ダラス・ワクサハチー皆既日食 2024年4月8日
昨年よりパワーアップしてトラブル続出!

  公開:2024年4月16日〜
更新:2024年4月20日 *内容を追加・訂正


撮影:米在住のAndrew Deering氏(詳細、経緯は下記参照)

昨年のオーストラリアの皆既日食は、あまりの美しさに絶句!であった。飛び散って宇宙空間に浮かぶプロミネンス、ショッキング・ピンクのそそり立ったプロミネンス、そしてコロナを背景に全周プロミネンスという、太陽活動期での皆既時間が短い日食の良さが全面に出た圧巻のものだった。続く今年。今度はメキシコ〜北米の広範囲で見れ、まだ太陽は活動期。期待も膨らむ。

場所選び

 西方面は晴れが多く、東に行くほど曇ってきそうだ。最適とされたメキシコのトレオンは、メキシコでも有数の治安の悪い地域、と出た。機材とか狙われそうだし、何日も休めないので、アクセスの良さと晴天率を考え、ダラスに決めた。宿は皆既帯中心線に近いモーテルで、ダラスから南へ50Kmほど下ったワクサハチーというところ。ここなら広い駐車場があり、ゆとりを持って機材が広げられる。また、天候によっては車での移動もOKだ。予約できるちょうど1年前に押さえたけれど、すでに一棟貸し切りの宿もあった。
 メキシコは治安の悪い怖い国の印象があったが、昨年末〜年始にキューバへ行こう、と計画を立てていたら、メキシコ経由で行くのが一般的。で、メキシコをあれこれ調べていたら、これは行かないと!と いうことになってキューバではなくメキシコに行ってみたら、心配していた治安も大丈夫で、最高の旅だった。とても役に立ったのが VIVA! MEXICO、何もかも網羅していて、凄い人がいるなあ、と驚愕。

機材

 基本は、昨年と同様。ただし、スコープは口径99mmのTSN-99Aになった。アイピースは100倍近い拡大狙いで、TE-11WZII + TSN-EX16を採用。フィルターはフードと同口径になってしまったので、塩ビで筒を作って着脱できるようにした。架台は、Gitzo カーボン2型 + GHF2W 雲台。WX双眼鏡は、Gitzo カーボン1型 +ハクバ延長ポールCEP-350 + G2380 雲台。

    

 今回は、皆既の時間が4分と長い。ちゃんと撮影、現像をするぞ、と像の回転に対応するためスカイメモSを求めた。2017年の不甲斐ないど素人写真ではいかん、と反省し(かといって、また再現像は行わない)、今回は、と意気込んだ。ウエッジは、最初手持ちのBaader 2450310Bにしたが、高度補正に限界があるため、結局純正品となった。回転ステージの上は、Velbon Precision Leveler + 梅本クイックシューにした。小型・軽量で太陽を微動で導入できる。三脚は、いつもの Gitzoの3型。PCは昨年に引き続き ASUS ExpertBook B9。
 エクリプス・ナビゲータ 5は入念に設定、セットし、幾度も動作テスト・確認を行った。部分食の設定は、500mm F8ISO400、1/10001/5001/2503段階、RAW + JPEG (L) で、第2接触25分前〜3分前15枚撮影とした。それ以前のはマニュアル撮影で、PCのバッテリーを節約。 部分食は以前に撮っているので、全部撮るつもりは無い。

