ACT.100 100回目の問題 (2001.05.20)
「どうも、こんにちは」 「………」 「いやぁ、まさかこんなにも早く、皆さんと再会できるとは夢にも思いませんでしたねぇ」 「……………」 「いつもは新年というキリのいい時期に登場しているわけですが、今回はこの雑文が100本目を迎えたということで、特別に早めに登場することになったわけです」 「…………………」 「おい!いい加減に何か話せよ」 「冗談じゃねぇぞ」 「何だよ、突然」 「前回どころか前々回のギャラだってもらってねぇのに、また呼び出しやがるとはどういう了見なんだよ!」 「またそれかよ。しょうがないだろ、色々とあるんだよ」 「休みになったらパチスロばっかりして、おまけに負けてばっかり。そんな金があるならとっととギャラを払いやがれってんだ。だいたい、こっちは馬鹿な両親に捨てられて、15人もの弟や妹を養わなきゃいけないんだぜ!」 「おいおい、お前一人っ子じゃないか」 「お前の心配をしてるんじゃないか」 「僕はそんな典型的な貧乏大家族じゃねえよ!」 「にしても、100回か。よく続いたもんだな」 「でも、期間2年弱で100本はあまり早いペースじゃないみたいだね」 「まあ本当はこの俺たちの出番も100本目じゃなくて、101本目なんだけどな」 「それは言ってやるなよ。作者だって本当ならあの99.5本目は書きたくなかったらしいんだから」 「書きたくないなら、書かなきゃいいじゃん」 「ほら、一時期このサイトの更新がめっきり減ったじゃない。だから、苦し紛れで一気に書いたらしいよ」 「そんなのは別にどうでもいいけど、俺はこれが本来なら101本目だってていうことは気に入ってんだよ」 「へぇ、どうして」 「俺は100という数字より、101のほうが好きだからね」 「変わってるなぁ」 「好きなアニメは『101匹ワンちゃん』だし、好きな映画は『101』。好きなドラマは『101回目のプロポーズ』」 「ほう、それで」 「何よりもあの左右対称のイメージがいいね。あれだけでご飯3杯はいけちゃうよ」 「わけわかんねぇよ!」 「しかも101は素数。俺は誰にも媚びねぇぜっていう一匹狼のようなかっこよさがたまんないね」 「素数がかっこいいのか、お前は!」 「できることなら俺は身長も体重も座高も胸囲も101に統一したいぐらいだもの」 「お前はドラ○もんか!」 「とまあ、私の101好きが分かってもらえた所で、本題に行きましょうか」 「いつも、脱線が長いんだよ。さて、今回は100回目の問題ということなので、100にまつわることをね」 「だぁかぁらぁ、俺は101の方が好きなんだよ。好きなアニメは『101匹ワンちゃん』だし、好きな映画は『101』」 「おいおい、また戻ってるよ」 「好きなドラマは『探偵物語』!」 「おい、さっきと違うじゃねぇかよ! おまけに101に関係ないし」 「松田優作がかっこいいんだよ。ベスパに乗ってな」 「それお前が普通に好きなドラマじゃねえか。訳わかんないよ」 「とまあ、それぐらい101が好きな私でありますが」 「だから関係ないだろ!」 「実は100も大好きなんです」 「さっきお前は100はあまり好きじゃないっていったじゃねぇかよ」 「そんな事言ってないぞ。俺は101のほうが100よりも好きだと言っただけだ。で、この100という数字。何よりもこの切りのよさがいいよね。ヒャク! ていう感じのね」 「さっぱりわかんねぇよ!」 「それに100っていうのは満点っていうイメージがあるじゃない。満点。いい響きじゃないか」 「まあ、僕も満点って言葉は嫌いじゃないね」 「おお、お前も好きなのか。奇遇だな。じゃあ満点気分を味あわせてやろう」 「なんだよ、満点気分って。っておい、何だよいきなりナイフなんか取り出して。うわっ、危ないじゃないか! やめろって、ナイフを振り回すな! 危ないって!」 「どうだ。スリル満点だったろ」 「冗談じゃねぇよ!」 「まあまあそう怒るな。こういう時は満点の星でも眺めて気分を落ち着かせろ」 「それは『満天』だろうが! 分かりづらいボケはやめろ」 「満点最下位で辛いだろうけど、満点着て、満点食べて、満点の体調で望めば、お前への照明が満点することもないさ」 「万年最下位で、はんてん着て、寒天食べて、万全の体調で、照明が暗転だろうが!」 「お前そんなのよくわかるな」 「てめぇがボケたんだろうが!!」 「まあまあ落ち着けって、俺が何かヒャクに触るようなことでも言ったか?」 「それをいうならシャクにだろ! 強引に百に戻してオチをつけるな!」 「さっきからお前エクスクメラーションマーク(!)が多すぎるぞ」 「誰がそうさせてるんだよ!」 「というわけで、私が100も好きだということがよくお分かりいただけたと思います」 「全くわかんねえよ!!!」 「でも100っていう数字はいつからキリのいい数字になったんだろうな」 「うーん、どうなんだろう。はっきりとは分からないけど10進法で数えている以上、10で割り切れる数はどれもキリのいい数字には見えるよね」 「てことは110もキリがいいというのか、お前は」 「100よりはキリがよくないかもしれないけど……」 「1000000000040がキリのいい数字だというのか!」 「何となく言った一言を突っ込むのは止めろよ。それに突っ込み役は僕なんだから!」 「俺が考えるに、物事を絶対的な値で判断させる際の基準値っていうのは昔から試行錯誤されてたと思うんだよ」 「お、突然固い話になったな」 「一番少ないのが0か1かという2段階での判断。あと成績表なんかでも使われる3段階や5段階」 「上中下とか甲乙丙みたいなやつだね」 「こういう判断基準値は評価対象数に比例すると思うんだ」 「ああ、つまり100人で評価するなら3段階ぐらいでもいいけど、これが100万人になったら足りないって訳だね」 「お前は本当に100が好きなんだな」 「いや、やっぱりキリがいい数字の印象が一番強いから」 「そんなことだから、いつまでたってもダメ芸人って言われるんだよ」 「関係ねぇだろうが!」 「あと『百』っていう言葉は全てを表すときになんか使うよな」 「ああ、『百獣の王』だとか『百薬の長』なんて使い方をするからね」 「だから俺を形容するときは『百芸の王』とか『百男の長』とか呼んでもらいたいね」 「そんな言葉はねぇよ! それ以前に『百男』ってめちゃめちゃ兄弟多いみてぇじゃねぇか」 「でもよく考えてみると俺ほど『百』が似合う男もいないよな」 「どういうことだよ」 「まず、俺のこの言葉のマシンガンのおかげでお前も百人力だろ」 「百人力かどうかは分からないけどな」 「俺のボケは観客のツボに百発百中だし」 「えらい自信だな」 「座って微笑む姿は白百合のようだしな」 「気持ち悪いわ!!!」 「俺の得意技は百面相だし」 「そんなの見たことねぇよ!」 「俺の実家は百葉箱だし」 「あんな狭いところに住んでるのか!」 「俺の親父は百足だし」 「んなわけねぇだろ!」 「てことで、この漫才も100個目の俺の台詞でおしまいっと」 ―――このあとボヤキにも似た突っ込みがありましたが、101個目の台詞であったため割愛いたします。 |