!!

 じゃあそう言うことだから、怪我をしないようにちゃんと避難するんだよ!」

 

やっぱり出て来てしまったんだね、あの子は。

仕方無い、プラグに乗せて……。

さあ行くよ、アダムの分身、そしてリリンの僕!!

 

「どうして俺の命令を無視したんだ?」

「あれしか方法がなかったからです」

「そうか。だが命令違反は事実だ。三日間営巣に入ってもらう、済まないな」

「はい」

三日間もレイに逢えないなんて……拷問だ!!

 


04 雨、閉じこめられて

久しぶりの学校。やっとレイに会えるよ!!

「な、渚……」

「なんだいアスカちゃん?」

「あの……この間は悪かったわね!!」

これがこの子なりの謝り方ってやつなんだろうね?

「……いいよ、僕にも至らない点があったから」

でもいつか君の乗った参号機を手にかけなきゃならないなんて……ちょっと辛いね。

 


05 レイ、心の向こうに現れたカヲル

今日はやっとオフィシャルな理由でレイの家に行けるのさ!!

ああ、人生最良の日だよ今日は!!

この日をいっそのこと祝日にしてしまいたいくらいだ!!

そういえば、コンフォート17で良かったのかい?

あったよ、「碇ユイ・レイ」の表札が

ここに何時かは僕の名が・・・・

タイミング、時刻ともにばっちり問題無し。

さあ、いくよ!

ベルを鳴らしても反応はないね・・・・・

鍵は・・・開いてるね。不用心だな、レイは。

っと、勝手に上がらせて貰おうかな・・・・

へぇ、結構広い部屋じゃないか

僕とレイが一緒に住んでも問題のないぐらいの・・・

ガタッ

後ろを振り返る。

レ、レイの……は、裸……!!!

あれ、おかしいね、天井が回っているよ……。

 

「カヲル君……カヲル君……」

「ん・・・・・・レイなのかい?」

「大丈夫?」

「ああ、大丈夫だよ。ありがとう、ずっと見ていてくれたんだね」

「……(こくり)」

「これからネルフだよね? 一緒に行ってもいいかい?」

「(こくり)」

レイとの一時的接触は出来なかったけど……これはこれでよしとしようじゃないか。

 

来たね、ラミエル。

君が最初に何をするのかは解っているけど……。

わざとその罠にかかって、レイにお見舞いに来てもらうのさ!!

 

「本日午後12時より発令される作戦のスケジュールを伝えます。

 …カヲル君…寝ぼけてその格好で来ないでよ」

そんな軽薄な話し方なんて、もっと側に居てくれよレイ!!!

でも、ちょっと頬が赤かったね・・・・

綾波レイとは違うのかい?

 


06 決戦・レイが僕に惚れるために

「どうしてレイはエヴァに乗るんだい?」

「……絆、だから」

「お母さんとの?」

「みんなとの」

「そう……」

「ボクには何も無いんだ。

 もしボクがエヴァに乗れなかったら、それは死んでいるのと同じことだと思う・・・・・」

「そんな事無いよ。

 例えエヴァが無くても僕はレイと一緒にいるよ」

「えっ……(再び赤面)」

「ガラスのように繊細だね、君の心は……」

「・・・・時間だよ、カヲル君」

「そうみたいだねぇ」

残念だな・・・・・でも、終わってからゆっくり話せばいいことさ

「カヲル君、君は死なないよ。ボクが護るから」

逆だよ、レイ・・・・僕が君を護らなきゃ

でも・・・・・・

……ラミエル、君は強敵だった。

「レイ!!」

「……カヲル、君?」

「よかった、よかったよレイ……」

「どうして泣いてるの?」

「レイが無事で嬉しいからに決まっているじゃないか・・・・・」

「そう……ごめんなさい。こんな時、どんな顔をすればいいのか、知らないから」

「笑えば良いんだよ」

そう言うと、シンジ君・・いや、レイはあの時と同じ笑顔を見せてくれた。

「君の笑顔は・・・・・やはり好意に値するよ……レイ」

「好意に値する?」

「好きってことさ・・・レイをね」

 


07 ヒトの造りしものに対するカヲルの意見

原子力はダメだねぇ 

危なくて


08 トウジ帰国

「われがサードチルドレンか……変わった奴やのう」

ドイツ語の代わりに関西弁、か。なかなか面白いね?

「お前があのサードチルドレンか。よろしゅうな」

うん、なかなか友好的だねぇ。ただ、ちょっと下品、かな?

