ロッククライマ−「ミチオ」の挑戦!
in 2006京都木津川マラソン
Written by ミッチ〜
2月5日寒〜い朝。予報では「次第に風もおさまって冬型が緩む」との事。
これほど良純が頼もしく見えたにはなかった。
昨年より風には散々敗れてきた。「加古川」では虫の息のオサカ山を越えたのがせめての救いだったが最後軟弱な部分を露呈してしまった。今日こそは・・・
お天気任せとは情けないが、いつも3時間分の力しか鞄に詰めて行かないのでしかたない。余分な荷物と力は持って行かないのだ。
山登りの準備も整いさぁ出発である。
オサカ山、ニシオ山、ヤマグチ山、ウエシマ山と越えなくてはならない四十の山々ミチオを見下ろすかのようにそびえ立つヒラオ山
幾度となくこの山々に、果敢に挑んできたミチオだが、実力のなさとB型がいけないのか跳ね返され続けてきた。
その先にはタカタ山を最高峰にAグループが肩を並べている。
枚方の北アルプスといったところか。道のりは険しい。
一つ一つ制覇していこうと共に誓ったダイスケ山は、心が崖崩れを起し、もはや修復不能か?海抜1m70cmしかない。このまま海に沈むのか? 海底帝国を目指しているとの噂も。
え〜い。かくなる上はミチオ一人で挑むしかない!おりゃ〜とりゃ〜

★パ〜ン♪

はい木津川スタート。
今日のミチオは焦らずスタスタ。「遅く、遅〜く」と呪文のようにブツブツ。
こらッ良純。風めちゃめちゃ吹いとるやないか。小林麻央ちゃんの予報観てくればよかった。
ブツブツ・・・。そんな一人言を知ってか、知らずか四十山の星、ワタナベ山は先頭に。
あの背中ありゃ間違いなく聞こえてないね。

10km風に後押しされ ★40分15秒
「えっ?かなり抑えていたのに、こりゃ折り返してからが恐いなぁ」

ミチオ 「どうも。結構吹いてますね。」
「去年よりきついですかね?」
ミチオ 「去年はイノウエだったのでミチオにはよく分かりません」

やばい早くも退屈しだしたミチオ、おしゃべりが始まった。もう折り返してきたナベ山。道が上と下に分かれており離れていたので声をかけるのはやめようと思ったら

ナベ山 「ミッチ〜♪」
ミッチ− 「ファ、ファ、ファイト!」
ナベ山 「まだそんなとこ走ってんの?相変わらずやな。そんなことじゃ四十連山は今日も越えられへんな!バ〜カ」
ミッチ− 「??最後おかしくなかった?ウォ−!」

挑発に乗ってはいけない冷静になるんだ、何度失敗してきたんだ?また繰り返すのか?
自問自答を繰り返す。いかんいかん、危うく32km残してラストスパートするところだった。
我に返ったミチオに試練が襲い掛かる。折り返し後の予想以上の風である。
目をこらしてジ〜ッと見るとなんとオサカ山ニシオ山から吹きつけられていた。
共に木津川で輝いた山々ではないの。想像してみて、すごい肺活量。つば混じりはやめてね。

オサカ山 「俺の栄光は越えさせんぞ。加古川で俺を抜いたくせに40、41kmで立ち止まって屈伸なんてしてるから速くなれなんだ。ラストくらい頑張れ。俺の記録を抜いたら枚方南の銭湯で背中流したるわ。どうせ失速するだろうけどね。念の為、力を奪っておこう。ピューピュー」

みなさん後20km向かい風ですが負けずに頑張って行きましょうね♪
が、周りの戦友は次々と崖から落ちていく。明日はわが身か。
しゃべる相手も居なくなり前から押し寄せる人の群れに酔いそうになりながらヤマモト山の姿を発見。すいません今回の設定は海苔屋さんみたいになってしまって。下から読んでもフフフ・・
よ〜しミチオも頑張らねば。20km地点を通過

