★のあるものについては、教師&ブータPCセリフについてをご一読下さい。
「午前の授業はどうでしたか。
本田先生は、自分の変な格好を許している、この国と軍を、それなりに気に入ってますからね…、まあ、あれでも愛国者ですよ。
授業を、はじめましょうか。
私の授業は、戦術理論の授業です。
私は、現代のサムライであるあなた方に、戦いの基礎を教えなければいけません。
それは教官という仕事だからの事ですが、同時にあなた方が一人でも生き延びられるように、大人として、そう思っています。
あなた方は、人類の天敵、幻獣と戦わなければならない。…だが、それは戦って死ねと、言っているわけではありません。
もっと酷いことを、私は考えています。
それはね、戦争が終った後、疲弊したこの国を建て直すそのことも、あなた達に任せようと思っているんですよ。
そのためには、死なれては、死んで英雄になられてはこまります。遺族年金も馬鹿にならない。
戦え、壊せと言っておいて、今度は立て直せという。ひどい話です。…ですが、まあ、戦えとか死ねとかよりはいいでしょう。
サムライは武器を置いた後、国を復興させるために働き始めました。めでたしめでたし。
それがいい。
従って諸君は、戦って勝った上に生き残る必要があります。これは、大変難しい。
だが、ぜひがんばって、本当にがんばって貰いたい。
あと、15分あるな…それでは、最初の授業を行いましょう。
さて、現代のサムライの皆さん。
戦いというものは、武器が強ければ良いわけではありません。
剣にこだわっているようでは、真のサムライではありません。これは古代の剣豪の言葉ですがね、現代にも、十分に通用します。
重要なのは、武器ではなく、その使い方…戦術なのです。
例をあげましょう。
剣とナイフ、どちらが強いか。
ファンタジー・ゲームの世界で強いのは剣です。
ひるがえれば、ナイフは最弱の武器といっても良いでしょう。
ですが、現在の軍隊をご覧なさい。
どこの軍隊も、剣は使っていません。
使われているのは、剣ではなくナイフです。
蝿を叩くのに核兵器をつかう人間が居ないように、あなた方は武器の使い方を覚えなければいけません。
腕には腕の、剣には剣の戦い方があります。
本物のサムライとは、要するに目にうつる全ての物を武器にして戦う者ですよ。
千の戦場で、千の戦い方で千の勝利を収める。
それが、サムライであり、あなた方が最終的に目指す存在です。
千の戦い方を覚えなさい。
私の授業は、あなた方に腕には腕の、銃には銃の戦い方を教えること。
良く覚えなさい。これを戦術と呼びます。
強いのは、能力があるとか、性能がいいとかではありません。
一人の意志を持った人間が、明確な目標の下で戦術を駆使することが強いのです。
その気になれば、指一本、鉛筆一本でも幻獣は殺せます。
私が育てるのは、その強い人間です。
明確な目標…命令の下で、戦術を駆使するサムライを、育てるのです。
…時間ですね。
明日の授業では、あなた達が乗る機体について説明します。
遅刻しないように。戦車兵が自分の乗る機体を知らないようでは、困るでしょう。
今日はここまでです。解散。」
「質問ですか。
…ああ、まってください。毎年ね、というより戦車学校は半年で卒業だから半年ごとになんですが、良く来る質問があるんですよ。
あててみましょうか。
戦術って奴を使えば、人も殺せるんじゃないですか。
そんなところでしょう。
その通りです。
ですが、覚えておきなさい。
そのために憲兵は居て、軍事裁判があり、制裁があるのです。
仲間を殺したことが、どれだけ高くつくかをその予備軍に見せ付けるために罰はあります。
そのことは覚えておきなさい。
それに…ただでさえ敵が多いのに、さらに敵を作らなくてもいいでしょう。
…私は、いつかあなたの子供か、孫の世代が、戦術を覚えなくてもいいような、そんな時代になればいいと思っていますよ。
あなたも、殺しすぎれば、分かるようになるでしょう。主戦主義者に限って、戦場には出ていないのです。」