「なんや、モヤシみたいなやっちゃなぁ」

モヤシとは酷いね

「モヤシとは呼ばないで、カヲルと呼んでくれると嬉しいね」

「そか、すまんかったなぁカヲル。ワシはトウジ、鈴原トウジや」

やれやれ、加持さんは何処へ行ったんだい

あれ、あそこにいるのは加持さんと・・・そうだ、葛城とかいう作戦部長だったかな

「済まなかったな、カヲル君」

「ゴメンね、トウジ君」

何か二人とも顔が火照ってるねぇ・・・・・・・そうか、そういうことかリリンっ!

この二人は再開を楽しんで、僕とレイには苦行ばかり与えるんだね



しかし、二人で乗るならレイと乗りたいね

彼とはちょっと御遠慮願いたいね

ああ、レイ

君と逢うためなら僕はたとえ誰が相手でも容赦しないよ

済まないね、ガギエル

でも

もう二度と彼と一緒に乗りたくないね

LCLが血ではなく汗くさいからね


09 彼とは瞬間、心重ねていたくなかったカヲル

彼と一緒に住むのかい

しかし、彼は荷物が少ないね

どうせ住むなら、レイと一緒の方がいいね

「しっかし、男三人の生活ってのも結構辛いモンがあるなぁ・・・・」

加持さん、今頃言っても遅いですよ

部屋の中は、かの有名な夢の島のように

「なんでワシがカヲルと一緒に住まなきゃならんのや!

ミサトさ〜ん、待っとってくださいよ〜!」

僕も嫌だよ

「ま、上からの命令だ。従う他はないよ」

加持さんはいいねぇ

いつでも葛城さんと戯れることが出来る

いずれは僕らも・・・・・そう思わないかい、レイ


やれやれ・・・・彼と踊るのかい

ユニゾンはすぐにできるけど、今日はレイも部屋の中にいるっ!

トウジ君には悪いけど、わざとずれて貰ってレイと変わって貰うよ


ああ、レイ

君と共に踊るなら

こんな場所よりも相応の場所の方が・・・・

ほんのり桜色の頬が・・・・ハッ

いけないね、公衆の面前で理性を失っては


「なんやて・・・、カヲル、徹夜で特訓や!」

なんだって!!

失敗だったかな

ま、今日はレイと踊れたから良しとしようじゃないか


そして、決戦の日

イスラフェルよ

安らかに眠ってくれたまえ

君のお陰でレイと楽しい一時を過ごせたよ

ありがとう



10 温泉とカヲル

浅間山のマグマの中・・・・そうだろう、サンダルフォン

暑そうだね

そう思わないかい、レイ?

しかし、トウジ君はおもしろいね

「ワシは毎日、一定の運動を欠かさないンや」って

先程から30分間泳ぎ続けてるよ

彼の体力は驚異に値するね

しかし、ちょっと邪魔だな

もうすぐレイが来るのに・・・


『トウジ君、D型装備の準備が出来た、すぐ来てくれ。』

ありがとう加持さん!!

この時ほど貴男に感謝したことはない!!

これでレイと二人だけでプールに・・・・・

最高に幸せ者だね、僕は


『プシュー』

ん・・・・ああ、ようやく来たんだねレイ!!

ああ、レイの水着姿を拝めるなんてやはり僕は幸せだね

今すぐLCLに還元されても悔いはな・・・まだあるかな

白い水着じゃないか・・・なんて似合うんだ!!

でも、何でパレオが・・・・・

「でもレイ、なぜこんな場所でパレオ付きの水着なんだい?」

「え・・・・・カヲル君が喜ぶって、ミサトさんがボクに・・・・・(赤面)」

神様、葛城さん、本当にありがとう!!

このようなセリフを聞けるなんて、惚れた男としては本望だね

 

無駄死にさせてはいけないからね、トウジ君

今引き上げるよ 

 

風呂は良いねぇ。人類の生みだした、文化の極みだよ。

それも、レイがいればだけどね

ああ、レイと一緒に温泉に入りたかった・・・・・

加持さんとトウジ君は今頃混浴の方で・・・・


11 制止した闇の中でのカヲル

トウジ君は前回、温泉でマヤさんの着替えを覗いた罰でネルフで監視されている

だからレイと二人でネルフ本部へ行ける!!

あぁ、僕はなんて幸運なんだい

あれ、レイ

カードが通らないよ、どうしてだい?

だが、問題ないさ

僕には「力」がある

・・・・・アレ?

開かない・・・ヘブンズドアも開けたのに!!

そうか、そういうことかリリン!!

僕の肉体は人間となってしまったんだね

それではレイがもし・・・・・

大丈夫、愛があればそんなモノ乗り越えてみせるさ!!

