瀬戸口「うん? 坊やか?
ああ、そうだった速水だったな。悪かった。
坊や。」
速水「…。」
瀬戸口「ははは、悪い意味で言ってるんじゃないぞ。
若いことはいい事だ。
…だが、俺のほうが年上で目上だけどな。
ついでに言えば、年齢と言う奴は絶対に追い抜けないから、まあお前さんは一生年下なわけだ。
ははは。俺はお前のそういうところ、好きだな。」
瀬戸口は、速水に顔を近づけると、にっこり笑って抱きしめた。
…なぜそこで紅くなる。
瀬戸口「だが、抱きしめるにはやっぱり女の子の方がいいな。骨っぽい。」
じたばたあばれる速水。
訳の分からない無声音語をしゃべる。
物を落す音。二人して横を見る。
そこには、壬生屋が居た。
顔を真っ赤にして、髪が広がるように、その光景を見ている。
壬生屋「…も、申し訳ありません!」
目をあわせないように大きくおじぎをすると、そのまま走り去って行く。
瀬戸口「あらあら。」
笑う瀬戸口の声を聞きながら、速水は、白くなった。
「いやあ、やっぱり人をからかうのが一番面白いよな。はははは。」
「はぁい。皆様のマダムハンターいや、もう女性ならなんでもOKの美男子にして虚弱体質、瀬戸口に愛の質問かなムシュー。
…こら、逃げると追いかけたくなるだろう。
男の習性を利用したがるんじゃない。
分かった分かった。いいことを教えてやるから、そう怒るなよ。俺のバンビちゃん。
…ファジーって、知ってるかい? あいまいなもののことだ。提案したりする時に、丸いのが出てくるだろ?
…もてない奴は、こいつを上手く使えないのさ。
デートにはデートの、別れ話には別れ話の態度と表情があるってもんさ。
…あ、今の坂上先生の真似ね、似てるだろ?
それはともかく、提案するときは、色々表情かえてやるもんさ。
いつも平坦に話していちゃ、ロボットと間違えられるぜ。…それから…、
…俺と仲良くすれば、どうやれば世の美しい女性達とデートに行くことが出来るか、その技巧とテクニックについて教えてやるよ。
ま、困ったらこの愛の狩人の胸に飛び込んでおいで。」
[小隊発足(陳情できるようになる)前限定]
「…話術って技能を訓練すれば、提案の成功率を上げることが出来る。
…俺って、役に立つ上に色男だろ?」
「幸運の女神は、強引な方が好きだそうだ。
話しかける勇気がなければ、女神を振り向かせて笑わせるなんて出来やしない。」
「人生を楽しんでるかい?
…ふっ、まだ周りが見えてなさそうだな。
…一人よがりでは、疲れるだろうに。」
「どこかに俺の美人は落ちてないか。
…いや、美少女や美人妻や美老婆でもいいんだが。」
「分かった。
さあ、俺の胸に飛び込んでおいで。
ヌルッと。さあ、ヌルッと。…どうした?」
[日曜]
「…うーん、あと、フローラに圭子に恵に、蝶姫に光にあと誰に義理を果たす?」
「俺、ナンパしてくるわ。今日は男ナシでいくから。話かけて、くれるなよ」