 ダイヤモンド・リングは、昨年は見事なプロミネンスが露出オーバーになってしまったのと、CF Expressの採用でRAWでもバースト撮影がしっかり行われるのを確認したので、第2接触10秒前〜15秒をF8ISO2001/1000、RAW+JPEG (L)でメカ・シャッターでのバースト撮影とした。電子先幕シャッターにしなくとも、80枚位撮影できるし、電子先幕シャッターだと 、コロナ撮影の時、最長でも1/2秒撮影になってしまう
 コロナは、さんざん考えた結果、ダイヤモンド・リング撮影2秒後から
F8ISO400RAW+JPEG8L)、メカ・シャッターで、コロナ1 1/8000, 1/4000, 1/1000, 1/500, 1/125、各バースト2秒撮影。コロナ2 1/30 バースト4秒撮影。コロナ3 1/8 バースト3秒撮影。コロナ4 0.5“ バースト7秒撮影。コロナ5 1 10秒撮影。コロナ6 2 10秒撮影。コロナ7 1/8000, 1/4000, 1/2000, 1/1000, 1/500, 1/250, 1/125, 1/60, 1/30, 1/15, 1/8, 1/4, 0.5”, 1”, 2”。コロナ8 2 3秒撮影、コロナ9 1 3秒撮影。コロナ10 0.5“ バースト6秒撮影。コロナ11 1/8 バースト3秒撮影。コロナ12 1/30 バースト3秒撮影。コロナ13 1/1000, 1/500, 1/250、各バースト2秒撮影、計13セッション。各セクションは12秒空けた。その後はダイヤモンド・リング(再)。メカ・シャッターだけれど、第2〜3接触だけで800枚近く撮れる。これを全てチェックして現像する根気も情熱も無いが、良さそうな箇所をピックアップして使おう。
 動画は昨年と同じでR8。ただし広角レンズが15-35mm F2.8L IS USM から10-20mm F4 L IS STM に替わった。より広角に撮れる。
また、fmasaさんが一緒に行くことになった。2017年のアメリカ皆既日食の時、 彼と合流して一緒に見たけれど、APQのコロナ、プロミネンスの美しさは絶品だった。これがまた見れるとなると期待もより膨らむ。

出発前からトラブル連発

  日食の時は現地でぼったくりが横行するので、予約ができる1年前に宿、レンタカー、便を押さえる必要がある。宿はOK、便もOK。ところが、レンタカーの予約がどこも取れない。ようやくExpediaで予約することができたが、出発前に予約の確認をしようとしたら予約が見つからない。サポートのチャットも役に立つ応答が無いし 、電話も繋がらない。やっと繋がったら、日本語は何とか話せるが話の内容が全く理解できない人が対応して、1時間堂々巡りで諦めた。あとは現地に行っての交渉だ。ちゃんと予約の印刷もあるし。

 出発は4月6日(土)、15時40分羽田発。12時まで仕事をして、そこからタクシー・定額で羽田第3ターミナルへ向かった。電車では時間に余裕が無い。携帯でいろいろチェックしていたら、急ブレーキと衝撃が走り、座席に置いていたスコープとWXと望遠レンズが入ったトート・バッグが勢いよく前の座席にぶつかり、床に落下した。私はシートベルトでOK。ああ、事故か、と思ったら、ETCカードが入っていなくてゲート遮断突っ込みだった。で、結果がこれ。日食前夜、プチプチを開けてビックリ。見事にアームが折れていた。帰国してタクシー会社に電話したら、補償は半額で、と。半額に値切られる筋合いは全く無いので、ちゃんと支払ってもらった。

