ヒットラーの復活 トップシークレット
機種 ファミリーコンピュータ ステージ数 19面
発売元 カプコン ライフ制 あり
開発元 カプコン 残機制 あり
発売日 1988年7月20日 コンティニュー 9回
定価 5,900円 パスワード なし
プレイ人数 1人 難易度選択 なし
αゾーン
βゾーン
γゾーン
δゾーン
シナリオ
バイオニックコマンドーの歴史
バイオニックコマンドー マニアックス




 『ヒットラーの復活 トップシークレット』は、1988年にカプコンから発売されたファミコン用アクションゲームだ。海外名は『バイオニック コマンドー(Bionic Commando)』で、後のシリーズでは日本版もこのタイトルに統一されている。本作は前年に発売されたアーケードゲーム『トップシークレット』の移植ではあるが、内容はまったくのオリジナルである。主人公のラッド・スペンサーがワイヤーアクションを駆使して、敵に捕らわれた英雄スーパージョーを救出するという展開になっている。「スーパージョー」は1985年に発売された名作『戦場の狼』の主人公であり、ジャンルはまったく異なるものの、本作は『戦場の狼』の続編として見ることもできる。
 『ヒットラーの復活』の見た目はオーソドックスな横スクロールアクションだが、何と主人公はジャンプが一切できない。その代わりに、ワイヤーを地形に引っかけて進んでいくのである。これは原作『トップシークレット』と同様だ。その上で『ヒットラーの復活』は、『トップシークレット』のワイヤーアクションを大幅に改良している。『トップシークレット』では、空中でワイヤーを切ると、着地するまで銃もワイヤーも発射できなかった。しかし『ヒットラーの復活』では、このどちらも可能になり、空中でワイヤーを連続で引っかけて、華麗に飛び回ることができるようになったのである。そのほかにも、最初こそ『トップシークレット』の一発死を踏襲しているが、アイテムを集めることでライフを増やすことができたり、ゲームを遊びやすくするアレンジが随所に加えられていた。また、一部に『戦場の狼』をほうふつとさせるトップビューのステージも挿入されている。
 しかし最も大きな変更点は、ストーリー性の強化だ。『ヒットラーの復活』の最終ステージからエンディングにかけての展開は、あらゆるアクションゲームの中でも最高といえるだろう。さらに「ヒットラーが現代に復活する」という展開も衝撃的で、あまりにも危険な設定だったため、海外版では「マスターD」という名前に変更されている。しかし、顔のグラフィックは日本版のヒットラーそのままであったため、その正体は誰の目にも明らかだった。
 オリジナルのアーケード版『トップシークレット』は、あまりよく知られた作品ではなかった。しかし『ヒットラーの復活』は、完成されたワイヤーアクションと、感動的なストーリーによって、ファミコン史上最もカルトな名作のひとつとなったのである。



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