「眠れる森の美女」新国立劇場バレエ団(ザハロワ&ゼレンスキー) <★★★★> |
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スヴェトラーナ・ザハロワ * オーロラ姫
イーゴリ・ゼレンスキー * デジレ王子
前田 新奈 * リラの精
G.イリイン * カラボス
初日に引き続き、同キャストは二日目。
初日は体調が万全では無かったゼレ。休演を心配したが、杞憂に終わり「ほっ」。
G.イリイン * カラボス
前田 新奈 * リラの精
大森 結城 * 優しさの精
湯川 真美子 * 元気の精
本島 美和 * 鷹揚の精
西山 裕子 * 呑気の精
遠藤 睦子 * 勇気の精
初日も思ったけど、王妃様は綺麗だ。堂々とした演技も◎。パンフを買わなかったので誰だか分からないけど、「ザハロワの母」に違和感無し。
妖精たち、一部初日とキャストが変わっている。(元気の精・勇気の精)
勇気の精は本日の遠藤さんより初日の厚木さんの方が良かった。鷹揚の精の本島さん、淡いピンクの衣装が似合わないのは眉毛がキリっと凛々しすぎるからか。湯川さん、踊りは綺麗なんだけど妖精としては貫禄があり過ぎる。新国立の女性ソリスト、若さ溢れる可愛い子がもう少し増えてくれないかなぁ。
イリインのカラボスはなかなか威厳がある。
以前見たアクリさんの明るいカラボスではなく、ほの暗いカラボス。キーロフの演出に合っている。
リラの前田さんは今日もお見事。本当に安定している。
ザハロワ、今日はど真ん中から見ているせいが、初日よりもずっと落ち着いて丁寧に踊っているように見えた。「オーロラ=黎明」という言葉は彼女のためにあるかのようだ。まさに光り輝くお姫様。1月に見た「バヤデール」では落ち着き払った女王様みたいで彼女の可愛さをあまり感じることが出来なかったが、今回のオーロラは砂糖菓子みたいなフワフワした可愛らしさを存分に感じることが出来、満足。
今日は初日よりオケも良くなっていて、初日ザハロワが踊りにくそうにしていた部分がかなり修正されていた。ローズアダージオの最後のアテュテュード・バランスの音の盛り上げ方も気合入っていてナイス。指揮者は外国の方だったが、どちらから招聘しているのだろう?良い指揮でした。
狩りの場面。改めて見ると、色彩が美しい。
ビデオで見ているとつい飛ばしてしまうシーンだが、生の舞台は情感あって楽しんで見られる。
ゼレは無事ご登場。もしかしたら休演も有り得ると心配していたので、ひとまず安心。初日より前髪のボリュームが少ないのが少々気になるけど、でも充分素敵。この方の醸し出す存在感&オーラは本当にセクシー。そしてオーロラに全身で恋している演技は何度見ても素敵。
今回の公演で、彼に対するイメージが180度変わった。以前は「踊り>>>>演技」でクールな人だと思っていたが、今では「演技>>踊り」で温かみのあるダンサーというイメージ。舞台上で執事(?)や狩一行に語りかける仕草もとても細やかで優しさが溢れる。彼がいると、そこには陽気で楽しげな華やぎが生まれる。もっと冷たい感じの王子になると思っていたので、彼のこの包容力溢れる温かなオーラは本当に意外だった。
ゴンドラから降りてオーロラの城へ入ってくシーン、紗幕の向こうの階段を下りてくるゼレはお豆腐やさんのようなラッパを吹いていて、ちょっとおかしかった。
初日、なんとなく見逃してしまった目覚めのキスシーン、今日はばっちり確認した。でもキスはしていなかった模様、残念。
今日もザハロワのお目覚めは気持ち良さそう。「うーーん、良く寝た〜、あら?」って感じ。
【宝石たち】
西山 裕子 * ダイヤモンド
大森 結城 * 金の精
鶴谷 美穂 * 銀の精
丸尾 孝子 * サファイアの精
西山さんのダイヤモンドの精の衣装が本物のダイヤのようにキラキラ輝いて、とっても綺麗だった。踊りも初日の遠藤さんより軽やかで良かったんだけど、どうも彼女の踊りには頼りなさを感じてしまう。なんとなく音取りが遅いのも気になった。華奢で儚げなところは好みなんだけど。
サファイアの丸尾さんは可愛い。今後も要注目。
宝石の皆さんはみんなそこそこ可愛くて、踊りも品良くまとまっていたので安心して楽しめた。
【猫】
真忠 久美子 ・ G.バリノフ
真忠さん、口元の皺が(縦二本)がとても気になった。以前はあんなに痩せていなかったはず。見ていて痛々しい。
【青い鳥のPDD】
寺島 ひろみ * フロリナ王女
M.トレウバエフ * 青い鳥
寺島さん、踊りは相変わらず不安定だったけど、見ているだけで幸せになる愛らしさが彼女にはある。頭の真ん中にチョコンと乗った青い羽つきの小さなティアラとちょうちん袖のブルーのチュチュがとても良く似合っていた。お人形さんのように愛らしい。
トレウバエフ、お見事!あんなに足先の綺麗な青い鳥はなかなかいない。腕の使い方も柔らかで、かなり良い青い鳥だった。
【赤頭巾と狼】
中島郁美 ・ 貝川鐵夫
今日の中島さんの赤頭巾は先日のさいとうさんと違って好みではなかった。
同じ踊り、それも割と単純な振付だが、個性が出るんだなぁ。
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【グランPDD】
スヴェトラーナ・ザハロワ
イーゴリ・ゼレンスキー
初日よりも二人のイキが合っていたと思う。ゼレのサポートがし易そうで、ザハロワの軸も安定していた。初日はハラハラしてしまったが、今日は充分幸福感に浸ることが出来た。特にアダージオは二人とも白い結婚式の衣装が良く似合って美しかった。ヴァリエーション、ザハロワは完璧なんだけど、ゼレにはお疲れが、、、。踊り終わって下手に下がる時、清水哲太郎さんばりに「ゼーハー」していたのが気になった。コーダのマネージュもちょっと息切れ。でも消音ジャンプは健在だった。ザハロワはどこまでも完璧だった。
一つ気になる点。初日に感じたザハロワの「冷ややかさ」はやはり見間違いでは無かった。具体的に言うと、ゼレと絶対視線を交わさない。振付上仕方なく視線を合わせているだけで、それ以外ではどんなにゼレが慈愛に満ちた微笑を向けてもザハロワは目を合わさない。そんな彼女を見ていると、なんだかお仕事感を感じてしまって、ほんのちょっぴり悲しかった。カーテンコールでも、素に戻って笑顔を振りまいているゼレに対して、ザハロワは最後まで素を見せなかった。昨年の新国立「ラ・バヤ」や1月のレニ国客演の時はもう少し心からの笑みをしていたと思うのだが、、、。
一方、ゼレは寛ぎ過ぎで、なんだか可笑しかった。汗もかいて、顔も上気して、まるで温泉に入った後みたい。首にタオル掛けていそうだった。それでも尚素敵なゼレ。今回は完全にゼレに骨抜きになってしまった私であった。
* 新国立オペラ劇場 *
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