  便は羽田→ワシントン→ダラス、という東海岸に行って中央に戻るという非効率的なものだったが、マイル(スター・アライアンス/United Air)で取ったタダ便なので文句は言えない。 ところが、ワシントン→ダラス便が欠便になり、代わりの便が出発前に遅延通知が2度。ワシントンに着いてからも、さらに2度遅延。本来は夕方に着くはずが23時近くまで遅れ 、レンタカー屋が閉店してしまうギリギリの時間だった。fmasaさんには夕方にダラス着なので、先にレンタカー屋に行って手続きをしてもらうよう手配したが、私が到着するまで待て、と。で、カウンターに予約の印刷を見せたら、しばらく画面を見ていて、名前が違う、と。見せてもらったら、見たことも無い中国人の名前になっていた。他の情報は合っているし、私本人であるのは間違いないではないか、頼むから貸してくれ、と懇願したが、我々はお金はExpediaからもらうので、無理だ。Expediaに電話したら?などと言う。23時に電話して、仮に繋がっても1時間かけてもダメなのは明らかだ。では新規に借りることはできるか?と聞いたら1日300ドル!と。もともと予約は3日で¥30393だったのに、これでは5倍近いぼったくりではないか! これではタクシーで宿まで向かう方が安いだろうと、タクシー乗り場を探した。しかし、ここはレンタカーを貸すビル。タクシー乗り場なんかある訳がない。もう時間も遅いし、目の前にあったAvisで借りることにした。結局、談合ぼったくり価格の1日300ドル。で、指示されたE21へ行ったら車が無い。戻って訴えたら、今度はLへ行け、そこに係がいるから彼が案内する、と。しかしLが見当たらない。聞くと離れた場所の1階下のようだ。近くにいた係に事情を説明し、何とか してくれ、と言ったら、少しして車を貸してくれた。最初申し込んでいた小型車ではなく、中型の四駆だった。荷物が沢山積めて良かったが、カーナビがダメダメ。現在地の表示が10秒以上遅れるので、宿に辿り着くまで幾度も道を間違え、さ迷いながらやっと到着。1時を過ぎていた。その夜、時差と言うより怒りで眠れなかった。今考えてみれば、日食の時期に、通常価格でのネット予約ができないように全社申し合わせて操作していたのではないのか? 現地でニュースをみていたら、テキサス州のガソリン日食値上げのことを放送していた。グルでぼったくり。酷い所だ。

ダラス観光

 ダラスと言えば、やはりここは見ておきたい。矢印の所にあるX印が撃たれた所で、後ろが教科書ビル。私は当時のFBI長官フーヴァーがJFKを殺したと思っている。私が小学生の頃は、悪に立ち向かう偉い人、という伝記まであったが、実際は違法で得た情報で歴代大統領を恐喝し、自分が同性愛者であることを隠すために同性愛者を弾圧し、ケネディに首にされそうになっていた悪者だった。 歴史上の偉人・英雄、実は〇〇、の話は山のようにある。その後、日本から予約を入れておいたテキサス・ステーキの有名店Y.O. Ranch Steakhouseに食べに行った。大変な混みよう、行列で、予約を入れておいて正解だった。A5ランクの肉だとはじめは美味しいけれど、徐々に脂で食べれなくなるが、アメリカの美味い赤み肉は20オンス(570g)もぺろりと食べられる。夕方にはスーパーに買い出しに行ってコロナ・ビールで乾杯した。というのも、明日は皆既が終わったら夕方の便でLAに向かうので、祝杯はダラスでは上げられない。

当日、朝

 あまり眠れず、3時半に起きてしまった。寝れそうもないので、もういいや、と起きて準備を始めた。明け方は快晴。極軸がすんなり合う。その後、どんどん曇ってきて、雨でも降ってきそうな気配。よって準備と言っても三脚を立てただけで、その先には進まない。記念写真用に、一応機材は載せたのがこれ (WXは、折れたアームを挿してバランスが取れた状態)。実は出発前から曇り/晴れ半々、夕方から雨の予報で、晴れが予想されていたメキシコも天候が思わしくない。数日前から東海岸に向かって車で移動中、などという投稿がけっこうあった。朝9時は、厚い雲故、太陽がどこに出ているかもわからない。起きだした宿泊客が 「移動しないの?」 と声をかけてくる。さっさと出発している人もいる。その答え。
 「これから晴れてくる、という予報がある。雲が多い可能性があり、晴れの予報の所へ行っても、皆既の時に雲がかかるかもしれない。私は歩く高気圧で、皆既+金環食 7連勝。自分の運を信じている。だから動かない!」と、自信たっぷり(だったらしい)。すると、「よし、あなたを信じる!」 と居残り組が増えだした。責任重大〜。そして写真・右上のような状態になり、太陽も青空も見えだした。10時にカメラのファイダーに導入したが、14時までしっかり中央に追尾していて、小型・軽量なのに優秀、と感心した。

