‘年に一度の楽しみ’

 「久しぶり!元気にしてる?卓球してるん?」

 場所は東京大学駒場キャンパスの体育館。今日は全国国公立大学OB卓球大会の日である。

 同じ大学だった先輩・同輩・後輩でチームを組むのはもちろん、異なる大学だった人たちで混成チームを組んで参加する人たちもいる。

 私は後者で、毎年関西の他の大学だった方たちとチームを組んで出ている。

 自分の住んでいる地域と遠く離れたところに住んでいる人・近場にいるけど普段は特に付き合いのない人、普段から付き合いのある人、この日はいろんな人と顔を合わせ、話ができる日でもある。

 同じ大学であればOB会等で顔を合わせることもあるが、他の大学の方だとそうはいかない。学生時代、しのぎを削ったライバル達。どうしても勝てなかった人。懐かしい面々と再会できるのは非常に嬉しい。

 今は卓球をしていない人でもこういった試合を機会に再びラケットを握ることもあるかもしれない。

 もちろん小さな大会とはいえ全国大会である。卓球を現在もされている方が圧倒的に多い。
 この大会で思うのは若者だけでなく結構年配の方々も遠方からいらっしゃっていて、「好きなんだなぁ」ということである。

 何が好きなのかというと卓球はもちろんのことであるが卓球を通じた「人付き合い」が好きなんだと思う。

 その証拠に、試合中はみなさんものすごく真剣だが、試合が終わると勝負の結果にかかわらず、爽やかな笑顔をされている。

 さすがに団体戦は卒業直後〜2・3年の若者が集まったチームが強い。が、団体戦の予選を突破できなかったチームの方が中心の個人戦では、年配の方も地力を発揮されて勝ち進まれる方も多い。

 この大会の主目的は現役国公立大学学生のヨーロッパ遠征の監督さんの費用援助を中心とした‘現役支援’である。

 現役支援ではあるが、当日の大会の準備・運営等の裏方さんの仕事は毎年現役の学生さんがしてくれている。彼等のおかげで我々は気持ち良く大会に参加させていただいている。感謝。

 年に一回、この大会に参加することが卓球を続けているなかで非常に大きな楽しみとなっている。来年以降も可能な限り、参加し続けたい。