[初日限定]
「さすがに初日からは鍛えませんよ。
今日のところは、適当に皆さんと話をして、皆の顔と名前を覚えてください。」
「明日からは…そう明日からは、パイロットとなるために、座学と、心身と技量を鍛える訓練がはじまりますよ。覚悟してください。」
[初日以降小隊発足(陳情できるようになる)前限定]
「戦術は移動ですよ。いつもポジションを的確に押えなさい。」
「本物のサムライは、線が見えるそうです。
その線に沿って動けば攻撃はあたらないし、力をかけずに敵を倒すことも出来ると。」
「交替の時間なのに弐型の方が来ませんね…
まいりました。」
「…本物のサムライになりなさい。
と教えていますが…本当に強いと言うことは幸せになることなんでしょうかね。」
「サムライをもののふということもありますが、あれは元々、物部(もののべ)氏から、来ているんですよ。歴史のね。」
[日曜]
「…明日からはまた訓練と授業ですよ。
今日はゆっくりと休みなさい。」
★「暇なら訓練でしょう。体力気力に運動力、いずれも戦闘の役に立ちます。
…場所ですか。場所はプレハブ校舎裏ですよ。」
★「…友達を作って、大切にしなさい。
同期の戦友というものはね、あなたが死んでも、あなたのことをずっと覚えてますから。」
★「発言力はね、軍隊…いえ、組織での、お金…です。なくても恥ではありませんが、あれば便利です。要は、客観的な敬意ですよ。」
※★条件
仕事・見る・陳情・雰囲気・提案が可能になっていて善行/若宮が来る前。
ということで、通常データでは見られないです。
「おや、授業の復習ですか。感心ですね。」
[選択1-1]
(いいえ。)
「…。
…私の言いたいことくらい、察してもいいと思ったんですが。」[イベント終了]
[選択1-2]
(はい。)
「どれを復習しますか。」
[選択2]
(基本的な戦術について) → 【坂上/千の戦い方を覚えろ】
(機体について) → 【坂上と生徒/機体について】
(イニシアチブと機動戦術) → 【坂上と滝川/戦術の基本】
(武器と運用戦術) → 【坂上/武器に合わせた基本的な戦術(1)】
(武器と運用戦術続き) → 【坂上/武器に合わせた基本的な戦術(2)】
(超硬度大太刀の運用) → 【坂上/武器に合わせた基本的な戦術(3)】
(一般的でない装備と戦術) → 【坂上/展開式増加装甲について】
(煙幕弾頭) → 【坂上/煙幕弾頭について】
(パンチとキック) → 【坂上/キックとパンチについて】
(限界突破、先行入力) → 【坂上/限界性能とその突破方法】
(部隊の基本編成) → 【坂上/部隊の基本編成】
(ウォードレスについて) → 【坂上/ウォードレスについて】
(幻獣について) → 【坂上/幻獣についての一般的なこと】
坂上「さて、それでは授業をはじめましょうか。
今日は予告した通り、機体についての説明です。
…あなた方、戦車兵が乗る機体。
その名を士魂号といいます。英語名を、スピリット オブ サムライ。
侍の魂と言います。
あなた方はこの巨大な人工筋肉に包まれたサムライの魂として、戦場に現われることになります。パイロットとしてね。
…。
走る速度は車以下、的の大きさでは戦車以上。
使える武器の大きさは重量比で、いかなる車両にも劣る。
それが、あなた方が乗る最強の兵器の能力です。」
[選択1-1]
(先生、でも、それ弱いんじゃないんですか)
手をあげようとすると、それよりも先に手を挙げたクラスメイトが居た。(以下※に続く)
[選択1-2]
(黙っている)
※
滝川「先生ぇ! それ、変じゃないか?」
坂上「…何が、ですか。」
滝川「ええと、だって弱いんだろ?」
周りがちょっと騒いだ。
坂上「いいえ。強いですよ。…教えたはずですよ。
強いのは、性能ではありません。戦術だと。
…例を話しましょう。我々人間は、チンパンジーより握力が弱く、ライオンのように牙もなく、ヒョウよりも遅い。
だが、今地上で一番繁栄しているのは、彼らではありません。われわれ人間です。