「カヲル君・・・・・どうしたの?」

その頃ミサトと加持はエレベーターの中で「お楽しみ」のまっ最中(監視カメラは電源が落ちてるからね♪

「何でもないよ、レイ。

電源が落ちてるようだね・・・・・・しょうがないから別ルートで行こうか」

「うん」

あぁ、レイ。

やはりシンジ君と同じなんだね

他人との接触を極端に恐れるけど、僕には心を開いてくれた。

君のガラスのように繊細な君の心に

僕は好意を抱いているよ

たとえ君がシンジ君でも、レイでも

「トウジ君、大丈夫かい?」

「いいからはよせんか!」

「レイ!」

「カヲル君!」

「トウジ君、下がって」

「よっしゃ!」

マトリエル・・・君はいい時に来たねぇ

でも、君にも消えて貰うよ。

パレットガンの一斉掃射を君への餞として


12 奇跡より、レイと一緒にいる時間に価値を見いだした少年・カヲル

せっかくユイさんがいないから、レイを誘って何処かへ行こうと思ったのに呼び出しかい?

やれやれ、今度は空から降ってくるのかい?

サハクィエル、君は万死に値するね。

僕の幸せな未来を自爆と共に潰そうとするなんて

「まぁ、エヴァの手で受け止めるんだが・・・反対があれば構わない。

君たちには選択権がある。自分で考え、自分で決めるんだ。後悔の無いようにな」

「「「やります」」」

「代わりに何だが・・・無事で終わったら・・・・・カヲル君からちょっと耳を貸してくれ」

「作戦が成功すれば休暇と旅費を二人分あげよう。まわりには内緒だ」

「いいんですか!」

「声が大きい。まあ、司令がいない今が君にとって最高のチャンスだ。
 こんなチャンスは滅多にない。楽しんでくればいいさ」

「ありがとうございます」

「ハハッ、これで助かれば安いもんさ。じゃぁトウジ君、耳を貸したまえ」

二人の間にどんな交渉があったかしらないけど・・・トウジ君が燃えてるねぇ・・・

加持さんは策士だねぇ

あれ、レイは・・・・顔が赤いっ!

加持さん、僕のレイにナニを吹き込んだんだ

「ボクに服買ってくれるんだって・・・・『たまには遊ぶといいさ』って・・・・・」

加持さん、やはり貴男は尊敬に値しますね・・・男としては

しかし、これでオフィシャルにデートできるのさ。

あぁ、サハクィエル

君には感謝するよ

だから君の死は無駄死にじゃない、僕とレイの関係をより深めるための「糧」として散って貰うよ

そして君の爆発は、僕らの関係を祝福する花火に終わるのさ

さぁ、レイ

ランチボックスを持って芦ノ湖へ行こうじゃないか!


13 使徒侵入・・・僕はもうヒト、人間だからね

フフン

マナちゃんのお陰でさんざんな目にあったよ

レイからは睨まれ続けて・・・・・・

「今日のテストはプラグスーツ無しで行います・・・・・」

そ、そうか・・・・・ってことはレイもら・・・裸体のまま・・・・

うん、なかなかいい実験だねぇ

でも、垢を落とすといっても僕らには関係ないんじゃないのかい?

「くぉっ、痛いッちゅーねん・・・か、皮膚がっ!」

彼だけだね・・・・・もう18回目だよ

「・・・・プライバシー保護のため、各自のカメラ回線はオフになって・・・・」

別に要らないんだけどねぇ

レイにこの僕の姿を見てもらえるなら本望さ

ト、トウジ君・・・・・

そうやってレイを覗こうとするのはやめてくれないかな

万死に値するよ

「各エントリー、問題なし・・・・順調です」

この声はマヤさんだね

「テスト終了まではあと3時間を予定しております」

マコトさん・・・・それはないよ

「速いな・・・流石はMAGIだ・・・・。

初テストの時に一週間かかってたのが嘘のようだな」

「碇司令のお陰よ・・・・私だけでは此処までこなかったわ」

以外と謙虚だね、リツコさんは

しかし、そろそろだろうね

 

『ブーッ・ブーッ・ブーッ』

警報音、来たねイロウル!

・・・・くっ、プラグが射出されたようだね・・・・

しかし困ったことになってしまったよ

外はジオフロント、僕らは服無し、電源も必要最低限しか無いようだね

しかし、それはレイも同じ事

トウジ君は既に『ワシはもどっとるで』と伝言して行ってしまった

裸でも平気なのかな、彼は?

彼はストリーキングが趣味なのかい?

 

しかし、そんなことはもうどうでもいいさ。

さぁ、レイ・・・・こっちへ来ないかい?

そして僕と一つに

 

え、ダメ・・・恥ずかしいのかい

今更何を・・・・ダメなのかい・・・残念だね



14 ゼーレのみなさんは元気なのかな?