 

 そして晴れた空の中、日食が始まった。欠け始めはかわいい、と毎回思う。日食12回目だ、という巨漢のドイツ人は、まだ曇っている時に、「日食グラスをかけないと、危険だぞ」 とか言っていて、皆既の時は寝そべって見ていた。でも、ずっと肉眼なんで 、そんな贅沢な観望もしてみたいものだ。無理だけど....
 いよいよ晴れてきて、彩雲まで見える。雲は太陽をかすめて通過。これじゃ、少し東側の人達は雲に遮られているかも。以下の写真は動画のクリップ。



 皆既。WXで真っ先に目に飛び込んで来たのは、やはりショッキング・ピンクのプロミネンス! 飛び出た方は美しく、南側のものは、スコープ、望遠鏡(APQ+ライカズーム)で拡大して見ると、その超立体的な像に、思わず声も出る。スコープとAPQは同じ口径10cmだけれど、APQは、さすがにその美しさが1枚も2枚も上手だ。肉眼でもこのプロミネンスがしっかりと見え、その幻想的な像に血が逆流するような興奮を覚える。木星、金星が美しさに花を添える。プエルトリコから来た、という数名はノリが良くて、より盛り上げてくれる。しかし、コロナの流線は今一だ。2017年の時は、高度約1900mだったので、これは圧巻だった。その要因だけでもないのかもしれない。というのは、どの掲載写真を見ても、コロナの勢いが無いので。最後の30秒は薄雲がかかったが、双眼鏡、スコープで見ている分には、影響は感じなかった。ああ、そしてダイヤモンド・リング! 徐々に幻から現実に戻っていく。皆既が終わったら、皆拍手、そしてハイタッチ ”やったね〜!”  fmasaさんのiPhoneコリメート撮影写真に人垣ができて、皆に配っていた。その1枚が、これ (写真下左)。コリメートiPhoneでこれだけ撮れれば立派だ。 ロッジは、暗くなると自動的に強烈な白色LEDが点灯するようになっていたので、幾度も作動しないようにお願いしていた。その管理人達も我々の後ろで見ていて、終わってから笑顔でグー・タッチ。点灯は義務らしく、パトカーに見つかると注意される、とのことだったが、多分大丈夫でしょう、と協力してくれた。

 

 部分日食だって楽しいが、夕方の便でLAに行き、翌日観光、そして次の日には帰国なので、皆既が終わってから直ぐに片づけてレンタカー返却に向かった。何せ曲者業者だし、渋滞にでも嵌ったら目も当てられない。夕方は雷雨の予報が事前に出ていて、「飛ばない可能性もある。何なら今のうちに便を変更したら?」 というアナウンスがAmerican Airから来たりしていたが、快晴で全てOKだった。ダラス空港の出発ゲート近くにLorena Garcia というメキシカンのフード・コートがあったので、ここで夕飯:バーガーを食べた。普段、バーガーはあまり食べないし、アメリカに来ると、バーガー、サンドイッチ以外のメニューを持ってきてくれ、と言いたくなるが、しかしアメリカのバーガーは肉肉しくて美味しいので、やはり一度は食べたくはなる。で、ここのは本当に美味しかった(写真上右)。
 さて、とR5からカードを抜き取って画像をPCに取り込んだら、写真が3枚しか無い! 顔面蒼白、絶句.... PCコントロールの写真は1枚も無く、PC接続前にマニュアルで撮った3枚のみだった。それが、上に掲載した部分食の写真。これについては、後述。皆既+金環8連勝!等と自慢していたが、実際には見たけど、見られなかったような感情に陥ってしまった。
 LA空港は本当に広くて、スーツケースの回収だって、本当にこの道で合ってるの?という位延々と歩かされる。タクシー乗り場に行くのだってバスに乗って遠くまで行かねばならない。荷物が沢山あると、実に難儀だ。何か敗北感に塩を塗られた感じだった。

