「へへへ、よっ!
俺、滝川 陽平(たきがわ ようへい)。
よろしくな!」
[選択1-1]
(なんて古典的な奴だ。)
「…え?なに?
…。
んー。
ま、いいか。よろしく!」
[選択1-2]
(よろしく!)
「へへへ! ああ、よろしく!
俺、あんたみたいなのが好きだよ。
元気がなんか、いいもんな。」
[選択1-3]
(…ああ、よろしく。)
「なんだなんだ、元気ないなぁ!
そういう時はさ、元気出したほうがいいぜ!
たぶん。」
「…戦争さ、近いのかな。」
[選択1-1]
(近いよ、多分。)
「…そーかー。
今のうちに遊んでおこうかな。
ははっ。」
[選択1-2]
(…そうね。)
「俺さ、パイロットになりたくてこっち来たんだけど…。
いや…ごめん。
まいったな。
名パイロットになる前にやられたらどうしよう?」
[選択1-3]
(また急に、なんで?)
「え、あ?
いや、ただ、なんとなく。
…いやだよな。なんとなく。」
「俺も敵をいっぱいやっつけてさ、勲章が欲しいぜ。
へへ。すっげーパイロットになったらアニメ化されるかも?
お前も脇役になれるよう、せいぜい頑張ってくれよな。
まず黄金剣突撃勲章、その上のアルガナ勲章、そしていつかは絢爛舞踏章、歴史に名前が残る、伝説のスーパースターだぜ?
あー、いいよなぁ。
そのためには、どれぐらい発言力ためて、どれぐらいみんなと仲良くして、戦闘コマンドを手に入れなきゃいけないんだろ。」
「やっぱり、士魂号は単座の軽装甲じゃねえか?
あれ、いいよな。
重装甲? 駄目駄目、デザインがダセー。
それに、少々の装甲なんて、距離とって戦う俺には関係ねえもん。
それよりジャンプ距離が長いほうが好きだね、俺は。
お前、どお?
やっぱり標準装甲?」
[選択1-1]
(君が安全な方がいいな。)
「…へっ、分かってるって。
なんだよ、マジな顔してさ。
大丈夫ダイジョウブ。俺、強いから。」
滝川は背中を叩こうとしてやめて、押した。
「それに俺だって、死にたくねえしな。」
[選択1-2]
(好きね、ロボット。)
「へへっ。昔は格好良かったから好きだったんだけどな。
最近は違うんだ。
…まあ、なんだな。相棒に惚れたって奴かな。
あいつ、どんどん俺のやりたいことを覚えているみたいだし、俺の好み分かってるし、死ぬときは一緒みたいなもんだしな。
それに、なにか一生懸命って気がするんだ。
俺のためにさ。
俺の、パイロットの思い上がりだろうけど。
殺すのは好きじゃねえけど。ま、あいつと一緒なら、いいかなーなんてね。
へへへ。」
「…前にさ…綺麗な銀色の幻獣が空に飛んでいるのが見えたんだ。
戦闘中で、銃を撃っていたところさ。
ありゃあ、ほんとだったのかな…。
実はあんまり自信ないんだ。
へへへ。戦争終わったら、俺、飛行機の免許でも取ろうかな。
取って…あいつと、喋ってみてぇや。」
「俺、昨日も銀の幻獣みたんだよ。
けっこう、うちの近くにいるのかなあ。
…。
………。
なあ、幻獣って、悪いやつなのかなあ。」
[選択1-1]
(それ以上は言わないほうがいい。)
「…あ、そ、そうか。へへ。悪い。
俺も、幻獣共生派なんて言われて逮捕銃殺! なんてヤだもんな。
ありがと、戦友。」
滝川の言葉を、どうしますか?
[選択1-1-1]
(胸にしまって鍵をかける。)
忘れることにしました。[イベント終了]
[選択1-1-2]
(先生に伝える。)
坂上「それは、本当ですか。
…。
…分かりました。貴重な情報をありがとう。
ええ、大丈夫ですよ。彼はこっぴどく怒られて、それで終わりですから。」[イベント終了、翌日007へ接続]
[選択1-2]
(どうかな…。)
「士魂号のコンピュータって、妙に人間っぽいだろ。いや、俺の気のせいかも知れないけど、俺、時々、あいつの気持ちが分かるんだ。
…それと同じような感じって言えば…
いや、なんて言えばいいんだろう。
…んー、なにか、新市街のさ、幽霊が出る辻、あるじゃん。
あれから、そんな気が…。
やっぱ俺、疲れてんのかな。ごめん。忘れてくれ。」
本田「ええと、…その。
坂上先生、お願いします。」
坂上「…。」
本田「すみません…坂上先生。」
坂上「…みなさんに哀しいお知らせをしなければなりません。
昨日、滝川くんが病死しました。
心臓発作です。」
クラスがどよめいた。
坂上「葬儀はすでに内々に済ませたそうです。
あなた方の出席は必要ありません。
きっと彼が生きていれば、自分の分まで幻獣と戦ってくれと、そう言ったことでしょう。我々は彼の分も戦わなければなりません。
人類のために。死んでいった仲間のために!