今まで来た使徒は第参から第壱拾壱の使徒まで

あと第壱拾弐から第壱拾七までだけど・・・・

これからは厄介だね

しかし、綾波レイが出てこないね

もしかして彼女が・・・・・・・・

とてもイヤな予感がするよ



15 嘘と沈黙と嘆き

レイはゲンドウさんのお墓参りか

トウジ君は帰国してすぐに仲良くなったケンスケ君とサバイバルゲームに出かけていない

加持さんは同僚の結婚式だったかな

僕だけが・・・・テストなのかい?

酷いですよ、赤木博士・・・・赤木博士もいないのかい?

「じゃぁ、僕を呼んだのは誰なんだい?」

「私よ、カヲル君。

司令室まで来てくれないかしら?」

「ユイさ・・・・碇司令・・・・なぜですか?」

ユイさんは黙ったまま司令室の前まで僕の前を歩く

そして部屋のドアが開くと同時に口を開いた。

「私のことはユイさんでいいわ。

それよりカヲル君、貴方は私の娘の・・・・、レイのことをどう思ってるの?」

なんてストレートな質問なんだ!!

でも答えは決まってる

「ただのパイロット仲間としてではなく、

渚カヲルという一人の中学生として好きですよ」

「そう・・・・そうなのね」

なぜそんなに悲しい目をするんですか!

「今からゲンドウさんのお墓参りに行くけど、カヲル君もどうかしら?」

「ええ、お供させていただきます」

ゲンドウさん

初号機の中にいるのは間違いなく貴方でしょう

しかし、墓石が良い味だしてるね

職人が精魂込めて作り上げた作品のような墓石だよ

「でもユイさん」

「なにかしら、カヲル君」

「ゲンドウさんは初号機の中にいるのではないのですか?」

「・・・・・・・あの人が言ったの。

もし、自分がいなくなったらここに墓を建てておいて欲しい、って。

だから中には何も入っていないわ」

「そうですか・・・・・」

「母さん・・・時間だよ」

どうしたんだい、レイ?

声にトゲがあるよ

「そうね、私はここまでね。

用事があるから、先にVTOLに乗って帰ってるわ。

じゃぁカヲル君。レイのことお願いね♪」

「分かりました・・・・・

ちょっと、碇司令」

なんだって!!

それじゃあ僕とレイははどうやって帰ればいいんだい?

「しかし・・・どうして京都なんだい?

レイは分かるかい?」

「・・・・父さんと母さんが出逢った場所だ、って、・・・・・母さんが言ってた」

そうか、そういうことかお義母さん!!

「でも、どうやって帰ればいいのかい、レイ?」

「わからないよ・・・カヲル君(赤)」

「本当に繊細だね、君の心は。

だから、僕はレイに好意を抱いたよ」

「好意を・・イダク?

なに、それ?」

「僕は好きでしょうがないのさ、レイがね」

「・・・・・・・・・(赤)」


16 死に至る病、そしてカヲル

さて、京都からなんとか無事に帰ってこれたねぇ

加持さんが迎えに来てくれなかったらどうなっていたか分からないよ

それにしても、帰ってきてすぐにシンクロ・テストなんてね

少しは僕らの体をいたわって欲しいよ

お陰でシンクロ率は常にトップなんだけどね

 

で、現れたのがレリエル・・・君か・・・・・・・・

実体はないんだよね・・・・彼には

っと、トウジ君、行き過ぎは良くないよ・・・・・ああっ

弐号機が影に飲み込まれて行くね

まぁ、自業自得だからしょうがな・・・・零号機、レイ!!

まさか、彼を・・・・・助けるのか!

まずい、このままではレイがはレリエルの影まってしまう!

「レイっ!!」

 

で、零号機を引っ張り上げたは良いけど僕はこの様さ・・・・・

このまま僕はディラックの海の中でレイと会うことも出来ずに死ななければならないのかい?

何も見えない、怪しい空間が広がるだけ

でも、レイを助けたなら・・・・・

 

「現存するN2爆弾992個を全部使ってサルベージ計画だぁ?」

「ええ、そのすべてを中心部に投下

エヴァ零号機と弐号機のATフィールドで使徒の虚数回路に1/1000秒だけ干渉させるわ。

その瞬間に爆発エネルギーを集中させ、使徒をディラックの海ごと破壊するのよ」

「そんな無茶な!

それでは、カヲル君はどうなるんだ?」

「初号機のサルベージを最優先とします。

パイロットの生死は問いません。

なお、これは碇司令も了承しました」

「ユイさんが・・・・・・・・・」

 

「まずいね、プラグのLCL浄化能力が落ちてきたよ・・・・・」

僕の命もここまでかなのかい

もうレイに会うことは出来ないのかい?