LA観光

  私はLAへの憧れも興味も無く、また、音楽や映画のアメリカ・ローカルの賞にもさほど価値を見出していない。また近年のハリウッド映画は本当につまらなくなってしまって、ますます縁が無くなってしまった。とはいうものの、やはり一度は訪れないと。街に入ってすぐ、このギラギラした欲望の渦巻いた感じに引いてしまった。そこで、そんな私向けの日本語ガイドのお上りさん半日ツアーに参加した。ところが参加したのは我々2人だけだったので、好き放題スペシャル版となった。最初はこれ。住宅街の先の山に少し登り、ここが一番近い地点だ、と(海外在住の日本人ガイドはクセのある人が多く、時に自慢話が多い)。そして、コースには無かったドジャース・スタジアムのお土産屋に行った。大谷さんグッズが飛ぶように売れていたが高価だったので、私はキー・ストラップを買ってお土産にした。家内には、大谷君バッジ付き。

 それから街の名所巡り。街中には、配送ロボットが走行していた。まばたいたりして、擬人化されている。ちゃんと信号も守り、人を避ける。名所の写真は多すぎて割愛。昼はin and outという有名なバーガー屋に行ったが、特に美味しくはなかった。以外と大きくなかったので、続いてこれまた有名なPINK'S というホットドック屋でも食べた(我々の時だけ行列が無かった)が、これも特に美味しくは無かった。アイスランドでは、クリントンも並んで食べた、宇宙一美味しい、と宣伝していたホットドックも食べたけど全く普通だった。でも、これも言わば観光なので、それでいい。ちなみに歴代最高だったのは、バンベルクの屋台で売っていたホットドック。炭火でソーセージを焼いていた。もうダントツ、世界唯一無比で、その後も行く度に探すのだが、それ以来遭遇していない。

2009年8月

 ビバリー・ヒルズの有名人邸宅巡りでは、プレスリー宅の門が庭のメンテナンスのために開いていたり、絶対開かない、というマイケル・ジャクソンの門がFedExの配送で開いたり(ガイドが興奮して激写していた)、と幸運が続く。ここか、とちょっと感銘を受けた所は、これ。

 あの世界的にヒットしたロック演歌のジャケットの撮影された所。ちなみに、この時代にはホテル・カリフォルニアというホテルは無かった、とのこと。それからFarmer's MarketとかTrader Joe'sに立ち寄って、最後はこれ。ほとんど知らない人が多いが、有名なハリウッド・スターはそこかしこに。しかし、この二つが並んでいて、これは個人的に別格!

 夜は、あのグリフィス天文台へ行った。ラ・ラ・ランドの夜景とZeiss 30cm屈折望遠鏡と対面だ。快晴だったので、どこまでも続く夜景は見事なもの。これが天文台外周をぐるりと取り囲んでいて、これは見るべき世界風景の一つだと思った。

 こんな明るい都会に天文台?と思ってしまうが、この山一つを所有していた富豪グリフィスさんは、一般の市民に身近に楽しんで欲しい、と天文台を作り寄贈した(実際は紆余曲折あって、彼の死後)。世界の富豪には、文化に貢献する素敵な方もいるし、ただの成金趣味でドン引きの人もいる。さて、我々にはお待ちかねの望遠鏡との対面だ。大行列だが、1人数秒なので、どんどん列は進む。何を導入して見せてくれるのかな、と思ったら恒星、シリウスらしい。一瞬絶句したが、それならシリウスBを見るぞ!



