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ジャズからハワイアンまで軽音楽が大好きだった父とクラシック好きの母の間に生まれた私は、音楽の溢れる家で育ったのですが、そのおかげで私は音楽が大好きです。 そんな私は3歳からピアノを習わされたのですが、当時は今と違って男の子がピアノを習っているというのはけっこう珍しかったようで、「男のくせに!」などとひやかされた記憶があります。 小学生の間はそれなりに上達し続けたピアノでしたが、中学に入った頃から徐々に横道に逸れはじめてポピュラー・ソングを聴き覚えで弾くようになり・・・結局、クラシック・ピアノのレッスンは10年ほどでやめてしまい、今では譜面もまともに読めず感覚だけで弾く羽目になってしまっています。(苦笑) 何をするにおいても最も重要なのは基礎なのに、どうしてあんな中途半端なところでやめてしまったのか、なんてバカなことをしたのだろうと今になって後悔したりもするのですが・・・とにかく、横道に逸れたピアノは楽しく、地道な練習を必要とするクラシック・ピアノのレッスンは当時の私にとっては苦痛でしかありませんでした。 そういえば、横道に逸れるにあたってはジャズ・ピアノを弾くお洒落な叔母の影響もありました。 その叔母は、80才を過ぎた今も楽しくピアノを弾いているようで・・・私も、どうやら老後の楽しみだけは確保できているようです。
多少なりともピアノをかじったことがあるというのは全くやっていないのとは大違いで、たいていの楽器を私は器用さと感覚だけで適当に演奏できましたし、――― 世間では、こういう人間のことを器用貧乏などといのだうそうですが ――― 他の教科はともかくとして少なくとも音楽の評価だけは小学校から高校まで常に「5」でした。 中、高生の頃は、まさにフォーク・ソングとかカレッジ・ポップスといったもののブームの真っ只中で、私も例に違わずフォーク・ギターを手に友人とグループを組んだりしながら歌っており、ステージに立ったことも何度となくありました。 大学に入ってからも時折弾いていた当時のギターは、今も持ってはいるものの卒業後は弦を外してケースに入れたまま、長い間手を触れていません。 話はピアノに戻りますが、そんないい加減なピアノでも 「芸は、身を助ける」 というか・・・大学時代には、夜のネオン街でのピアノでけっこうバイトをさせてもらいました。 ちなみに、私たちの学部では基本的に高校の延長のように毎日朝から夕刻まで全講義(実習)に出席しなければならず、昼間にバイトをしている時間などはほとんどありません。 たしかに、家庭教師程度のバイトであれば、やろうと思えば時間的にできなくはありませんでしたが、これは責任重大です。 私も一度だけ中学2年生の男の子の家庭教師をやったことがあるのですが、本人の学力と親御さんの理想とのあまりのギャップの大きさに私は息がつまりそうになり、あっさりと友人にそのバイト先を譲りました。 つまり、尻に帆掛けて逃げ出したわけです。(笑) そんな私は、ラウンジでピアノ弾きのバイトをしていたのですが・・・ママも可愛がってくれ、同年代の店の女の子達に囲まれてお酒を飲みながらいい加減なピアノを弾いているだけでけっこうなバイト料がもらえ、遊びに来た友人達まで割引料金で飲ませてもらって・・・と、とにかくこの頃の想い出は、ここには書けないようなことも含めて、山ほどあります。(笑) ・・・にもかかわらず、残念ながらラウンジで弾いているときの写真は1枚もありません。 撮った記憶がないのですから当然なのですが、1枚くらい記念に撮ってもらっておけばよかったと、これまたちょっと後悔しています。 今のようにデジカメやスマホなどで手軽に写真が撮れる時代ではありませんでしたから、仕方がありませんね。 大学卒業後は、勉強、結婚、開業、等々、いろいろなことがあって長らく離れていたピアノも、40歳を過ぎた頃から再び弾き始め、最近では人前で弾かせて頂く機会も多くなってきており・・・とにかく、ピアノは死ぬまで楽しんで弾き続けていたいと思っています。
さて、私の自宅には下手なピアノ演奏が近所迷惑にならないようにとYAMAHAの “Clavinova” があります。 これはいわゆる電子ピアノですので上の写真で弾いているフル・コンサートのグランド・ピアノなどと比べると月とスッポンほどの差がありますが、とにかく外部に音を漏らさずヘッド・フォンで楽しむことができるというのが最大のメリットです。 そして真夜中、ロック・グラスに氷を入れてウィスキーを注ぎ、それをClavinovaの上に置いてチビチビと飲みながら誰に気兼ねすることもなく弾きながら悦に入る 「自己陶酔リサイタル」 の時間は、私にとって至福の時でもあります。 たまに、日曜日の日中などに音を出して弾くことがあるのですが、最初は料理をしたりしながら機嫌よく聴いてくれている家内も、しばらくすると・・・「はい、はい、上手、上手!」と言いながら私の傍に来て、ボリュームをグイッと下げて立ち去ってゆきます。(笑) そんな家内も平日の昼間などはよく音楽を聴いているようですし、息子は息子で大学時代は友人達とバンドを組んでおり、卒業してからも音楽から離れる様子はなく、彼の耳にはいつもiPodのイヤフォンが入っており・・・結局、我が家は家族全員が音楽好きです。
音楽におけるもうひとつの私の趣味は、オーディオ!・・・いい音でいい音楽を聴いているときは、最高に幸せです。 もちろん、オーケストラからソロまで、どんなジャンルのものであれ生の音が一番であることはいうまでもありませんが、だからといって毎日コンサートやライブに出かけていくわけにもいきませんね。 そこで・・・オーディオなわけです。 また、このオーディオというやつは、ケーブル1本を交換しただけで、或いはスピーカーの位置をほんの少し変えただけでその音が劇的に変化したりするだけに奥が深く、そこには単に音楽を楽しむというだけでなく自分好みのいい音をつくり出すという楽しさがあり・・・これこそが、オーディオの醍醐味だともいえるでしょう。 ところで、巷にはオーディオ・マニアと呼ばれる方々がたくさんおられ、中には何百万円、或いは何千万円というような費用を投じたオーディオ・システムをお持ちの方もいらっしゃるようですが、残念ながら私のシステムはそのような高価なものではなく、中には大学時代から40年以上使い続けているものもあります。 ・・・とはいえ、これがなかなかいい音を聴かせてくれるんです!
ちなみに、この部屋には電子ピアノも別のアンプとスピーカーに接続されており、Bill Evans らとの共演(競演・狂演!?)もできるようになっています。(笑) この他にもギターやウクレレ、ハーモニカ、アルト・リコーダー、カホンなどがあり、聴くだけでなく楽器を弾くことも私の楽しみのひとつです。 何はともあれ、すべてのことを忘れて大好きな音楽に没頭できるこの部屋は・・・いわば、私の 「秘密基地」 といったところでしょうか。 |