 

「エントリープラグの予備電源、理論値ではそろそろ限界です」

「プラグスーツの生命維持システムも危険域に入ります」

「リッちゃん!!」

「予定を12分繰り上げましょう。

カヲル君がまだ生きてる内に・・・・・」

 

「さ、寒いね・・・・・・・・」

 

『エヴァ両機、作戦スタート位置』

『N2爆雷、投下準備完了』

『作戦開始、60秒前』

 

ん、なんだい

もうお迎えが来たのかい?

違う

初号機が動いた!!

もしかして僕は助かるのかい?

 

「状況は!!」

「中心部から強力なATフィールドの発生を確認!」

「観測用メーターが全て振り切られています、計測不能です!」

「何が始まったんや?」

「まさか・・・あり得ないわ

初号機の残存エネルギーはゼロなのよ!!」

「始まったようだね・・・・・・」

「ええ、そのようですわね冬月先生」

 

あれ、また意識が遠のいて・・・・・・

本当にどうなるんだい?

 

 

「ん〜、ここは・・・・・病院か。

僕は助かったのかい?」

「そうだね、カヲル君」

「レ、レイっ!!」

「あとはボク達で処理するから、カヲル君は今日は休んでて」

「そうだね、そうさせて貰うよ」

生きて帰ってこれてなによりだよ・・・・でも

「レイの顔を見ていたいな。

まだ、居てくれるかい?」

「・・・何を言うの、カヲル君?(赤)」

「好きだからだよ」

フフン、感情のノリも良くなってきたねぇ
全ては僕の計画通りさ!!

たとえ、ユイお義母さまが何を企んでいようと、僕の手で未来を変えれば良いのさ


17 第四の適格者は彼女なのかい?

平凡な日常だね

でも、そろそろ四人目の発表がある筈だね

『ピンポ〜ン』

おや、誰か来たようだね

「はい、どなたですか?」

「おはようございます!

加持さん!

自分を、エヴァ参号機パイロットに・・・・」

ケンスケ君か・・・・・・

自ら、地獄へ飛び込もうなんて愚かなモノだよ

 

アスカちゃん、元気ないね・・・・

もう、呼ばれたのかな?

「アスカちゃん

ちょっと、話があるけどいいかい?」

「なによ渚?

珍しいわね。

あんたが話し掛けてくるなんて」

「ここはまずいから屋上で・・・・・・」

一応、機密事項だからねぇ

 

「で、君が4thチルドレンに選ばれたのかい?」

「なんでアンタが知ってるの?

あの、リツコとかいうオバサンは、渚には言ってないって言ったのに!」

アスカちゃん・・・・・・・・・

オバサンはまずいよ (汗)

「ま、そうよ。

弟の脚の状態が結構悪くてね。

ネルフの病院に転院することを条件に受けたの」

「済まなかったねぇ」

「良いのよ。

もう済んだこ・・・・って、

なんでこのアタシが渚なんかにこんなこと話さなきゃならないワケ!!」

『バシンッ!!』

痛いねぇ

その左なら世界を狙えるよ・・・・・・

でも、大丈夫なのかい

「レイ

そこにいるんだろう?」

「うん」

やはりね

先程からずっと居たんだね

「レイは・・・・彼女が4thだってことを、知っていたのかい?」

「うん、知ってたよ」

「そうなのかい」

僕には通達されていないじゃないか・・・・・・

どういうことなんだ?


18 カヲルの選択を

「済まないが、俺はこれから松代へ出張だ・・・・。

四日間ほど留守にするが、しっかりやってくれ」

「参号機、ですか?」

「カヲル君、良く知ってるな。

その通りだ」

「参号機のパイロットは?」

「・・・・・・君と同じのクラス、惣流アスカちゃんだ・・・・・。

まだ何も言ってなかったな、済まない」

そうか・・・・これも彼女の運命(さだめ)なのかい

「構わないですよ・・・・」

そう、知っていたしね

「そうか、それじゃ行って来る」

加持さん、気を付けて

『ガタッ』

「なんや、加持さんお出かけか!」

「松代へ出張、四日ほど留守にするそうだよ、トウジ君」

「なんや、参号機のアレか」

「パイロットがアスカちゃんか・・・・・」

「なんや、お前知っておったんかい!!」

 

 

「遂にこの時が来てしまったようだね・・・・・」

目の前には参号機、いやバルディエルが僕の初号機と対峙してるよ

『カヲル君、この時って、どういうこと?』

くっ、無線が・・・・少しまずいことを口走ってしまったようだね

しかし、どうすればアスカちゃんを無事に助けられるかな?