 口径 30cm、焦点距離 5.03m、F/16.7、稼動部重量4.5t。製造1935年。アイピースは、セレストロン E-Lux 32mm Kellner が天頂ミラーを介して付いていた(157倍)。ようやく順番が回ってきた。青ハロはあるものの、実に端正でシャープな像だ。シリウスBは見ようとしないでそらし目で何となく目をやると、ふっと浮かんで見えた。何せ1人数秒なので、さらなる確認はできない。しかし、fmasaさんも同じ見え方だったとのこと。天文台の職員にあれこれ聞いた後、シリウスB見たぞ、と言ったら、始めは?反応だった。Bだよ、B と言ったら、B!私はまだ見たことが無い、と。タカハシの4インチ持ってるぞ、とか言っていて、何でこの望遠鏡見ないの?? オマケに今日のアイピースは?って聞いたら27mmとか答えていたし...

 館内を急いで見た。面白かったのは、かなり大きな月球儀。2m近くあったろうか。これが回転しているのだが、横から見ると影ができるので立体感が増し、宇宙船から見ているような感覚になる。閉館の22時まで粘ってホテルに戻った。翌朝の帰路。家まで、今度は無事に帰れた。さあ、帰ったら2つの問題点に向き合わなければならない。Expedia問題(帰国してチャットでクレームを出したら、レンタカーはcartrawlerで行ったので、そっちへ聞け、と。教えられた電話番号に電話をしても、担当地域外、とのアナウンス。こんな無責任な対応の上塗りってあるかなあ。そして、PCで自動撮影が出来なかった理由

Expedia問題

 その後も膨大な手間と時間をかけても一切進展しない。海外の企業:Booking.comは便利なのでよく利用するが、昨年のオーストラリアのトラブルでサポートが全く役に立たなかったし、同siteでのタクシー手配の予約変更が全く反映されず、サポートも全く役に立たなかったし、Rentalcar.com も同様に予約変更が全く反映されず、サポートも全く役に立たなかった。Expedia しかり。この手はトラブったら、日本ではサポートは無い、と思った方が良い。Expedia は埒が明かなかったので会社に面会を求めたが、予約が無ければダメだ、と門前払いを食らった。しかし、面会の予約は、どうやっても取れない。今は、cartrawlerと長々と英文で交渉を始めたが、Expedia は、過剰に支払ったレンタカー代を補償する責務があり、生涯逃れることはできない。もし、万が一、誠意と責任感を少しでもある関係者がいたら、連絡が欲しい。アメリカなら懲罰的損害補償、つまりは今後、このようなずさんな管理、サポートを根絶させるための裁判を起こし、高額賠償判決が出るだろう。観光地で良い思い出を作り、また行こう、と友好的感情をいだかせるか、いかなる不快な思いをさせても1円でも多くむしり取ろう、というあさましい人間の所だ、と嫌悪感を持たせるか(世界60ヵ国を旅しているが、残念ながらそのような二度と行きたくない国、地域があった)、それは我々も同じ立場だ。
 最近、同じダラス郊外のモーテルで日食を体験した方のトラブルの話を耳にした。機材一式、パスポートまで盗まれて、帰国まで大変な苦労だったようだ。私たちの泊まったモーテルも☆2個の粗末な所だったけれど、機材は常に目に入らないよう注意していた(海外では鉄則)。 また、海外で身分を証明できるパスポートは、常に携行も鉄則だ。こういったトラブルはメキシコで発生と思っていたら、まさかの近所で起きていた。ただ、当日借りたレンタカーの値段を聞いたら我々の半額だった。

自動撮影が出来なかった理由

 帰国してしばらく検証する気力もわかなかったが、冷静に一つずつ確認した。一番の原因は Windows Hallo。このノートPCは 、画面のカメラから顔が認識できなくなって2分経つと、自動的に画面が暗くなりロック。指紋認証で立ち上がる。セキュリティのための余計なおせっかいなのだが、指紋認証で立ち上がるのは便利なので、そのまま使用は続けていた。その間、プログラムの動作は継続され、 ロックはされるけれどログアウトにはならない。エクリプス・ナビゲーターもプログラムは動作を続けるが、カメラの接続が切れてしまうのが判明した。では、何故、前回は大丈夫で、今回はダメだったのか?

