「えへへへ。
僕、新井木 勇美(あらいぎ ゆうみ)。
15歳。よろしくお願いしまーす!
なになに?
僕に質問?」
[選択1-1]
(こちらこそよろしく。)
「うん、こちらこそ!
えへへへ。
なんだかこういうの、照れない? 照れるよね。
だから僕、初対面ってドキドキするから大好きなの。
恋ってヤツも、こうなのかなぁ。
…なんちゃって。」
[選択1-2]
(好みのタイプは?)
「好み? 特にないけど…。
ううん、僕、あんまり面食いじゃないんだ。
あ、ちなみに、恋人にするなら、背が高くて顔がハンサムな人がいいな。
あと財力は必須よね。頭は悪くてもいいや。
黙ってれば、そういうこと分からないもんね。
最悪なのは、背が低いのとオタクっぽい奴。
なんか、変なにおいが移りそうだもんね。
やだよねぇ。
ということで、よろしく。
いいひとが居たら、教えてね。」
[選択1-3]
(別にない。)
「へえ、無愛想なんだね。
そういうとこ、人から言われない?
鉄仮面のイヤな奴ぅとか、ムッチリーとか。」
新井木には、悪気はなさそうだ。
「どうしたの?
…そう? ならいいけど。
じゃ、よろしくぅ! 仲良くしようね。
ええと、名前、ムッチリーさんだっけ?」
「コラ!
もー、元気ないなぁ。
どうしたの? …あは、元気だしてよ。」
新井木は、思いっきり○○の背中を叩いた。
笑って走っていく。
「…女の子の価値は心だよね。
男の子は顔だけど。そう思わない?」
[選択1-1]
(そうね。)
「そうなのよー。どーもそこらへん、分かってない奴が多いのよね。
自分はどうかって?
そんなこと気にしないもん。
僕はヤだな。
どーせ恋するなら、妥協とか安売りとかしないんだ。」
[選択1-2]
(違う。)
「それ、差別だよ。
なに、女は顔とスタイルだってぇ?
ひっどー。
え、男? いいよ。別に。
どーせ、僕と逆のこと言ってるんだから。
おたがいさま!」
新井木は、まじまじとこちらを見ている。
「ジューダイ発見。」
[選択1]
(なに?) / (は?)
「…昔と比べると、趣味変わったかも。
ううん、変わってる。
ガーンみたいな感じ。」
新井木は、本当にショックを受けているようだ。
「人生って、こういうこともあるんだよね。
そう言えば、ピーマン食べれるようになったもん。
…でも…、
ショック…。」
「僕ね、けっこースポーツ好きだし、うまいと思ってたんだけど、この背が低いせいで、いっつも、一番になれなかったんだ。
この学校に来たのは、もちろんあんまり、頭が良くなかったからなんだけど。
…中学の時に先生から、あなた運動神経がいいから、戦車兵になれば一番になれるわよって、そう言われたせいなんだ。
ま、僕、なぜか一部の人に嫌われるから、その先生も、僕を騙すために言ったんだと思うけどね。
…結局、整備に配属されちゃったし。
フン! いいんだ、こんなの。
でも、僕はゼッタイへこんだりしないの。
そしたら僕、本当に負けになるもんね。
僕を嫌いな奴のために、なんで僕が落ち込んだりしてやるかっての!
ね、そんな感じ! ガンバルぞーって!
えへへへ。なんか僕、重大な秘密話しちゃったみたい。
秘密だからね。ゼッタイだよ。」
「来須先輩って、格好いいよね。
背、高いし、目、青いし。
実はああ見えてけっこー、親切だし。
えへへへ。これが恋って奴なのかなぁ。」
「マッキーって、ほんとーに頭悪いよね。
僕が友達じゃなかったら、あの娘きっと、いじめられてたよ。
…人は、すごくいいんだけどね。
すぐあやまって、また失敗して、ごめんなさい、ごめんなさいって。
バカみたい。
皆がいい気になって利用してるの、見え見えだし。
だから、僕、遠坂くんのこと嫌いなの。
僕的には、お金持ちだし、バッチリだけど。
マッキーがバカだから、いいの。
僕もあんまり人のこと言えるほど、えらくないんだけどね…。
なんだか、ほっとけないんだよねぇ。
…あ、こういうのが頭悪いのかな。」
「モリリンって、なんか、ヤな感じするよね。
なんにでも冷たくあたって、結局自分が駄目なこと隠すために、ああいう態度なんだよね。
あーやだやだ。僕、ああなりたくはないなぁ。
え、モリリン? 森さんのことだけど。」
「ねえねえ。中村くんってさ、靴下集めてるって知ってた?
この間も、坂上先生の靴下をかいで倒れたんだって。
恐いよね。」
[選択1-1]
(ほんと?)
「ほんとだよー。
だって、僕もお小遣い欲しいから靴下売ったもん。
…どうしたの?」
[選択1-2]
(中村のために沈黙する。)
「あーやだやだ。
ああいうのは死刑にすべきだよね。
うん、きっとそうだよ。」
※新井木のレベル1は存在せず、代わりに狩谷にレベル1だけ存在する。
「よっ、なんか、すっごい電波系とつるんでいるよね。芝村とつきあってたら、ヘンになるんじゃないの?
「セカイセイフクー・ケー!」とか。
戦闘員になったりして。」
「んー、あんまりね、話し掛けないでくれるかなぁ。
ちょっと芝村に近いと、嫌われるのよねぇ。」
「なんか、最近、ヤバくない?
なーんて言うか、まあ、安心できると言えばそうかもしれないけれど。恐いかも。」
「来須先輩?
…そう言えば、萌りんがなんか言ってたよね。
あれは呪われてて、一生恋は出来ないとか。」
「あ、猫好き。
よ、今日は猫と話さないの?」
「…ヒドイ。…ヒドイよ。そんなことするなんて…ザンコクだよ。
…僕が、僕が君のこと好きなの知ってるくせに…。そんなコトするんだもん。
…ヒドイよ。僕、怒った! もう知らない!」
「…僕って可哀相。ううん、恋する人はみんな可哀相だよ。
いつもこんな心配しなくちゃいけないのよ。分からないでしょ?こんな気持ち。」
新井木が、両手を広げて、気持ちよさそうに大風に吹かれている。
そのままどこかに、飛んでいきそうだ。
[風の音]
どうも、風が好きらしい。
嘘臭い鼻歌を歌っている
今、こっちに気付いた。微笑んでいる。