「俺、瀬戸口 隆之(せとぐち たかゆき)。
美少年だ。お嬢さん方、よろしく。
野郎は、どうでもいいや。
そんな顔するなよ。
さすがに初対面じゃ、いただくことはないな。
俺は美味しいものを後にとっておく主義でね。
ま、よろしくたのむわ。」
「愛の予言者。
いや、愛の教師こと愛の狩人、メンター瀬戸口に用かな子羊よ。
なんだ。違うのか。
残念だ。」
瀬戸口「…仕事ご苦労さん。
がんばってくれよ。」
女子校生A「瀬戸口くーん!」
瀬戸口「お、来たな。
…俺もちょっと、がんばって来るか。
…ということで、俺の仕事、よろしく。」
瀬戸口「よお。」
瀬戸口からは女物のコロンの香りがした。
瀬戸口「そんな思いつめた顔してると、いいひとまで逃げるぞ。
たまには笑って提案するのはどうだい?」
人妻「瀬戸口さーん!」
瀬戸口「またお呼びか。
みんな、最近は愛に飢えているのかね。
じゃ、ちょっと行ってくるわ。
あ、そう、代返しといてね。」
瀬戸口「いよう。不景気そうだな。
幸運の一つでも分けてやりたいが、その顔じゃ押し付けられる運も可哀相だな。」
幼稚園生徒「タカー! タカー!」
瀬戸口「やれやれ、またお呼びか。
…言っとくが、こいつは趣味に伴う義務だぜ?
俺だけいい思いするのはなんだしな。
恵まれない人に幸福の利息配分さ。
ま、それに。
子供の頃には遊び相手がいるもんだ。
じゃあな。」
「…お前さん、自分の可能性を狭めてないか。
なにも、殺し合いやその手伝いをするだけが、人生じゃないだろう?
人には人の人生がある、だから、なるべく介入せんようにしてるがね…。
お前さん、俺から見ると、間違ってるぜ。
人から言われることを守るだけが、生き方じゃないだろ。
…人生は工夫と、ちょっとした想像力さ。
お前が機体をぶっこわす。
それを他のパイロットや整備士が修理する。
そんな気のいい奴に、どう接するか?
視野が狭い。
もっとまわりを、観察してみたらどうだい。
お前さんが考えているよりもっと、世界はいろいろ出来るし、いろいろなことがらがある。
クッキー焼くのも、クスリ配るのも、カップルに注意しまくるのも人生さ。
整備するのも、そいつに工具箱を贈るのもな。
答えはどこにでも転がっている。
重要なのは、そのおめめが開いているかどうかじゃない。それでなにを考えるか、さ。
人から言われたことを、言われた通りやるだけのロボットになるなよ。
俺は、そういうダチは持たない主義でね。
んじゃ、そーいう、ことで。
…もっと楽しく、生きなよ。」
「絢爛舞踏って、化け物を知っているかい?
…世界で一番、幻獣を殺した人間さ。
終身撃墜数300以上っていうから、息をしているように幻獣を殺すんだろうな。
…どんな人間になれば、そんな勲章を貰えるんだろうな。
頭がいいからか…それとも能力が高いのか。
俺には、想像もつかんね。
いや想像できるが、考えたくない。」
[選択1-1]
(どんな奴?)
「どんな奴だって? …お前に、毛の生えた奴。
お前さんに限らんがね。思うに、化け物とそうでないのと違いはほんの少しだろうさ。
ほんの少しだけ、普通より武器を使い分けて、
ほんの少しだけ、普通より移動して、
ほんの少しだけ、普通より作戦会議してる…。
そんなところじゃないかって思うのさ。
いやだね。…そういうのは。自分が化け物飼ってるって想像は好きじゃない。
こういう話は、これっきりにするか。」
[選択1-2]
(そうだね。)
「まったくだ。
人間、出来るからって、何をしてもいいって訳じゃないからな。
…なにがしたいんだろうな。
それだけ殺してまで、なにか守りたいのか。
それとも、単に殺すのが好きなのか。
…やめとこう。
こういう話は、これっきりにするか。」
「それにしても、一人も死なずにどうにかすることはできんのかな。
みんなと、仲良くすることはできんのかな。」
[選択1-1]
(忠告するが、女遊びが過ぎるぞ!)
「なに? 俺に気があるの?
…。
…俺は、俺のそういう所も含めて、お前さんは俺と付き合っていると思ったんだがな。
…気のせいだったか…いやあ残念残念。
…。
…俺は、お前が嫌いじゃないよ。
お前がどうなるか楽しみにしてる。
都会で働く孫を見る気でね。
だがそれに俺を巻き込むな。
お前さんの価値感で、人を計るな。
真実を知りもしないで説教するな。
人間がみんな同じ方向向いて同じ顔してたらヘドが出る。
愛は違いを埋める努力から始まるが、それは同じになることじゃない。
愛は違っててもいいやと満足することだ。
心の狭い人間になるなよ。
視野の狭い人間になるなよ。
そうなったら、陰でお前を観察する楽しみがなくなる。
…それと自慢じゃないが、俺は一人も不幸にさせたことはないぜ。それだけ。
じゃな。」
[選択1-2]
(なんで、真面目に仕事しないんだ!)