トウジ君は速攻でやられてしまうし、レイもすぐに押し倒され、浸食されそうになるし・・・・・・・

ん、?

それは「僕の」レイを汚そうとしたんだな!!

それは死んで貰うしか無いようだね・・・・バルディエル!!!

ユイさん、ダミープラグなんか使わせませんよ!

 

しかしバルディエル、君は手強い!

参号機を乗っ取った君の計画は良かったよ

でも、相手が僕だったのが最大の失敗だったね

 

ふぅ、終わったよ

アスカちゃんはショックで入院か・・・・

無事で何よりだよ

しかし、怒りがこみあげてきたばかりに参号機をここまで大破させてしまうなんて

僕もまだ若いね

もう、参号機は使い物にならないよ


19 カヲルの戦い

「カヲル君、『この時』ってどういうことかしら?」

いきなりそれですか・・・・厳しいですね

「いえ、エヴァが使徒に占領されるときです」

「貴方は知っていたの?」

くっ、ストレートに来るねぇ

「まさか・・・・・知ってるはず無いですよ」

「そう、まぁ、それは私の胸のだけ中に留めておくわ。

で、貴方は参号機を完全に大破させたけど、その責任追求が来てるわ。

よって、カヲル君は本日午後一時を持ってパイロットを解任します」

そ、そんなバカな

「ユイさん、なぜそこまで・・・・・・」

「大丈夫よ、委員会への『形だけ』だから。

いざとなったら、乗って貰うわ。(ニヤリ)」

「そういうことですか・・・・」

お義母様

僕は貴方に勝てるのですか?

 

「ではカヲル君、君は一応ここで避難という形で待機していてくれ」

避難所じゃないか、大丈夫なのかい?

「ここで、ですか?」

「ああ、本部はちょっとまずくてな。

特にリッちゃんが・・・・・・・

まぁ、多分葛城が迎えに来る」

「では、待ってます」

ふぅ、初めてだね、避難所で過ごすなんて

おや、皮肉を言ってる方もいらっしゃるようだねぇ

僕もレイも命を張って・・・・・・・なんだ?

 

『ドガッ』

 

弐号機の・・・・・・トウジ君!!

すっかり君を忘れて・・・・・・・・んっ?

それどこじゃない、葛城さんは・・・・来ていないね!

もう遅い、一人で行こう

レイの身に危険が迫る前に!!

 

「ハァッハァ・・・・・・突然の全力疾走は非常に疲れるね、体に悪いよ・・・・・ん?

あれは・・・レイ!

ナイフも持たずに・・・・・・・・N2を持ってる!!」

くそ、ゼルエルっ!

僕はお前を絶対に許さないからね・・・・・・・。

「アラ、カヲル君!

どおしたの?こんなとこで・・・・・」

なっ!

「葛城さん・・・何してるんですか!

僕を迎えに来るんじゃなかったんですか!!」

「ゴメ〜ンゴメン、忘れてたわぁ

許してぇ♪」

臭いね・・・・・・こういう女(ヒト)は好意に値しないね

「第一、何でこんな所でビール飲んでるんですか!?」

「自然に囲まれた場所で呑むのは良いわよぉ♪

気分は最高よ!!

まぁ死ぬときぐらい、好きな事していたいじゃない・・・・あそこにはアタシの居場所無いし」

「滅びるなら・・・・ですか?」

「そうね・・・・・。

でも、私にはここで見てるだけしか出来ないけどね。

貴方には、貴方にしかできない事があるわ」

「分かっています・・・・・・・レイ!!」

「えっ?」

こうしてはいられないな・・・急がなければ

 

 

「くそ、カヲル君はまだなのか?」

「ダミープラグ挿入、エントリー開始・・・・ダメです、初号機は信号を受け付けません」

「良いわ、続けて頂戴。

あと、ゲージへのマイク回線をこっちに頂戴」

 

「あー、ゲンドウさん、今がどういう状況か分かってるの?

ゴネてる場合じゃなくて、何とかしてくれないかしら!!」

 

「え・・・・初号機、信号を受信、エントリー、スタートしました!」

「しょうがないわね、あの男(ヒト)は・・・・・」

「ユイ君、良いのかね?」

「構いませんわ

死ぬよりはマシでしょう」

「変です。

初号機がダミープラグを拒絶しました!」

「なんですって!」

 

「早く僕を初号機に乗せて下さい!!」

「カヲル君・・・・遅いわ」

「やっとご到着か・・・・・・・」

 

 

さぁ、ゼルエル

君には悪いが、一番悲惨な死に方をして貰うよ

弱肉強食という言葉があるねぇ

君には初号機の糧になって貰うよ

これから、レイを守るためにね

さて、通信回線を落としてからゆっくりとね

「サヨナラだよ、ゼルエル」

もう、君には二度と会うこともないね

レイを痛めつけた君には容赦しないよ

S2機関を得るためにもね


20 心のかたち、人のかたち、カヲルのかたち

僕はどうやらシンジ君のように飲み込まれずに済んだようだねぇ

でも、レイが零号機に取り込まれてしまったよ

なんていうことだ!!

