げんきDASは、慢性の痛みや不調の原因となっている、自律神経の枝や根もとを推測します。
また、東洋医学の知識=つぼや漢方薬を、治療や養生に活かすヒントを表示します。
ぜひ皆さまのご健康にお役立てください。
げんきDASを楽しく、かりやすく!
げんきDASで治そう!で、そこだけ先生、えだね先生の二人のお話として、具体的な説明をしています。
げんきDASは、それぞれの時代に、開発の目標がありました。
ここでは、それぞれの開発にわけて説明しています。
現在は、痛みや不調の原因を推測し、わかりやすく表示することが目標です。
(以前は、治療効果の確認や、全身的な体調の良さを推測することが目標でした。)
四つの画面で、全体の不調の強さや、症状の推測、現代医学的な治療や、東洋医学的な治療をサポートできるように工夫されています。
全身の不調の強さを推測する画面です。
反応の中で強いものだけを表示し、症状を推測する画面です。
手足の末梢神経に準えた表示です。
おもに痛みなど運動器の症状に活用することを目的としています。
東洋医学の背部兪穴、腹部募穴に準えた表示です。
おもに、体質改善や体調の調整に活用することを目的としています。
げんきDASは、指先を測定した結果を表示しています。
3分程度で測定できます。
測定の準備方法や、注意点などは、画面上に表示されます。
マニュアルをみなくても、画面の説明を読めば測定できるように、工夫されています。
測定画面には、測定位置が順番に表示されます(28点を測定します)。
短時間に測定できるので、治療前後で測っても良いでしょう。
ただし、治療直後では、十分に改善が見られない場合もあります。
たとえば、鍼灸の治療のあと、一時的にねむなったり、だるくなったりすることがあります。
一般に「瞑眩(めんげん)反応」というもので、目まいのようなフラフラした感じがします。
これは、自律神経のかたよった緊張がとれて、身体がもとに戻るあいだの反応のようです。
このような反応が出ている間は、測定をしてもデータが乱れているようで、落ち着く=データが整うまでに時間がかかるようです。
すこし時間をおいてから測定したり、治療前に測定して方針を立てるだけとするとよいでしょう。
げんきDASは、Windows対応のソフトウェアです。Windows10以降のバージョンでご利用になれます。
また、表示にはMicrosoft社製のExcelが必要です(Ver.2013以降)。
「治ったよ!」と伝えたい。改善のようすを伝えたい。
これは、多くの治療家に共通の願いでしょう。
げんきDASは、こうした願いに応えるために開発されました。
例えば、次のようなグラフを示しながら、「身体のバランスが良くなってきましたよ」といえば、患者さんは治療に前向きになれるでしょう。
「ちょっと難しい患者さんだな」
「自律神経の失調が背景にあるのでは?」
「どんなふうに確かめよう、どうんなふうに説明しよう?」
げんきDASは、こんな時にも便利です。
例えば、次のような図を示しながら、「ここが弱そうですね。押されると気持ちよいようですし、お灸を続けてみませんか?」といえば、患者さんは自宅でもお灸をしてみたいと思うでしょう。
鍼灸をはじめ、マッサージや整体の治療院には、原因がはっきりしない体調や体質の問題や、なんとなく疲れやすいなど症状自体が明確でない問題について、多くの相談がよせられます。
そんな時に、
「身体を調節する神経が、バランスを乱してますよ」
「全体的には、100点満点の20点くらいですね」
「ここが冷えてるみたいだから治しませんか?」
「全体のバランスが戻ってきましたね」
といったコミュニケーションをお手伝いするのが、げんきDASです。
げんきDASは、「げんきデータ収集システム」(Data Acquisition System)の意味です。
「げんきダス」と呼んでください。
指先の皮膚を測り、身体を調節する自律神経に、失調している枝がないか推測します。
診察、治療にそのまま活用できるように、次のような画面が用意されています。
1)総合評価の 「分類シート」
2)問診に役立つ 「問診シート」
3)触診の参考に 「触診シート」
また、改善のようすがわかりやすい、次のような画面もあります。
4)全身のバランスの変化がわかる 「変化の概要」
5)全身の変化をグラフで詳細にみる 「変化のグラフ」
6)部分の変化を一覧表で詳細にみる 「反応の推移」
げんきDASの開発を進める中で、先生方から最も多かったご要望は、「治ったことを説明できる」機能でした。
はっきりした痛みであれば、改善を自覚できます。
しかし、なんとなく体調が悪い、いわゆる不定愁訴では、改善を自覚しづらいものです。
せめて、良い方向に向かっていると伝えたい。
患者さんが納得してくれる、わかりやすい説明が欲しい。
このために、身体のようすを「緊張のバランス」と「代謝のバランス」の二つに要約し、改善をグラフでアピールできる機能を、新たに開発しました。
単純な表示で分かりやすく、患者さんへのアピールも容易です(図は「変化の概要」画面の一部です)。
もちろん、このグラフのもとになる、詳細なグラフも表示できます。
