ひらぽん入院記 その3 〜 入院中 〜

 担当医がやってきた。看護婦も数人やってきた。

 下着一つの状態にさせられ、何が始まるかと思えば、いきなり数人の看護婦から薬を体中に塗られた。いや、塗りたくられたという表現のほうがぴったりとくるだろう。

 塗られている薬はまずアンダームとヒルドイドという2種類の混合薬。この薬はよく伸びる。

 ‘まず’というのは、この後にも続きがあり、今度はフルコートといういわゆるステロイド剤をまたもや塗りたくられた。

 これだけで十分、と思うのだが、さらにさらに、両腕・両足を亜鉛化軟膏という薬を塗ったリント布という布で巻かれてしまったのである。

 冬場だからいいものの、これが夏だった大変だっただろうなと思いつつもそれでも動きにくく大変だった。

 この日はこれで終わりで、これを毎日行うということである。

 う〜ん、正直こんなのは一度だけで十分である。薬を塗りたくられてさらに布で巻かれるなんてはっきりいってまっぴらである。

 ところが、翌日、さらに予想していなかった治療の方法があった。

 リント布に塗られた亜鉛化軟膏は水やお湯では落とすことができず、なんとサラダ油でないと落ちないという。看護婦さんが近くの酒屋でサラダ油を買ってきてくれ、それをガーゼに浸して腕・足をこするような感じで亜鉛化軟膏を落としていく。これがまた何とも変な感じであった。

 そしてまたアンダームヒルドイドを塗りたくられ、フルコートを塗りたくられ、亜鉛化軟膏をリント布に塗り、それを腕・足に巻かれる。それが毎日である。

 看護婦さんたちはというと、薬を塗りたくるときには‘エステみたい’となんか楽しそうである。人の気も知らんで困ったもんである。

 3日目以降はこちらも慣れてきて、ある程度は一人でできるようになり、看護婦の手をわずらわせることも少なくなった。

 しかし、毎日続くのはやはりつらいもんである・・・。

 

To be continued.