004:TERESA&JUNG
ver.01
『聖魔伝』(文庫版のみタイトルが『セイントデビル-聖魔伝-』)は
人間の姉弟として生まれた魔女のテレサと神の子ユンクの物語。
原作版『デビルマン』にも匹敵するかというそのストーリーは
今改めて読んでもなんら色褪せるコトの無い完成度なので
読んだことの無い人はぜひ読んでみてください。

あ、余談だけどイラストタイトルの「TERESA」と「JUNG」のスペルは
オフィシャルなモノでは無いのでご注意を。
「TERESA」はマザーテレサから、
「JUNGは哲学者のユングのスペルから取りました。
(「ユング」はドイツ語読みだと「ユンク」になるらしいんで。)
石川氏自身も言っているが、石川賢は女性キャラを描くのが苦手らしい。(オレは石川氏の描く女性も好きなんですが)
ならば! 
今風なキャラにリファインしてしまえばどうか? と、今風なタッチも描けないくせに勝手にテレサの再デザイン化にチャレンジする私。
で、どんなもんでしょうかね?

テレサのイメージは人間時(っても変身するワケじゃないんだけど)は清楚で可憐、それでいて気が強く蠱惑的な魅力さえあるという、何とも矛盾した、しかし或る意味「女」そのものなイメージを持つキャラ。
魔女化した姿はその後者が突出しただけという感じに思える。魔女になっても意外とイイ人? だし。

で、その矛盾さを表現するのが、なんたってもー、
いやー、難しい難しい。

2人が通っている学園は「セント・ダラー学園」という名前から察するに多分私立の名門校。
作品自体が古いせいもあり、原作では野暮ったい普通のセーラー服着てるテレサなので、思い切って制服もデザインしなおしてみる。
設定画作ったり色々やってみたんですよー。
ホントは胸ポケットに学校のマークがデザインされたワッペンでも付けようかとか思っていたんだけど、それを作るまで根性がありませんでした。マークのラフまで作ったんだけどね。

女子生徒用は今風なくせに男子生徒用は学生服なのはアレです。
単にユンクには学生服着させたかったんだよー!
まあ、この女子生徒用制服に合わせるならジャケットにネクタイといった感じなんだろーなー。ホントは。

そうだ。2人の保護者である祖父の大間剛造って、「かわいいかわいい」でテレサには服買い与えて、ユンクの服までお金かけれなかった……っつーんじゃダメですか?(笑)
大間家って壁に穴開いてたりして、かなり貧乏そうだし。

以下はラフ。
デザイン変更するに当たって、一番悩んだのは前髪の赤いメッシュ部の処理。
で、上のラフのような感じを思い付いた時、
「おお、これは斬新!」 と、
当初は思っていたのだが、
線画が仕上がる頃に
「あれ? 神埼将臣の『鋼』(読んでない)ってこんな感じじゃなかったっけ?」と思い始め、「『ベターマン』(これも観てない)にもこんな前髪のキャラ居なかった?」とか思い至るに当たり、
なんか段々「このキャラはテレサとは違うんじゃないのか?」
という気持ちが膨れ上がり、途端にヘコむ。

んで、迷走状態に陥り、必死にキャラクターを捕まえようとじたばたしているとき描いたのが、右の絵の魔女化した俺テレサ。
オレむしろこーゆーのが描きたかったんじゃないか、そーいえば。とか思う。

で、考えれば考えるほど、どーにもこーにも「俺テレサ」が自分の中で納得が出来なくなり、
「ここはやっぱ基本だな。」と
石川絵ベースな落書きを始めてみたのが左。

「ああ、なんかやっぱコッチの方がいいかも。」

下手な考え休むに似たり。
結局、石川絵バージョンも描きたくてしょうがなくなり、
一大決心。
「ふたつとも描こう!」

おかげさまで、たかが趣味で描いてるダケのイラスト描きで地獄を見るハメになってしまいました。とさ。

そーいったワケで石川ver.はコッチだ!