ここが変わった、ここが良くなったと、変化をおもしろく確かめられます。(図は「変化のグラフ」の一部です)。
むずかしいことをやさしく、ふかいことをおもしろく、臨床に役立てていただくのがげんきDASです。
東洋医学には、「自律神経の枝」に注目する、独特の考え方があります。
身体を調節する神経=自律神経の名前は、テレビの健康番組などでご存知の方は多いでしょう。
自律神経のバランスというと、現代医学では、全身的に興奮しているか弛(ゆる)んでいるか、という考え方が中心です。
これに対して、東洋医学では、どの枝が緊張しているか、どの枝にそって機能が停滞しているか、という考え方が強いのです。
背骨を根元にして、全身に広がる神経の枝のうち、肺に入る枝が弱ければ咳が出やすい、といった考え方です。
東洋医学の神髄ともいえます。
とはいえ、古代の中国には、神経などという知識はありませんでした。
神経の枝にそって、手足の先に現れる、こりや痛み、肌の変化などの反応を観察しました。
また、これらの反応が、胴体のどこと関連があるかを探しました。
(神経の根元に当たります(*)。)
こうした経験則を活かして、指先の皮膚を測って、神経の影響を推測するのがげんきDASです。
げんきDASは測定結果を、まず治療法を分類する「分類シート」として表示します。
まず、簡単な質問によって、症状を急性、慢性、身体的な不調、精神的な不調など、6種類に分類します。
そして、「緊張のバランス」、「代謝のバランス」と照らし合わせます。
上図のように、緊張のバランスのほうが点数が低く、また、精神的な不調が多くみられるようであれば、それに合わせた治療を推薦します。
患者さんにわかりやすく説明できるよう、医療面接の流れにあわせた画面となっています。
また、さらに詳しく問診できるように、「問診シート」が用意されています。
反応が現れている部位ごとの、関連する症状がリストで示しています。
さらに、東洋医学的な詳しい解説にもリンクされています(図は「問診シート」の一部です)。
もちろん、診察の流れにそって、「触診シート」も用意しています。
推測される反応部位(つぼ)や、東洋医学的な詳しい解説が表示されます(図は「触診シート」の一部です)。
わかりやすく表示されますが、実際の治療には専門家の知識が必要です。
体質や体調で困っているなら、げんきDASでしっかり調べてくれる先生に相談してみるとよいでしょう。
(*)自律神経の根元
医学的な説明になりますが、手の交感神経根はT3~T7、足の交感神経根はT9~L2です。
腕神経叢や腰神経叢で体性神経と合流してから、末梢に伸びていきます。(「神経局在診断」文光堂)
上に書いたように、古代の中国では、神経についてはまだ知られていませんでした。
このため、神経の枝にそった反応は、内臓によるものだと説明されてしまいました。
このことを、不妊治療で活用される「補腎(ほじん)」という考え方を例に説明してみましょう。
古代の中国では、腎臓の高さにあるつぼを、腎臓を治すつぼと考え、「腎兪(じんゆ)」と名づけました。
このつぼにお灸をしたら、腎臓が治るはずだ。
だから、ここにお灸をして治る機能は、腎臓によるものだ。
古代の中国人はそう考えました。
実は、腎臓の付近から血管と神経が伸びて、卵巣や精巣に達しています。
実際に、腎兪にお灸をすえると、子宝に恵まれることが知られています。
こうして、生殖機能とは関係がない内臓=腎臓が、子宝に関係すると誤解されてしまいました。
効果はあるのですが、誤解されたままの説明では、医師はもちろん、患者さんも納得できません。
東洋医学というと説明しづらい。信じてもらえない。
せっかく役立つ知識なのに、もったいない。
わかりやすい説明方法が欲しい。
治療家の先生からは、このようなご意見も多く寄せられました。
げんきDASを活用すれば、東洋医学の特徴を、自律神経と照らし合わせながら、わかりやすく活用できると思います。
げんきDASは、自律神経の枝にそって現れる反応を、緊張だけでなく代謝についても推測し、詳しく表示します。
神経の枝にそって現れる反応を分析し、緊張やこり、機能停滞といったわかりやすい言葉で、東洋医学の知識を説明します。
ところで、神経の枝ごとに反応を調べるとなると、説明がむつかしくなります。
枝が多数あるので、反応の種類も多くなり、分類が複雑です。
そこで、げんきDASではできるだけ簡単に説明できるように、情報を「緊張のバランス」と「代謝のバランス」という二つに要約しています。
統計的にバランスを採点して、「良くなった」「悪くなった」を分かりやすく表示します。
グラフが上向きなら体調も上向き、というわかりやすい表示です。
健常者の平均は50になります。
多くの方は、バランスの点数が0~100の間になります。
(バランスが50点を超えることを目標にするとよいでしょう。)
また、この二つのバランスを問診に用いるときも、症状のイラストともに表示し、患者さんにイメージしてもらいやすくなるよう、工夫しています。
東洋医学は、複雑な考え方のために、十分に理解されていないといえます。
げんきDASは、正確な測定と統計処理で、東洋医学をわかりやすく伝えています。