レスリーさまの素晴らしき愛の力 in「カルマ」

[完全ネタバレ。結末バラしてます]

優秀な精神分析医であるレスリー・チャンは、ヒロインの見る「幽霊」を子供の頃のトラウマによる幻覚と自作自演であると喝破して、みごとに彼女を治療する。だが、その過程で自身のトラウマが目覚めてしまい、レスリーの前には、セーラー服を着て、顔には死人であることを示す灰白色のドーランを塗り、右頬に無残な傷跡の特殊メイクを貼りつけた女子中学生の幽霊が現れるようになる。それはレスリーさまが中学のみぎりにラブラブだったカノジョで、浮気なレスリー@中学生に「飽きられた」と思い込んで屋上から飛び降り自殺した女の子の霊なのだった。街中で自分にだけ見える「幽霊」に次第に追い詰められるレスリー。気が付くとそこは、とあるビルの屋上。迫り来る幽霊ガールに、レスリーの足が建物の縁にかかる。レスリーは観念して彼女に振り返ると「わかったよ。でも最後にこれだけは聞いてくれ」。そして、必殺の涙目で「きみが死んで以来、幸せだったことなんてなかった。きみを置いて、ぼくだけ幸せになんてなれない…」ここで中学当時の2人のラブラブ映像がフラッシュバック。「きみのことをいっときとも忘れたことはなかった。…さあ、おいで。一緒に死のう」と微笑むレスリーさま。するとどうだろう、幽霊の生気のない頬にひとすじの涙が…。近づく彼女を力強く抱きしめて・・・熱いキス。レスリーさまの温かい愛に触れて、この世に未練を残してさまよっていた霊は安らかに昇天していくのであった。彼女の痕跡はレスリーさまの口元に残る灰白色のドーランの痕だけ。さすがはレスリーさま、いつでもマジキス…ってそうじゃなくて、アップ撮る前にドーランくらい拭き取んなさいよ。…てゆーかこれって、映画の前半で自分自身が唱えたとおり「幽霊は自分の潜在意識が生み出した幻覚」なのだとしたら、このラストは「罪の意識(が生んだ幻覚)を大きな愛で浄化した(と自分を納得させた)」ってこと? まさに誰よりも自分を愛する男=レスリー・チャンの本領発揮である。