 それは、機材の位置関係にあった。上に掲載したものと同じ写真だけれど、まず、撮影機材は4mほどあった芝生の南端へ設置した。ここより南は隣の土地であり草も長いので、ここに立ち入る人はいないであろうという思惑。で、観望機材は芝生の反対側の際・駐車場の前に設置した。車のトランクを開放して、機材の出し入れを円滑にするためだ。その距離は2mはあったと思う。昨年は1人だったので、機材を一か所にまとめて、PC画面も簡単に幾度も見ていた(というか、画面付近に私の顔がったので、Windows Hallo が作動せず、平和に動作が続く)。今回は入念に動作テストを繰り返してOKだったので、信頼して放置した結果、Windows Hallo が作動した。途中、これに気付いて指紋認証をして画面を確認したら、プログラムは動作を続けていたので、安心してしまった。通常、カメラとの通信が切れると、「通信が切れました」とアラートが表示されるが、Windows Hallo が作動してカメラの接続が切れた場合には、このアラートが表示されないのもわかった。また、歓声で動作音がかき消されて、カウント読み上げも聞こえなかった位だった。もっと近くにあったら、途中で気付いて対処していたと思う。
 あと一つは、プログラムを起動した後、右下の「本撮影」ボタンの押し忘れがあったか? シミュレーションを幾度もやったので、その手順がしみついてしまっていて、動作フローがシミュレーションと同じになってしまっていて、本撮影ボタンを押し忘れた可能性もある。やはり皆既日食。興奮状態で魔物もいるので、この辺りの記憶が一切無いのである。

ただ運搬されただけの空しい機材(左側)

 ネットで山のように同じような写真が掲載されていて、私も今回は「どうだ!」という写真を見せたかったのだが、残念無念だ。その沢山ある写真で、実際に見たものと極めて近い見事な写真を見つけた。それが冒頭の写真。アメリカ人のAndrew Deering さんが撮ったもので、何とSeeStar でのもの、と。大型機材も吹き飛んでしまう程の凄さだ。さっそく本人に連絡を取って、掲載許可をもらった。しかし、凄い時代になったものだ。

次は?

 日食が終わった瞬間から、もう次を見据えている。2026年8月12日のグリーンランド〜スペイン、2027年8月2日のサウジアラビア、2028年7月22日のオーストラリア、と3年連続だ。行けるかどうかはわからないけれど、もう妄想は始まっている。
 アイスランドは行った事があるが、グリーンランドはまだ無い。しかし、皆既帯には主だった都市が無く、レイキャビックから船になりそう。豪華客船はすでに予約を始めているようだが、到底支払える金額も無ければ、それだけで2週間なんて無理。クルーズ病がある、などと言っている人がいるけれど、私の趣味ではなく、間違いなく2日で飽きる。普通の船旅なら大歓迎だけれど。スペインなら日没前だが、バスク地方の観光を兼ねて行ける。日没前の日食は経験がない 。
 サウジアラビアは行った事がないので、これは是非行ってみたい。ルクソールで、という話題もあるが、30年近く前に行ったことがあって、遺産はどれも圧倒的に素晴らしかったのだが、大変に不愉快な思いを沢山して二度と行きたくない国なので、私はサウジ。でも世界情勢はどうなっているのだろう。
 オーストラリアは望遠鏡を持って是非行きたい。この3つ全部行けるかどうかはわからないが、皆既日食の経験10回越せば中堅の仲間には入れるかな? ベテランの20回は、私が生きている間には無理、達成はできないなあ。


グリフィス天文台にて

  続く!

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