幻獣を殺すのです!
…。
…以上、解散。
ああ、ちょうど私もあなたに用があったんですよ。」
坂上は、紙袋に入った現金を渡した。
坂上「今後ともよろしく。」
「なあ、○○、聞こえる?
もうすぐ戦いだよな。
…何回目の出撃だっけ。
…いや…泣き言いうために、戦車学校出たわけじゃねえよ。お前もそうだろ。
俺達は…戦うしかないんだよな。
…。
以上、交信終わり。残弾数確認開始。
今日も盛大に狩るぜ!」
司令「遺体と行方不明者を捜索する。
助からなさそうな戦友は、…これ以上、苦しませるな。
…。
以上、捜索を開始せよ。」
滝川「遅いよ…早く…。
はやく来いってば…俺の息が…止まってしまう前に。」
そこには、滝川が横たわっていた。
ウォードレスの人工筋肉から、白い血が流れている。
白い池のようだった。
○○に抱きかかえられて、滝川は、血を吐きながら笑った。
滝川「俺、さ…あんたのこと、…好きだったんだ…。
知ってた?
…。
…あんたみたいになりたいよ…。
…あんたみたいに…。」
滝川は、やけに耳障りな息をすると、
そのまま目をつぶって、動かなくなった。
[選択1-1]
(優しく目をつぶらせる。)
優しく目をつぶらせて、○○は一度だけ、やさしく滝川の髪を払うと、そのまま立ち上がった。(以下※に続く)
[選択1-2]
(キスする。)
最後のキスをして、○○は一度だけ、やさしく滝川の髪を払うと、そのまま立ち上がった。(以下※に続く)
※
青い光が、○○を守るように漂い始めたように見えたのは、感傷だろうか。
「…なんかさ、芝村って、感じ悪いよな。
偉そうだし。」
「だから芝村に近寄るなって。
あいつ、かなり本格的におかしいんだぞ!
この間も世界を征服するって言うし…。」
「…だ、か、ら。芝村と付き合うなって言っているだろ?
あいつ、マジでやばいって。」
「…お前、目つきが変わったよ。
なんだよ、自信たっぷりに。」
「来須先輩は…あの人は、たぶん、恋なんて出来ないよ。そんな気がする。
あの人は…純過ぎるんだ。」
「最近さ、女達の間でいじめやっているらしいぜ。
石津がいじめられてるって。
なんか、ヤだよな。」
「一部のアイテムには、人の感情や態度に影響を与えるものがあるんだってさ。
まあ、かわいい女の子から日記帳渡されたら、平静でいられなくなるとは、俺も思うけどね。
あ、そういうんだったらきわどい水着もか。
…。
な、なんちゃって。」
「この間、幻獣に年取った猫が殺されていたんだ。
…俺さ、思うんだけどな。
あの猫も、きっと幻獣と戦ったんだよ。
想い出の風景を守るために、戦ったんだ。
この猫はきっと戦友に違いないって。
なんでかなあ、
でも、
ウチのデブネコはそこまで頭よくなさそうだけどな。」
「なんだかさ、お前…幻獣を殺すたびに、人間じゃなくなっていくみたいでさ。
…恐ぇよ。
…。
いや、悪ィ。ただ、そう思ったんだよ。
戦ってる最中…お前、嬉しそうに笑っているように見えた時があってさ。
きっと見間違いだろうけど、それからなんだ…。
…なにか、お前…いや、あんたが、敵を殺すたびに、俺なんか話にならないくらい強いことに気付かされる。
俺は、幻獣より恐い人の肩を、それと知らず叩いていたのかもって…。
その調子で殺し続けて、勲章貰いつづけて、人類最高の絢爛舞踏章を取って…それで…それで…あんた、一体何になるんだよ。
いや、あんたには何度も命助けてもらってる。俺だって分かってる、あんたが居なきゃ、俺はとっくに死んじまってる…。
でもさ、なぜだか最近、あんたの近くに居ると恐いんだよ。あんたは笑うけど、次の瞬間には笑ったまま、俺を殺せる…って。
…悪い…。
怒らないでくれよ。
あんたは俺達と住む世界が違うんだよ。」
「ちくしょう! 俺の弁当、毎日どんどん、ご飯が減ってるぞ!」