…それは、なぜでしょうか。
まあ、性格が一番悪いからだと、シャレにならない冗談もありますが、ね。
さあ、分かる人はいませんか。」
壬生屋「はい。
武器を使うからですか?」
坂上「60点です。壬生ええと、みぶや、さん。
武器を使うという戦術を含む、数々の戦術を人間が使えたから、人は強いのです。
たとえ素手でも沼に引きずり込み、岩場に引きずり込み、奇襲し、そこにある石でトラップを作ったとしたら…、
たとえ相手がライオンでも、幻獣でも勝てる。
…それが、人間、あるいはサムライと言う戦闘兵器の強さです。
同じこと。まったく、同じこと。
この士魂号が最強なのは、原形である人と同じように、他を圧倒して多彩な戦術が使えるからです。本物の、サムライのように。
…戦車は動いて射撃するしか出来ません。
武器を捨てて接近しキックすることも、横にジャンプすることも、壁を昇ることも、後ろに剣で攻撃することも出来ません。
…それだけです。
いいですか、この人型戦車、士魂号が強いかどうかは、この圧倒的な種類の戦術をどれだけ多彩に使いこなすかにあります。
覚えておきなさい。
あなた方サムライは、性能で戦うのではない。
戦術で戦うのです。」
坂上「自分は好きなことをして、相手に好きなことをさせなければ、すなわち戦いには勝ちます。
これが主導権を握る、イニシアチブを取るといい、戦術の基本になります。
そして古来、主導権とは機動によってのみ、確保されます。
人類発生以来、戦闘種族としての人類が磨き上げてきた戦術は、結局機動、マニューバのことを指すのです。
滝川くん、機動とはなんだ?」
滝川「移動ですか。」
坂上「そうです。移動こそ戦術です。
あなた方は的確な移動を行って戦いの主導権を握り、戦いに勝つことになる。
まず、その武器、その武器の間合いを覚えなさい。敵に近づきすぎれば、攻撃出来なくなります。遠すぎても、攻撃出来ません。
ポイントは、敵の射角に対して、常に横に動くことです。こうすれば…
…このように、自分は攻撃しつつ、相手は向きを変えるを行わなければ攻撃できなくなります。
常に、的確に、自分が攻撃できて、敵の攻撃は最小になるようなポジションを確保しなさい。
目の前に敵がいるからといって、足を止めて射撃や殴り合いはしないように。
常に移動しつづけなさい。」
「今日は、限界性能とその突破方法を教えます。
まず、1ターンの間に、1行動以上の行動を行うことが出来ます。
ただし、これは肉体や機体の速度以上に機体や身体を動かすことですから、多少のコツがいります。
反射的に動くのではなく、予測してコマンドを先行入力しておく必要があるのです。
一流の兵士の条件として、この先行入力があります。先行入力を行うことで、肉体や機体の反応速度以上を引き出して戦うのです。
言い方を変えれば、あなた方は先行入力の概念を覚え、使いこなさなければいけません。
先行入力の方法は、行動入力時に操作モードを選択して、危険・手動操作モードにしてください。
これでリミッターが外れて機体は本来の性能を叩き出せるようになります。
先行入力可能になると、上の中間動作表示が意味を持ち始めます。
このメーターが文字で一杯になるまでは、行動を入力することが出来ます。
つまり、これが1ターンです。
先行入力すれば、実にこのギリギリまで、機体を動かしつづけることが出来ます。
また、先行入力では、次のターンにまたがる行動を入力することも出来ます。
線を越えた部分が、次のターンの行動です。
ここも先行入力できます。
もちろん、次のターンになれば、キャンセルすることも出来ます。
少しうまく使いこなせるようになれば、使うかどうか分からない行動を次のターンの頭に仕掛けておき…、
万が一の時、キャンセルできるようにセットしておくことも出来ます。
以上、ここは必ずマスターしておくように。
使えるのと、そうでないのでは、戦闘力に圧倒的な差がつきます。」
「今回は、武器に合わせた基本的な戦術を教えます。
