「130ショットが語る ≪カミソリ後藤田≫」
東京新聞・総合面  1997.8.17
 〝カミソリ後藤田〟の異名を持って歴代自民党政権の中枢でにらみを利かせ、昨秋、
政界を引退した
元副総理・後藤田正晴氏(83)の写真集がこのほど出版された(朝日ソノラマ刊 )。
撮影したのは後藤田氏を公私にわたり3年間、撮り続けてきたフリーの写真家・蛭田
有一氏。
衆院議員としての国会・政治活動、地方視察、地元・徳島での後援会員との交歓、都
内の自宅での暮らしぶりなど、後藤田氏の日々を約130ショットのモノクロ写真で
迫っている。
蛭田氏は、『写真を通じて後藤田氏の人柄、感性、生きざまを伝えることができれば』と
言う。巻末に収められた蛭田氏のインタビューで後藤田氏は日本の行き先について、
こう語る。
『明治の革命を、それから戦後の大改革を見てね、そして今の閉塞(へいそく)状況で
しょう。これ、全部乗り切ってきたんですよ。だから僕は日本の将来に対して、決して悲
観していません。僕は日本の将来を信じている』
(紙面の記事のみ掲載)