戦闘の後の唯一の心の癒しとも言えるレイの顔を見ることが出来ないなんて!

 

ユイさんやリツコさんたちが徹夜で作業しているけど、一ヶ月はかかるらしいね

成功率はかなり低いらしいけど・・・・・心配だ!!

でも、一ヶ月もレイの顔を見ることが出来ないなんて

最悪だ

 

でも、N2爆雷なんか持ってゼルエルに突っ込むのを止めなかったなんて

どうしてなんだ?

 

 

 

それにしても、一ヶ月が長かったねぇ

ようやくサルベージ計画の開始だよ

『ブー・ブー・ブー』

『自我境界が・・・・・・』

なんか嫌な雰囲気だねぇ・・・まさか

『ダメです!

プラグがイクジットされます!!』

なんだって!!!

そんなことしたら、レイのかたちを創るLCLが!

 

あぁ、レイ

そのまま君は、流れて僕の前から消えてしまうのかい?

 

 

ん?

 

コアの中から何か反応があるねぇ・・・・・まさか!

今行くよ、レイ!!

 

やはりそういうことか、リリン

レイはここから出て来るようだね

さぁ、僕の胸に飛び込・・・・・・う゛

レイ、は・裸

あれ

また世界が回ってるよ

でも、胸は小さいね・・・・・・・・

 

「・・・・・くぅ、ここは何処だい?」

「目が覚めたんだね、カヲル君」

「レイ・・・・もう良いのかい?」

「うん・・・・・・・」

「で、レイ?」

「なに?

カヲル君」

「どうして僕に馬乗りになった上で僕の首を絞めてるんだい?」

「ボクには分からないよ」

「グェ・・・・・レイ・・・・・どうして」

もしかして・・・・僕は呟いてしまったのかい?


21 ネルフ、誕生

今日も暑いねぇ

ここまでは順調と言っていいのかい

ただ、レイに嫌われてしまったよ

どうすれば良いのか分からないんだ。

こんな時は加持さんに・・・・・

おや、加持さんが泣いてるねぇ

留守番電話のメッセージがあったけど・・・・・・・

聞いても良いかな?

 

『ピー

加持君、アタシよ。

この電話を聞いてる頃には加持君にちょっち迷惑をかけた後かもしれないわ。

その時はゴメンネ。

リツコにも謝っておいて

あたしのクルマ、加持君が乗ってくれれば嬉しいわ。

場所はアスカが知ってるわ

もし、もう一度逢えたら・・・・・・

・・・・・カンパイしようね。

ピー』

葛城さんが・・・・・・もしかして

 

悲しいことが続くね

これも定めなのかい?


22 せめて、カヲルらしく

アラエル

君の歌は聴きごたえがあるねぇ

心に響いてくるよ

でも、僕は初号機が凍結解除のために出ることが出来ないのさ

なんのためにS2機関を手に入れたんだい?

あんなモノを食べてまで

以外と美味しかったようだけどね

 

レイ、それは・・・・・ロンギヌスの槍じゃないか!!

まさか・・・・・・投げた!

確かにアラエルは消えるけど、まだ使徒は残っているんだ

しかし、また仲直りするきっかけを逃してしまったよ

レイ

そんな冷たい視線で僕を見ないでおくれ


23 涙

まだ凍結解除なのかい

トウジ君のエヴァは最近はまるで役に立っていないね

どうやらスランプに陥ってしまったようだ

シンクロ率が上がらなくて悩んでいるよ

 

ってことは、戦力はレイだけじゃないか!!

危険すぎるじゃないか!!

「だめよ。

今の初号機を迂闊に出すことは出来ないわ」

 

でも、アルミサエルは・・・・・・・

 

『零号機、浸食されて行きます』

 

浸食をはじめたようだね・・・・・

人間の心を知ってどうするつもりなんだい?

 

おや、僕の方には向かって・・・・・・・ 

 

『零号機のフィールドが反転!』

 

なにっ!!!

まさか、どうするつもりなんだレイ!

 

ん?

こんな時にモニタが・・・・・・

『カヲル君・・・・・・・・・』

レイ!!