まず、ジャイアントバズーカです。
これは射程が長いので、敵の方を向いて、狙いをつける-射撃でいい。
撃ったら、武器を交換してください。
射程が長いので、交換する時間くらいはあるはずです。
この時、武器は捨てても構いません。
不要質量を捨てた分だけ軽く動けるはずです。
全般的に、武器や士魂号は消耗品のつもりで使ってください。
もったいないとか、せっかくだからなんて、思わないように。
それで死んだら、話になりません。
バズーカは威力が高いので、狙って撃てば大概の敵は撃破できるはずです。
つまり、大物対策ですね。
スキュラやミノタウロスを、先制で殺して敵を退却に追い込む戦術があります。
あと、奇策として、バズーカを4本装備して出撃する手もありえます。
つまり、4匹はスキュラを倒す可能性があると言うわけです。当たれば、ですが。
おや、もう時間ですね。授業終わります。」
「今回は前回の続き、武器に合わせた基本的な戦術を教えます。
次は、ジャイアントアサルトです。
これは、基本を狙いをつける-連射にして下さい。必ず二発づつ、撃つように。
とどめを刺す確率があがります。
それから、残弾はいつも、確認しなさい。
肝心なときに、弾切れに気付く、これが一番死にやすい。
ジャイアントアサルトは片手武器ですから、他の武器と組み合わせてよし、両手に持って撃ってもかまいません。
ジャイアントアサルトの場合、常に射撃は歩くと併用しなさい。
移動しては相手の射角を外して撃ち、移動しては撃つ。この繰り返しです。
撃つ前に何度も射撃を受けるようなら、一旦歩く以外の移動。
例えば幅跳び、あるいは走るで距離をとって、再度、隅の奴から狙いなさい。
端から狙ったほうが、敵同士の援護を受け難い分だけ有利になります。
さて、今日の授業は終わりです。
皆さん、良く覚えておいてください。」
「超硬度大太刀は、威力が大きく、行動入力の時間が少なく、弾数関係なしの優れた武器ですが、射程が短いという欠点があります。
逆説的にいえば、戦術によって射程の問題さえ解決すれば、剣こそ最高の武器になり得るということが出来ます。
では、どう使うか。
一番簡単な戦術は、幅跳びあるいはダッシュを使って一気に距離を縮めることです。
これで、一方的に殴られることだけは、なくなります。
方法としては二つあって、敵の射程外から、ダッシュで一気に近づく方法。
それと、幅跳び前でジグザグにジャンプしながら接近する方法です。
また、両肩に盾を装備する方法があります。運動限界は大幅に減りますが、その分ダメージを受けることは少なくなるでしょう。
この場合、戦術は敵前面に強襲になります。
攻撃が集中しますが、逆からいえば、味方への攻撃を一手に引き付けることが出来ます。
的確に横移動することで敵の射角を外すか、防御コマンドを当てて敵からの損害を最小にしてください。
太刀は、持っている腕にもよります。…そう。
壬生屋さんなら突くの他切る(右)切る(左)後方切りの4方向に攻撃できます。
両手に太刀を持てば、全方向に攻撃が出来ますから、その気になれば敵密集地域に飛び込んで、阿修羅のように戦うことが出来ます。
ま、余程パイロットの運動力と、機体の反応速度が高くないと、お勧めはしませんが。
また、太刀の攻撃力を上げる方法として、振り上げるがあります。
これはその間無防備になりますが、代りにダメージを一気に引き上げることが出来ます。
突くにも切るにも、つながりますから、うまく使えば、大物を一撃で倒すことも出来るでしょう。
以上。今日の授業を終ります。」
「今日は、部隊の基本編制の話をしましょう。
通常、士魂号型の人型戦車による小隊は、人型戦車3両、指揮車1両、戦車随伴歩兵(スカウト)2名で編成されます。
スカウトが雑魚を潰しながら、指揮車が煙幕やジャミングで支援、指揮し、士魂号が幻獣を狩るわけです。
指揮車が指揮を執りつづける間、オペレーターと司令の指揮・誘導修正で攻撃力と命中力はかなり高くなります。
