ストーリー





1977年、冬、伊賀(日本)。一人の伊賀忍者が抜け忍として追われていた。
彼の名は希代の天才忍者とうたわれた伝説的な「SHINOBI」“ジョー・ムサシ”。
彼は、愛する妻と2人の間に生まれた1人息子“疾風”との人並みの幸せのため、抜け忍の道を選んだのである。
追手の激しい追撃。最後の戦いにおよんで“ムサシ”は、2人とハヤテのたった1人の友達である忍犬“大和”を船に乗せて逃がした。
「せめて2人だけでも…」。幼いハヤテが父の姿を見たのはそれが最後であった。

1978年、Spring(春)、NEW YORK CITY(USA)。
霧にむせぶブルックリンのとある港。
この地で古武道場を開いている日系アメリカ人“DICK・C・KATO”は、日課であるジョギングの最中に一隻の小船を見つけた。
女性はすでに息たえていたが男の子と犬は元気で、その小さな手の中には十字型をした刃物がしっかりと握られていた。
「シュリケン…、ジャパニーズ…、ニンジャ!」
カトウはこの子を育てる決心をした。ハヤテ満1歳の時である。

1997年、Summer(夏)…。カトウのもとで幼い頃から武道を教え込まれたハヤテは、素晴しい才能を発揮していた。
「もしかしてこの子は、本当のニンジャなのかもしれない」
忍者は、魔法にもにた忍術のみならず、あらゆる武術・体術にも精通していたという。
一方、平和な彼らの生活とはうらはらに、街中では謎の殺りく集団が暗躍し、人々を恐怖の底に陥れていた。その集団の中にニンジャを見たという者も現れ、暴虐は日に日に増していくばかりであった。
ある日、ハヤテが練習からかえってくると、瀕死の重傷をおったカトウの姿があった。
「と、父さん…!!」
カトウは謎の集団から子供をかばい、代わりに傷を受けたという。

最後まで自分の子として慈しみ育ててくれたカトウの死。
すさまじい怒りと悲しみと憤りの中、彼は本当の父の形見である忍刀を手にした。
ハヤテの“忍び”としての血が完全に目覚めたのはこの時であった。

殺りくの炎の中に進んでいく彼の傍には、忍犬ヤマトが付き添っていた…。



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