平尾台(福岡県)野鳥観察記
2003年6月26日
北九州で開かれた学会の翌日に友人らとカルスト地形で有名な平尾台へ行ってきました。
メンバーは生態学屋さんばかりなので、私のバードウオッチングのほか、道すがら植物も観察しながら歩きました。
当日はJR小倉駅から西鉄バスで中谷車庫まで行き、そこから平尾台観光タクシーが運行している乗合タクシー「カルスト号」で平尾台へ行きました。
以前は中谷から平尾分校行きの西鉄バスがあったそうですが2003年3月末で廃線となり、代わりに中谷発、JR石原町駅経由の乗合タクシーが運行しているそうです。しかしこのタクシーは
週末は結構本数があるようですが平日は往復2本ずつのみの運行と大変不便です。しかしタクシーの定員ちょうどの4名が集まれば臨時便を出してくれて、中谷−平尾台間の片道を1人500円で行ってくれます。
ちなみに今回の帰りは茶ヶ床園地までタクシーを呼んで、JR石原町駅まで約20分乗って運賃は1台約2000円でした。
さて本題の平尾台での野鳥観察ですが、平尾台に着いた時は深い霧の中。まずは平尾台自然観察センターで展示を見たり地図を入手してルート決め。
センターから出た頃には霧も晴れ始め、草原の中に孤立林が点在するカルスト台地の緩やかな丘陵地帯を歩いてまずは千仏鍾乳洞へ向かいました。
草原ではあちらこちらでホオジロやホオアカ、セッカがさえずっていました。孤立林ではシジュウカラがさえずっていました。
シジュウカラの住める孤立林の最小サイズの研究をここでしたら面白そうです。千仏鍾乳洞近くの谷は林が主となっており、キビタキもさえずっていました。
千仏鍾乳洞は長さ数百メートルの鍾乳洞。浅い冷たい流れの中をサンダル履きで奥へと進んでいきます。
鍾乳洞内の蛍光灯の明かりの周辺にはコケやヤブソテツ(シダ)の貧弱なのがしぶとく生えていました。
途中カエルも1匹みかけましたがどうやって生きているのでしょうか。
さてこの鍾乳洞、最奥部までは行かせてもらえず途中で引き返すことになるのですが、明かりの最終地点は何か仏像があるということも特になく中途半端な終わり方な上に、この直前に狭いところを潜らせてズボンのすそを水に濡らさせるというやっかいなコースでした。
鍾乳洞で冷え切った体を売店のうどんで温め、ふたたび草原の中を歩き、茶ヶ床園地や羊群原のまわりました。ところどころ深いドリーネ(窪み)なども見られ、そのドリーネの中に樹林ができているのが印象的でした。
おそらくドリーネの中は風の影響が少ないなどの理由があるのでしょう。草原ではカキランやオカトラノオ、林ではクマノミズキの花が咲いていました。
平尾台で確認した鳥類は以下の通り。結構楽しめました。
トビ、キジ、カッコウ、ホトトギス、ヒバリ、ツバメ、ヒヨドリ、キビタキ、ウグイス、
セッカ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、ホオアカ、
ハシブトガラス(計16種)