無題 その4 |
彼は勉強が苦手でした。 テストの結果はいつも学年最下位。 そんな彼は白紙のノートを見ながらつぶやきます。 「ああ、勉強しないでテストの成績がよくなんないかなぁ…」 「そんなあなたにはこれをどうぞ」 「あんた、誰?」 「かくかくしかじかセールスマンです」 「はぁ」 「ともかく、そんなあなたはこれを飲みなさい」 「何だ?」 「以下同文につき失礼」 謎の男は去っていきました。 残された彼は特に何も考えずに薬を飲みました。 するとどうでしょう。 テストをすると全て満点。志望の大学にも簡単に合格できたのです。 ただ、テストの点数はいいのですが一向に勉強が出来る気がしないのです。 そうです。テストの成績は良くなったのですが頭は全然良くなっていなかったのです。 その後、彼はそれなりに暮らしたようです。 まあ、勉強が出来なくても世の中何とかなるものですからね。
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