鍼灸、接骨と病院|げんきDASで治そう!009

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鍼灸、接骨と病院 げんきDAS

そもそも、鍼灸院と接骨院って、病院とどう違うんだろう?
役割の違いを、ちゃんと説明してほしいですよね。


患者さんにも、柔道整復師、鍼灸師の先生方にも楽しんで読んでいただけるように、「そこだけ先生とえだね先生」の話として、なるべくわかりやすく工夫しています。

各ページは、4~5分で読める文章量でまとめています(文庫本2ページ分くらいの文量です)。
それぞれの章は読み切りになっていますが、順番に読んでいただくとさらにわかりやすくなると思います。


鍼灸院や接骨院は、病院とはちがいます。
病院は、ケガや病気を治すところ。
肩こりや腰痛は、病気じゃない…?

痛むけど病気じゃない

そこだけ先生とえだね先生は、木曜日の勉強会を始めました。 その最初のテーマが、古里のおばあちゃんの肩こりです。

肩こりの勉強会をそこだけ先生としたいと、えだね先生は古里のおばあちゃんに電話で伝ました。
すると「それは驚いたね」といったあと、「守くん(そこだけ先生の名前です)に良く教えてあげてください」とていねいにお願いしていました。

古里のおばあちゃん げんきDAS

「ストレートネックって整形外科でいわれた、レントゲンで確かめたんだって、古里のおばあちゃんは言い張ってました。自分は病気なんだって。」
えだね先生は、困ったような、笑ったような顔でいいました。

ストレートネック げんきDAS

「でも、ストレートネックというのは、ケガでも病気でもありません。だから本当は、お医者さんから治療の必要なし、といわれたようなものです。」
「湿布薬はたくさんもらったみたいですけどね。」

鍼灸院、接骨院と病院の割合

「整形外科の先生は、湿布を大盤振る舞いっス。余るくらいくれるっス。あれが一万円札ならいいなって、よく思うっス。」

「極端にいえば、整形外科の先生は、湿布か注射か手術がほとんどですよね。」
「整形外科は、ケガを治すか、病気を治すかなので、実際のところ、それでいいハズなんですよ。」
「ただの肩こりなんて、ケガでも病気でもないから整形外科の先生に相談してもお門違い、かもしれませんね。」
えだね先生は、笑っていいました。

まじめなえだね先生 げんきDAS

「じゃぁ、肩こりってどうしたらいいっスか?」

「えっと、『ただの』っていうのが困るんですよ。レントゲンで異常があれば、整形外科の先生に治していただくことになるでしょう。でも、ストレートネックだけじゃ、お医者さんが考えるところのケガや病気ではないんです。」

「でも、骨に異常がない、つまり、ケガでも病気でもない肩こりや腰痛は多いじゃないっスか。」

「そうですね。ケガでも病気でもない、なぜだかいつまでも続く慢性痛は、国民の4人に1人にあると言われてますね。」
「それに対して、整形外科で手術を受ける人は、ケガが多い10代男子でも50人に1人、病気が多い70歳以上の女性でも30人に1人ほどです。その他の多くの世代では、200人に1人くらいとごくわずか。慢性痛の10分の1もいません。」
「国民の痛みの多くは、ケガでも病気でもない、といえるでしょうね。」

えだね先生は、ノートに丸を描いてみせてくれました。

「薬で治るケガや筋肉痛の人が、20人に1人くらいいるとしても、それぞれの割合って、面積でいえばこんな感じなんですよ。」

慢性痛とケガ、病気の割合 げんきDAS

「慢性痛、ムチャクチャいるじゃないっスか?これじゃ、接骨院や鍼灸院が足りないっス。」

「ケガや病気は、本当はもっと少ないでしょうね」
「実際に、整形外科は全国に5千件くらい。鍼灸院や接骨院は5万件くらい。この数からみても、ケガや病気の人の10倍くらいが、慢性の痛みの治療を必要としているんですね。」

鍼灸院、接骨院の役割

「慢性痛って何スか?それが大事っスよね?」

「たいていは、炎症もないし、骨の異常もない。そうなると、ただの不調なんですね。血流が悪いだけとか。」
「お医者さんが治す病気ではないけど、痛みなど症状が強い不調もある。だから困るんですよね。」

慢性痛とケガ、病気の割合 げんきDAS

「先輩がいってる、神経の枝にそった不調ってやつっスね?」

「そうなると思います。使いすぎとか、疲れとかで、神経にそって不調になって、それがクセになってるんでしょうね。」
「炎症でないから、薬で治しづらい。骨の異常でないから、説明しづらい。お医者さんの守備範囲でないから、医療とも呼びづらい。」

「だから、鍼灸院や接骨院で、悪いところを探して施術するんスね。」

古里さんの肩こり

「古里のおばあちゃんも、肩こりがどんなにひどくっても、骨の異常みたいな病気じゃなかったわけっスね。」

「そうですね、骨の変形みたいなハッキリした病気なら、うちでは治せないですよ。」

鍼で骨は治らない げんきDAS

「げんきDASで、不調になってる神経の枝を探して治したんスね。」

「そうです。ケガや病気でない、でも痛みの原因になるものがあると、げんきDASがあれば説明しやすいですね。」

検査のちがい げんきDAS

「高齢の女性では、食が細くなって肩こりや痛み、しびれを起こすときもあります。」
「たとえば、体内の鉄分(フェリチン)やビタミンB1が不足して、痛みやしびれを起こすときがありますね。」
「こういうときは、栄養補助食品、いわゆるサプリで元気になることもあります。これも病気というほどではないですよね。」

「あっ、それ、うちの婆ちゃんっス。栄養剤で元気になったっス。」

「鉄分不足は、血液検査でわかります。お医者さんの診察は、やっぱり大事です。」
「でも、古里さんみたいに、医師の診察でもはっきりした原因がわからないときは、鍼灸院や接骨院に相談するといいでしょう。」

「お医者様には勝てないっス。でも、鍼灸院や接骨院も、げんきDASがあれば役割がよく解るんスね。」

医師とげんきDAS

「げんきDASって、病院では使わないんスか?」

「げんきDASは、不調を推測する機器ですからね。病気を探すわけではないので、お医者さんは使わないでしょう。」
「それに、治療する機器でもない。だからげんきDASは、色々なことがわかるとしても、医療機器の登録はできないんですよ。」

「整形外科でこれを使ったら、オレたちの仕事が無くならないっスか?」

「そうでしょうね。整形外科の先生方も、慢性痛を扱うよい方法があるなら、取り入れたいでしょうからね。」
「もし整形外科でげんきDASを使ったら、鍼灸師や柔整師をやとって慢性痛を治す病院が増えるでしょう。」

「ヤバいっス。オレみたいな個人経営の治療院は困るっス。」

「でも、不調のようすが説明できれば、治療院と提携する整形外科の先生も増えると思いますよ。」

「ヤバいっス。オレも今のうちに勉強しとくっス。」

えだね先生は、そこだけ先生は面白いな、勉強しようと誘って良かったなと、笑いながら思いました。

整形外科で鍼灸を活用 げんきDAS

(2018年12月22日 公開)


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