他、各小隊付で10名程度の整備兵と1名の衛生兵(衛生官)、それに1名の事務官がつきます。
彼らは戦場ではなく、後方支援に当たります。
士魂号が動き、健康が維持され、装備や補給品が届くのは、彼らの働きによるものです。
パイロットは、基本的に司令と整備主任の次に高い地位にありますが、
彼らの支援があっての自分達だということを忘れないようにして、常々優しくしてあげてください。
まあ、仲良くしていれば、少しくらいの無理はきいてくれるというものです。」
「今日は、一般的に使われることのない装備と戦術に関しての授業です。
一般に使われない装備として、盾(展開式増加装甲)、煙幕弾頭、キックおよび、パンチの3種類があります。
これらが使われないのは、使いにくいからです。
的確に使えば強いが、それに見合った戦術で運用しなければ、意味のない武器になります。
今日から順に説明していきましょう。
まず、盾こと、展開式増加装甲です。
これは名前が長いのでよく盾と略称されますから、武装選択画面では間違えないようにしてください。
盾は、肩に装備することで防御効果が上がります。
当然、両肩に盾を装備すれば、倍の効果を出すわけです。
ただし、非常に重いので、運動限界は非常に低くなります。10動けるのが、7や8しか動けなくなると思ってください。
この重量効果は士魂号の装甲仕様によって変わります。重装甲や複座ならより重い装備を持てるでしょう。
逆に軽量なのが特徴の軽装甲型ではせっかくの特徴を消してしまいかねません。
盾は防御行動、つまり防御によってさらに効果を高めます。
この状態なら、まずダメージは受けません。
逆説的には防御しながら前進すれば、敵の射程を無視して行動できるのです。
これを強襲といい、自分の味方に対して敵が圧倒的に多いとき、超硬度大太刀で切り込むときの基本戦術になります。
複座型なら、ミサイルを撃つために移動するために、これを使うことになるでしょう。
もちろん、回避が下手だと自分で思っているパイロットにも、助かる装備になるはずです。
なお、長距離砲戦、…例えばジャイアントバズーカを使う時には、盾は要りません。
それよりは、バズーカを沢山持った方がいいでしょう。
士魂号は、ダメージを受けて壊れると修理に大きな手間がかかります。
それを回避して、戦場に出続けるためにも、盾は重要な戦力になり得るわけです。」
「今日は煙幕弾頭について説明しましょう。
煙幕弾頭。
これはジャイアントアサルトの銃口にセットして使う武器なので、右手か左手にジャイアントアサルトを持っておく必要があります。
使い方は、スモーク行動です。
煙幕を展開することで、以後、空気中の塵で激しくその威力を減衰するレーザーは3ターンの間、完全に無効化されます。
…つまり、スキュラ(S)やキメラ(K)、ナーガ(N)などの攻撃をシャットアウト出来るわけです。
現時点で幻獣最強である、スキュラ(S)のレーザーを無効化出来るのは、非常に強い効果と言えます。
統計によれば、実に敵の中の5%にすぎないスキュラが、味方戦死者の3割以上の原因になっていますから。
これを無力化して早期に叩き潰せば、味方損害を3割少なくすることが出来るわけです。
煙幕弾頭の有効な運用法は、このスキュラ対策と、乱戦時にあります。
回避が難しくなる、敵の真ん中に突撃する際は、この煙幕は非常に有効になるはずです。
うまく使ってください。」
「今日は、キックとパンチです。
つまり、すべての武器を失った時の、最後の武器です。
武器の弾が切れ、あるいはインレンジに入り込まれて、射撃武器では狙いがつけられなくなったときでも、まだ、戦う方法はあります。
それが、己の手足です。
最初の授業で、本当に恐いのは、強いのは、明確な目的をもった人間が、戦術を駆使することだと、言いました。
教えましょう。
本当に恐いのは、弾薬が切れてもなお、戦闘を続行して自分がその瞬間までにもう10匹や20匹を道連れにして戦い…、
あるいは生き残る兵のことです。
