<ゲンドウという男>
腹が減った。
普段冷血無比の最低オヤジと評されているこの私でも、時間が来れば腹は減る。
その日、何の手違いか執務室へ運ばれる筈の、私の大好物が届けられる事が無かった。
あまり気乗りはしなかったが……私は仕方なく、一般職員専用食堂へと足を進める。
食堂へと通じる道すがら、私は一人の女性とかち合った。
金髪に黒く太い眉が特徴的な、白衣を着た知的な美人……赤木リツコ博士だ。
私は彼女の事を無視して食堂へと急ぐつもりだったが、彼女が私の事を呼び止めた。
「碇司令」
私は急いでいるのだが、まあこれも仕事のうちだ。
「申し上げたい事が」
「赤木博士か。何かね?」
「実は……」
赤木君は言葉を続けようとしているようだが、なかなかその先を話そうとはしないようだ。
一体どうしたというのだ?
「どうした? 君にしては珍しい」
「……はい」
「言いたい事があれば早く言いたまえ」
「で、ですが……」
いかにも言いずらそうな彼女に、私は少々苛立ちを覚え始めていた。
私はそれ程、悠長に事を構える人間ではない。
「何もないなら、ここで失礼する」
「あっ……」
腹の減っていた今の私には、大好物のメニューしか頭に入っていなかった。
自然の摂理には逆らえない。
神であろう筈もない私が、食欲に支配されるのも無理からぬところだろう。
いや、神でも食欲に勝る事はあるかもしれない。
ふっ……初号機とて、使徒を食う事があるのだからな。
そんな他愛もない事を考えながら、私は一般職員専用食堂へ足を踏み入れた。
そこでは遅い昼食を摂っている職員達が、まだ20名程たむろしていた。
だが、私の姿を確認した途端、その職員達は蜘蛛の子を散らすように反対側から出て行ってしまった。
「…………」
私は一抹の寂しさを感じながらも、カウンターに足を進める。
そして、私は注文をした。
「いつものを頼む」
カウンターの中の男は、これだけで全てを理解する。
私はネルフ本部に着任してから唯一、ただ一品だけしか注文した事がないからだ。
手近なテーブルに座る。そこは私の指定席だ。
ここの席に陣取るのは実に楽だ。
何しろ、私がここに来ると職員達は全て逃げるように退出してしまうからに他ならない。
程なくして、私の注文した料理が出来たのだろう。
背後から私の元へと歩いてくる人の気配を感じる。
そして、私の傍らでその歩みを止めその人物は、私の目の前に大好物の料理を差し出した。
立ち昇る湯気と、ケチャップライスの小山に突きたてられたネルフマークの小旗が、食欲をそそる。
私の名は碇ゲンドウ……シャイでクールなナイスガイだ。
[ しまい ]
え〜皆さん恥めまして……中川 健(仮名)と申します。
普段こんなんSSばっか書いてる大馬鹿野郎です。(^^;
今回は……良いのか? こんなモン開設祝いに送って?(^^;;;
そう……これが私・中川 健(仮名)のパーソナルなのです。
苦情がございましたらこちらまでメール下さい。
では、更なる怪作さんのHPのご発展を祈ってお手を拝借!(おいおい(^^;)
烏賊れた怪作のコメント(感想として‥‥)
MAP1144の中川健(仮名)さんから投稿をいただきました。
その日、何の手違いか執務室へ運ばれる筈の、私の大好物が届けられる事が無かった。
あまり気乗りはしなかったが……私は仕方なく、一般職員専用食堂へと足を進める。
ゲンドウの好物‥。
いったい何なのですかな。
「実は……」
赤木君は言葉を続けようとしているようだが、なかなかその先を話そうとはしないようだ。
リツコさんが突然‥‥何でしょうなぁ。
ゲンドウの顔に何かついているのかしら?食堂のゲンドウ、無気味ですな。
そして注文した料理は‥‥‥?
そして、私の傍らでその歩みを止めその人物は、私の目の前に大好物の料理を差し出した。
立ち昇る湯気と、ケチャップライスの小山に突きたてられたネルフマークの小旗が、食欲をそそる。
おお、お子さまランチ‥‥‥がく(倒れる音)
私の名は碇ゲンドウ……シャイでクールなナイスガイだ。
君はもっと自分のことを知るべきだよ(カヲル風に)リツコさんが話をしたがっていたのは、ひょっとしてお子さまランチは見苦しいからよせってことだったんですかな。
‥‥言われてやめる人でもないでしょうが。
みなさんも中川健(仮名)さんに感想を送って下さい。