「なんで、真面目に仕事しないのか、かい。
能力をあげることが好きじゃなくてね。
俺は傍観者でいいのさ。
適当に生きて、適当に他人の世話を焼いて、適当にそいつがどうなるか見て…、
適当に死ぬさ。
あきらめてるんじゃなくて、俺の趣味でな。
俺は俺の趣味で、俺のやり方で、俺に何かを押し付ける奴等に嫌がらせしてるのさ。
幻獣を殺せっていうスローガンは好きじゃない。世界に愛を、特に未亡人に。…の方が好きだね。俺は。
…俺は、お前が嫌いじゃないよ。
お前がどうなるか、楽しみにしてる。
都会で働く孫を見る気でね。
だがそれに俺を巻き込むな。
俺は、愛に生きる。お前さんとは価値観が違うほうが、長くつきあえると思うしな。
人間がみんな同じ方向向いて同じ顔してたらヘドが出る。
愛は違いを埋める努力から始まるが、それは同じになることじゃない。
愛は違っててもいいやと満足することだ。
心の狭い人間になるなよ。
視野の狭い人間になるなよ。
そうなったら、陰でお前を観察する楽しみがなくなる。
…たのんだぜ。」
「あん? いいんじゃないかな。
俺も一人くらいは芝村のダチが居ても良いと思ってるがね。ふふっ。」
「心痛むことだ。
俺達の原女史あたりが、最近、石津をいぢめてるという話だ。
…お前は石津の方、たのむわ。
俺は、原その他を黙らせるからな。
え? ふふっ、もてる男ってのは、俺みたいな奴なんだ。」
「お前さん、猫ともしゃべれるのかい?
ま、そういう友達も悪くないけどな。
ははっ。」
「忘れるなよ。ラブ、だ。
愛こそすべて、愛こそ幸せ。
愛が世界を覆うとき、愛は個人のものから、みんなのものに生まれ変わる。
平和と言う、そりゃ立派な名前にな。
ラブだ。
いいか。最後の最後にお前を助けるのは、ラブだ。
ラブがあれば、お前のラブが、みんなを包んでいれば、最後の最後の土壇場で、愛は、答える。
愛は貯蓄じゃないが、贈り物だからな。
いつか巡り巡ってこっちに届くもんだ。
すべからく、人は愛という木にせっせと水をやる農夫のようなものだ。
木が育ち、皆が憩うために、人は息をするように水をやり、世話をする。
…お前の強い力を、愛のために使ってみろよ。
いいか、一生に一度しか言わない。
愛は、許すことだ。
お前の力を、お前の敵を、お前と一緒に居る者を、お前の知らない人を許すために使ってみろ。
…万物の精霊は、お前に殺させるために、お前と契約したわけじゃない。
お前がすべてを許すように、契約したんだ。
…ん、なんで俺が万物の精霊を知っているかだって?
さてね、他にもお前みたいな奴がいたんだろ。愛を知らず、失敗した…な」
「…幻獣には、愛がないと思うぜ。俺は。
だからああも、悪夢のような形をしているのさ。
…だが悲しいかな。罪を重ねた俺の愛では奴等を溶かすことなんて出来やしない。
それが出来るとしたら、本来的な意味で幻獣にうらみをもっていない…、
そう、別の世界の人間だけだろう。」
「俺くらいのボンクラともなると、頭がついてないと皆思うのかね。面白いようにみんな、秘密と言う秘密をべらべらしゃべるのさ。
なんなら、ひとつやふたつやみっつやよっつくらい、話してやろうか?」
[選択1-1]
(きく。)
「貸し1だな。
なにが聞きたい?」
[岩田]
「岩田ねえ。ありゃ、本物のアレじゃないな。
時々、まともなこと言ってる。
なにか狙ってると思うね、俺は。」(以下※に続く)
[狩谷]
「んー、あいつ?あいつ、ヤバイんじゃないか。
…なんともな。世界全部をうらんでいる。
周りの愛が見えん奴は、結局自滅するだけさ。」(以下※に続く)
[舞]
「芝村一族のお姫様だな。
あいつがここに来ているということは、裏でなにかが動いてるはずだ。
ま、本人は知らんだろうがな。
ああ見えて、純情みたいだからな。」(以下※に続く)
[ののみ]
「俺達の幸運の女神だな。
この世がどうなるか、あの子次第だ。
せいぜい、ごますっておきなよ。」(以下※に続く)
[速水]
「速水か。あれは将来、出世するよ。
あとはいつ、その気になるかだ。
今後の友人関係しだいで大化けするな。」(以下※に続く)
[善行]
「士官学校出だがそれ以上じゃないな。
真実は知っているが、本当の真実には遠い。それより撃墜数あげたほうがいい。」(以下※に続く)
[壬生屋]
「古い血筋だそうだ。
体力が高くて、見えるものが見えれば、ちと違う顔をするようだ。」(以下※に続く)
[萌]
「前の学校じゃ、色々あったようだ。
それと、なにか、俺には見えないものが見えるようだな。ホントに。」(以下※に続く)
[田辺]
「がんばりやさんだな。
ついてないが、いい子だ。
あいつを見てると、がんばりたくなる。」(以下※に続く)
[原]
「最近、家で漬物つけてるらしいぜ。
いや、士魂号の設計陣の一人だから少しは重要人物だな。
アレがなんで作られたか、なんの秘密機能を持っているか知ってるくさい。
俺は漬物の方に興味あるけどな。」(以下※に続く)
[森]
「士魂号について、かぎまわってるようだ。
注意しとけよ。教官の一部が、奴の動きを監視している。」(以下※に続く)
[遠坂]
「ひねくれてるぼっちゃまだな。
変な力を持ってる。…幻獣共生派じゃないか?
ま、俺にはどうでもいいけどね。」(以下※に続く)
[来須]
「…イタリア出身の男の中の男って奴さ。
俺は男きらいだから、どうでもいいがね。
実戦組みなら、仲良くしとくんだな。」(原文のまま。「み」は要らんだろう。)
[選択1-2]
(きかない。)
※
「じゃ、今日はここまで。
またな。」