たしかにキックやパンチの使う頻度はそう高くはないでしょう。
百回に一度、千回に一度かもしれません。
だが、その百回に一度の機会で確実に味方を勝利に導くために、あなたは戦術の数々を学ぶのです。
さて、では百回に一度の勝利のために教えましょう。
まず、パンチは手のどちらか、あるいは両方が開いてなければなりません。
武器を持っているのであれば、捨てなさい。
パンチのコマンドはGPW。
連続するとGPWGPWでパンチの間にすり足行動が入ります。
3ステップに威力は小さいといえど、一回の攻撃と、一回の移動が出来るのです。
これをうまく使いなさい。
士魂号の軽装甲や、新型機なら、すり足といえど、相当移動出来るはずです。
一発撃っては動き、一発撃っては動き、都合が悪くなれば幅跳びでブレークしなさい。
自身の体力を異常なまでに鍛え上げている場合や士魂号の整備具合によっては、パンチと言えどもほとんどの幻獣を一、二撃で撃破できるはずです。
そうでなくても自分に近寄るザコを倒すには、弾を無駄遣いするより、こちらの方がいいはずだ。
神の手の娘、田代だったら、もっと強打撃が出来るでしょう。
次にキックです。こちらは、両手がふさがっていても使うことが出来ます。
普通なら、こちらの方が使う機会が多いでしょう。
異常に敵に接近しすぎたときに使うのです。
キックも連続すればすり足移動することが出来るようになります。
あと、普通の人間がそうであるように、脚力は腕力の3倍あります。
普通に考えれば、パンチやジャイアントアサルトより、キックの方が硬い敵には有効なはずです。
分かりましたか。よし。
それでは授業を終ります。」
「今日はウォードレスについての授業です。
ウォードレスと言うものは、戦車兵や歩兵が一般的に着用する強化装甲服のことです。
戦闘用のパワードスーツと言った方がいいでしょう。
装甲服と言っても、従来の概念による装甲とは違います。そういう意味での装甲板を、ウォードレスは持っていません。
ウォードレスは、人工筋肉、その瞬間的な膨張と緊張によって、敵の打撃を受け止めます。
まことに人間的な意味で、筋力=防御力であり、無駄な装甲のための重量を必要としない特徴を持っています。
まあ、士魂号くらいの大きさならともかく、普通の人間サイズでは、装甲重量や形式も限られますからね。こっちの方がいい。
現在熊本に配備されているウォードレスはいずれも熊本製です。
ちょっと紹介しましょう。
互尊…特徴がないのが特徴の標準型ウォードレス。バリエーションとして狙撃仕様型Aと戦車兵仕様のC/CSがある。
久遠…全国でもめずらしい女性専用ウォードレス。基本型は戦車兵型で、その他極少数の戦闘工兵型が存在する。
可憐…熊本が生んだ傑作重ウォードレス。
4本腕を持ち、それぞれが武器を運用出来る。
機体の装備余裕が大きいため、改良に向き、突撃機D(ストライカーD)などのバリエーションがある。前期量産型可憐Aが有名。
このうち、互尊と、久遠が軽歩兵、戦車兵型で、可憐が重歩兵用になっています。
ウォードレスは、士魂号よりも武器のバリエーションが多く、そのためある意味では戦術の幅が広いと言うことが出来ます。
スカウト並みにとは言いませんが、戦車兵も機体から脱出した後はウォードレスで戦うことになりますから、多少は勉強して下さい。
なお、ウォードレスの着用は、ハンガー(格納庫)で行うことが出来ます。
士魂号の付近を調べてください。
今日の授業はここまでです。以上。」
「今日は、幻獣についての一般的な授業を行います。
幻獣と言うものは正直に言えば、その生態がまったく分かっていません。
口がなかったり、死体を残さず雲散霧消するところから、異次元の生物と言う学者先生も居ますし、宇宙人と言う人もいます。
また、一部では神話に出てくる怪物達は、幻獣だったのではないかと言う人もいます。
…まあ、こちらの方はあまり信用出来ません。
それだったら、幻獣と戦った英雄や天使、神々も実在することになりますからね。
