「コッペリア」バレエシャンブルウエスト(吉本真由美&山本帆介) <★★★★> |
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吉本 真由美 * スワニルダ
山本 帆介 * フランツ
山内 貴雄 * コッペリウス
ちょうど一年前、シャンブルウエストの「白鳥の湖」公演に客演した山本帆介さん。彼のことをえらく褒めているHPを拝読し、それ以来興味を抱いていた。ダンマガに載ったインタビュー&写真もなかなか素敵で、次回の客演は必ず見に行こうと決めていた。そして今日やっとご本人を拝見することができた。
素敵だった!
私のお気に入り日本人男性バレエダンサーは
■ ルックス&雰囲気は逸見智彦さん
(完璧な王子様、でも踊りはふつう)
■ 踊りは小嶋直也さん
(ルックスは悪くないけど、好みではない。でも踊りがパーフェクト!)
という位置づけなのだが、今日山本さんに出会ったことによって
■ ルックス&雰囲気&踊りの総合評価で 山本帆介さん!
ということになりました。早速お気に入りに登録。
まず、見た目が素敵。
頭がとても小さい。顔の輪郭も非常に綺麗。アゴのラインなんて俳優さんなみに綺麗だ。そのお顔も笑うとエクボが出て端正な中にも可愛らしさを感じさせてくれる爽やかなハンサムフェイス。そしてプロポーションも美しい。美脚だ。こんなに無理なく白タイツが似合う日本人はそうそういない。そして日本人にありがちな華奢ではなく厚みのある上半身。脚も綺麗な筋肉の付き方をしていてまっすぐで長い。とても均整のとれたルックスで見た目的に充分外国の王子様達と勝負できる!
踊りは上半身の動きがとても柔らかい。手が長いので、動きにムリがない。
脚裁きも美しい。これまた脚が長いので、動きにムリがない。
そう、日本人のダンサーを見ていて感じるストレスが彼を見ていると全く感じないのだ。こんな素敵な日本人ダンサーがいるなんて!コンクールの受賞暦などがある訳ではないので、そんなにメジャーな存在では無いと思うが、是非是非もっと日本で踊っていただきたい。いっそのこと王子様不足の新国立バレエ団にプリンシパルとして入団して頂きたい。きっと大人気になるだろう。
コッペリア、昨年見たノボシビルスクバレエがあまりに酷かったので、演目自体にあまり良いイメージを持っていない。今回は二度目の生舞台だが改めて見ると、音楽が素晴らしい。今日はオケも良かったし、コッペリアの曲はどれも耳さわりの良い、一度聴いたら忘れない曲ばかり。曲だけだったらチャイコ三部作に匹敵するくらい良いかもしれない。
さてセットだが、一幕のセットは「ゲゲ、昨年の悪夢の再来?」と思うくらい趣味が悪かった。薄っぺらく品のない色使いの背景画に嫌な予感を覚えた。が、それ以外は普通に良かった。特に二幕のコッペリウス(”カトちゃんペ”の鬘が可愛い)の館のセットは公演チラシの絵(なかなか雰囲気のある素敵な絵)がそのまま舞台上に再現されていて、幕が開いた瞬間「おー」と感動した。衣装も三幕のヘラクレスみたいな衣装だけ大層変だったが、それ以外は普通に可愛かった。中でも山本さんのフランツの衣装、上下白に緑のベストでとてもお似合いだった。
ダンサー達は吉本さんと山本さんが突出している。
山本さん、見た目はもちろん、踊りもよいのだ。非常にノーブルなんだけど、どこか現代的なセンスを感じさせる。コンテンポラリーも案外踊れそうな予感。腕の動きが柔らかいので、マイムも絶品だった。ジュテも足先まで伸びて美しく、高さも充分。そして何より彼には華がある。彼が舞台上にいるのといないのとでは華やぎが全然違う。思わず目で追わずにはいられない存在感は日本人のダンサーには貴重。三幕のPDDは弱冠息切れの感もあったが、それすら「ガンバレ」と応援したくなるくらい、すっかり彼のファンになってしまった。
吉本さんは表情豊かで演技が達者で非常に安定している。危なげなくこなしていた。ただ表情が眉間に皺を寄せることが多く、ちょっと演歌調になってしまった。メイクもかなりキツく、元々骨格のしっかりした男顔な方だけに、少々ニューハーフぽい。それでも彼女の存在が舞台を引っ張っていたのは間違いない。
その他のダンサーについては、コールドは揃っていて綺麗なのだが、ソリストが悲しいほどレベルが低かった。特に「祈り」については発表会のレベルにも達していない。あれはプロの公演で出すには酷すぎる。他も男性ダンサーでびっくりするほど踊れていない人がいたりして、バレエ団の層の薄さを感じてしまった。ただ、全体的にとてもアットホームな雰囲気でダンサーの一生懸命さが伝わってくるので、見ていて嫌な気持ちにはならなかった。誠実なバレエ団だ。
誠実さは会場の係の方にも見て取れ、皆さんとても親切だった。バレエ会場の、特にバレエ団関係者には腹の立つことが多かったので、シャンブルウエストの雰囲気はとても気に入った。
が、残念なことに今日はメイク学校の生徒さんが学校行事で来ていて、会場の雰囲気は異様だった。どうやらバレエ団に協賛している学校らしい。会場前で彼らの集団を見たときはヤンキーの卒業式かと思った。しかも彼らに囲まれた席でゲゲゲ、、、。一・二幕は比較的大人しく見ていたので「案外素直ないい子たちじゃん」と思っていたら、三幕は限界に達したのかおしゃべり、携帯いじり、踊りにチャチャを入れる(←これが一番最悪)などやりたい放題。「いっそのこと寝てくれるか、帰ってちょうだい」と叫びたくなった。見たくない子供(本来彼らは大人の年齢ですが)を無理やり連れてくるのは止めて欲しい。お金を払って見に来ている周りの客に迷惑。学校関係者及びバレエ団は一考して欲しい。
しっかし最近の若い子はみんなこんなに幼いのかねぇ、顔色も大変悪いし。日本の未来は暗いかも。
(★評価は山本さん分★ふたつオマケ。)
* 五反田ゆうぽうと *
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