★1時間21分36秒

許せる範囲か、しかし後11km残っている。このままずるずる、これまでかミチオ
・・といつもならhappy endなのだが、なぜだか気持ちが切れない。
そう20km過ぎから3〜4人の群れができおしゃべり相手ができたのである。

ミチオ 「どちらからですか? こんな時に、いいお世話だですが」
「市内からです。are you?」
ミチオ 「are you?ってコテコテの日本人ですやん。i’m fromあそこに見えるマンションですわ。」・・ちょうど見えとった。
「近くていいですね」
ミチオ 「力こぶっていいですね?」
「ち・か・く・て・です〜」
ミチオ 「あはは。分かってました。」

ミチオ 「どれくらいで走る予定ですか?」
「昨年この大会で2時間58半位がベストです。」
ミチオ 「オッ一緒じゃないの私も昨年のこれがベストなんです。タイムまで同じとは」・・と意気投合。
「頑張りましょ!」

今日は一秒でも先にゴールせねば。お互い一年前の残像を追いかけることになる。
おかげでペースが落ちず30km通過が。

★2時間3分31秒

ナベ山完全に独走態勢!おめでとう。ゴールでミチオの応援が必要ならゴールせずに待っててくださいね(^^;
沿道でミチオに向かって応援してくれた人にはできる範囲で力をもらったお礼に手を上げたり返事したり何かアクションするようにしてる。たまに知り合いでもないけど会話になる時がある。
31km辺り

D子 「枚方マスターズ頑張れ」
ミチオ 「ありがとう」・・と笑顔で返事
D子 「余裕だね。笑顔がいいよ、枚方マスタ・・は」
ミチオ 「あの〜胸のは名前ではなくチーム名でございまして、名前はミチオと申します。姓がミチ 名がオでございます。左効きになります。余裕と言いますか、それは呼吸だけの話でこれ以上、上げると軟弱な私は最後まで体が持たないのであります。先を急ぐ用事がありますのでこれで失礼します。ありがとう、今日は最後まで走れそうな気がしてきました」

さらにニシオカ山、タナカ山とすれ違いミチオは押せ押せムードである。
35kmで時計をみると中が曇っててよく見えない???そういえば最近電池を替えた時

時計屋 「パッキンが経たってきているので防水が分からないよ。」

・・と言われたんだった。そんなことは気にしないミチオは今日レースだから綺麗綺麗してあげようと一緒に風呂に入って洗ってあげたんだった。
またこんな大事な時に〜。
ジ〜ッと見ると薄っすら23分の文字え〜っと後7kmだし5分で行ってもサブスリーじゃなぁ〜いしかも今まででこれだけ余裕のある35kmはない。
あ〜見〜えた。ヒラオ山の頂上が!行け行け〜
40km・・・・

見えない!とりあえずラップだけは押しておこう。
公衆電話があれば間違いなく「117」にかけてただろう。
ゴール直前アナウンスが聞こえる。

アナウンサー 「ラスト頑張ってください42分台でゴールすよ」
ミチオ 「まじで〜?四十連山一気に制覇かぁ〜!」

ゴール直前?とりあえずベストは間違いない大喜びでゴール。
時計をジ〜ッと見て??が解けた。ゴールの所に時計が二つあって一つは42分そしてもう一つが52分。
ハーフが10分遅れでスタートだった。大抵のゴール者がハーフの中、アナウンサーは大多数を支持したってことだった。大は小を兼ねるってね。か・ね・る・な・〜。

「いい夢見せてもらってぜ。あ〜ばよ!」

あっけなくミチオの40分台は夢と消えた。そして四十連山は越えれなかった。道は険しい。
っていうか途中のペースで42分っておかしいと思ってんけどね〜。

ミチオを待つことなくぶっちぎりでナベ山は優勝されてました。おめでとうございます。
出場されたみなさんも無事ゴールされお疲れ様でした。寒かったですね。

会場に応援に来ていてくれてたオサカファミリー寒い中お疲れ様でした。
ミチオの結果にどこかオサカ山が嬉しそうに見えたのは私だけでしょうか?

(20'06/20'09/20'26/20'54/20'46/21'07/20'17/20'06/8'35) 2:52:30 [12位]