天使も神々も我々を助けに来ない以上、この説はまったくあてに出来ません。救世主思想もありますが、まあ人間は人間の力で…、
戦うべきでしょう。
幻獣は、一応形態的には分類されており、攻撃方式やその系統には一定の分析がされています。
例えば、ゴルゴーンが二脚に進化したものがミノタウロスだとか、ヒトウバンとスキュラが同じ浮殻科で寄生させるとかですね。
ま、ここら辺は図書館で調べればいいでしょう。
今日の授業では、もっと一般的なことを勉強しましょう。
幻獣の一般的な特徴としては、あの赤い目、そして口を持たない構造。…人間の頭を寄生させているヒトウバンは別ですが…。
それと、人類に対する、敵意ですね。
彼ら幻獣がなぜ我々人類を襲うのか、良く分かってません。我々人類は、幻獣が襲うから戦っているだけにしかすぎません。
これではいつまでたっても、戦いは終らない。
どこかに幻獣を産む原因か団体があり、それを叩き潰す必要があると軍は考えています。
そのためには幻獣に対する情報が必要でね。
幻獣と対話できるテレパス系の人工超能力者は、こうして各戦線に投入されています。
うちの部隊の場合、ののみくんがラボ出身の人工超能力者です。この種の能力は幼い方が強いんですよ。
さて、過去20年。こうした研究は続いていますが、現状では幻獣の正体はまだまだ分かっていません。
あと30年や40年はかかるでしょう。
幻獣の正体が分かれば、今迄防戦だった我々は、はじめて攻める事が出来ます。
…私はそこまで生き延びられないでしょうが、あなた達は運がよければ幻獣のいない世の中を見ることが出来るかもしれません。
私はそれを楽しみにしていますということで、今日の授業を終了しましょう。解散!」
「本当はね、戦術というものは、別に戦闘以外でも使えるのですよ。
真に恐しく、強いのは、明確な目的をもった人間が、戦術を駆使することです。
これに、戦闘とか、戦闘でないとかは関係ありません。
そう、それは例えば、この戦争を人類の勝利に導こうとする人間がいるとすれば、それはきっと、今こうして話している間も、戦術を駆使しているはずですよ。
私たちが見たこともない大金をものの数分で稼ぎ出し、それで部隊装備を揃え、圧倒的な発言力を背景に、陳情を使いながら新型兵器を揃え、作戦会議を開いて、その高い発言力で部隊を実質上運営し、そして、身体を鍛え上げて、最終的に一戦士として戦場の王となって君臨する。
…そんな奴がいるはずがないと、思うでしょう。
でもね、私は一度見たことがあります。
そんな人間を。
…不可能も可能も常識もみんな置き去りにして、遠い未来のなにかのために戦術を駆使する人間を。
…私が教師をしているのは、そんな人間を、もう一度見てみたいと、そう思っているからですよ。」
「新編成の部隊名は、5121になります。
2日後には、部隊編成用の人員も来るでしょう。
…それから…、
生き残りなさい。
たとえ敵を5匹倒しても、高価な戦車一両と優秀なパイロットを失っては割に合いません。
幻獣の方が圧倒的に数が多いのです。
それに、不思議と生き残りさえすれば、そいつは貫禄が出て強くなるものです。
連戦連敗でもベテランには違いないってね。」
「まだ、実戦配備になっていないので、家に早く帰れますよ。
家にお帰りなさい。」
[どぶ川べりの道にて]
(初日)「…悪いときに学生になりましたね。
…いえ、なんでもありません。」
(戦闘訓練前日)「…あなたは巨大な人工筋肉に包まれたサムライの魂になる…か。
物は言いようですね。だが聞こえはいい。」
「戦術を駆使しなさい。それから、決して足を止めて殴り合いにならないように。」
[人類有利]
「…私は新しい伝説の誕生を見ているのかも知れません。」
[膠着]
「人類と幻獣は、細い糸のようなバランスで、今拮抗しています。次に動いたときに、その糸は切れて一方がどんどん有利になるでしょう。」
[人類不利]
「こうなったら…生き残ることを優先してください。兵が少なくなりすぎました。今は、死ぬことが悪です。」