でも、顔になにか・・・・体まで浸食されてるじゃないか

 

『エントリープラグ排出信号を送信・・・・ダメです、カットされました!』

 

なにっ!

まさか・・・・レイ!!

死ぬ気かい!!

 

ダメだ。

そんなことはさせないよ、レイ

君の苦しみを僕に分けておくれ

今のレイの表情は見ているのが辛いんだ

でも、二人で分かち合えば

使徒・アルミサエルを拒めば良いのさ!!

そう、この触手のような本体を掴んで

 

「レイ

君を一人だけで行かせないよ」

『カヲル君・・・・・・・・・どうして』

「僕はレイが居なくなった世界には興味がないからだよ。

さぁ、次に向かおうじゃないか。

自爆をしてしまったら、僕たちに未来はないんだ!」

 

アルミサエル

もし、君にもう一度逢うことがあったら

僕は君に感謝すべきなのか

君を殺すべきなのか分からない

お陰でわだかまりが解けたけどね

 

でも、ユイさん

それにリツコさん

なぜプラントの中にゲンドウさんが・・・・・・・・・

まさか、最後の使者はレイじゃないのかい!!


24 最後の使者 with KAWORU

遂に最後だよ・・・・・レイ

これが終われば僕たちも報われるのさ!!

ん?

唄が聞こえるねぇ・・・・・

カ・カノンじゃないか・・・・・・まさか

「唄は良いわね。

唄は心を潤してくれるわ。

そう思わないかしら、渚カヲル君?」

やはり彼女なのかい?

「同感だね・・・・綾波レイ」

「どうして知ってるの?」

「全ては僕の心の中さ。

君にはこの世界を渡さないよ」

そう、レイとの明るい未来をね

「あ〜!!

パンツ覗いたなぁ!!

カヲルの変態野郎!!!」

な・なんだこのレイは・・・・・・・まさか、性格が!

でも、制服でそんなところに仁王立ちすれば見えるのも必然なんだけどね・・・・・

見たいって訳ではないさ

見るのならレイのを・・・って、二人ともレイじゃないか!!

 

しかし、あの綾波レイは元気だね

あれから三十分間はハイテンションなまま説教されてしまったよ。

しかし、パイロットの補充といってもセカンドのトウジ君は

「精神修行のため山籠もり」

と言ったきり帰ってこないし、レイはテスト続きで今は眠ってる。

アスカちゃんは骨折程度で済んだけど、登録は抹消

ようするに、チルドレンは僕しか活動可能なのが居ないのだよ

早く誰か代わってくれないかい?

 

で、綾波レイはいまどこなんだい

『ヘブンズ・ドアが、開いて行きます・・・・・』

なにっ!!

もうそこまで行ったのかい?

でも、地下に眠っていたのはアダムではなくリリスの筈だ。

『ドンッ!!!』

くっ、なんなんだい?

ん、弐号機か・・・・・僕を弐号機で止めようなんて甘いよ・・・・・綾波レイ

 

「待ってたよ・・・・・・ この変態野郎!」

生身でも強がるね

さすがは最後の使徒、僕との交代選手だ

しかし、甘いよ

「君に未来は要らない。

ここにアダムは無い。

だから君には消えて貰うんだ。

未来を与えられる生命体は一つしか選ばれない。

そして、君はいるべきではない」

「あんたみたいな変態野郎には言われたくはないわよ。

さっさとこの手を離しなさいよ」

「僕は変態ではないよ。

ちゃんとしたノーマルだ。

そして、君は短命の花の様にこのまま消えるのさ」

そう、サヨナラ

僕と同じカラダで出来ていた使・・・・・少女

女の子を手に掛けたくはなかったけど・・・・・・・もう僕には救済の余地もない。

こうまでしてでも、僕は生き延びたかったのか?


次回予告

全ては終わったはずだった。

だが

鳴り響く警報

飛び散る赤い液体

各所で起きる爆発

戦自介入

絶望の淵に立たされたネルフ職員

窮地に陥るカヲル

その頭上にエヴァシリーズが舞い降りる

25 G線上のカヲル



そして



終局の時は訪れる

ただの人間でしかない渚カヲルと碇レイ

カヲルの願いは叶うか

もう一度、時間の間を飛ばされるのか

プラントの中のヒゲオヤジの運命は

26 カヲルのまごころをレイに

 

 

 

続く


 KEEP on RIDING緒方紳一さんから投稿作品を頂きました♪

 電波襲来度が素晴らしいですね。性別逆転‥だけでもないのか。

 ゲンドウさんの位置付けとか、碇レイとか。

 カヲルにもわからない謎がいろいろあるようです。

 みなさんもぜひ緒方さんに感想を出して下さい。

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