難物と言われた、440LX FSB66 の初期モデル、PC-MA33D/CZAAA42 のアップグレード記
セレロン1.4GHzとPL-iP3/Tを入れたMA33D/C
2002.6.22
CPU Pentium2-333MHz、チップセット 440LXでFSB66MHzというのが、このマシンの主なスペックです。440LXと聞いただけで、もうダメだな・・・と思われてしまいそうなマシンです(^^;) 事実、セレロンを認識せず、挿しても上手く起動すらしないという難物です。ひょんなことで、この難物のオーナーになってしまいました、使う限りはいじってみようということでアップグレードの始まりです。
mate-NX専用CPUアクセラレータ(IO-DATA PK2A667NX)を買う、が・・・
まず、最初のトライは、mate-NX専用CPUアクセラレータを買うことから始まりました。専用品じゃあ、動いて当然、つまらんではないか! と言われそうですが、実は動きませんでした(笑) よくよく箱書きを読むと、MA33D/Mは対応するけど、MA33D/Cは未対応です! なんじゃこりゃ・・・ そこから冒険が始まりました。
アクセラレータを入れると、起動はするが、途中から異様に速度が遅くなります。Windowsが立ち上がるのに10倍くらいの時間がかかるし、立ち上がってもマトモに動きません。なんで、こんな症状になるのかは不明でしたが、BIOSがCPUを認識せずに、こうなってしまうのは容易に想像が付きます。ちなみに、BIOSは、Pentium
PRO 400MHzだと思っているようです(笑) ちなみに、専用アクセラレータだけでなく、セレロン1400+ゲタの組み合わせでも同じ症状になりました。
調べる! 調べる! 調べる!
なぜ、こんな症状が起きるのか、インターネットで調べてみることにしました。ただ、何処を調べても、MA33D/CはCPU交換ができない、としか書かれていません(^^;)
しかし、メルコのCPUアクセラレータだけは、MA33D/Cにも対応しているのです。うーん、不思議だ! 特定の製品だけ対応していると言うことは、ゲタに何か特殊な機能が付いているのかもしれない!!
ただ、このゲタについて調べても、結局何も分かりません。というか、使っている人がほとんど居ない(笑) 調査は振り出しに戻ります。
440LXについて調べる
調べるネタ不足なので、こんどは初心に戻り、440LXについて調べてみることにしました。ことによると、440LXがセレロンを嫌いなのかもしれないし・・・ で、調べていくうちに、440LXでもセレロンは使えるが、その当時のマザーボードはセレロン登場以前の物が多く、さらには、440BXへと時代が流れたせいもあって、サポートがうち切りになっている製品が多いこと、このため、440LX使用のマザーにのったBIOSが、セレロンを認識できないケースが多いことが分かりました。つまり、440LXが悪いわけでは無いようです。BIOSが悪いなら書き換えれば良いでは無いか? でも、MA33D/Cも例にもれず、サポートはうち切られ、セレロンを認識できるBIOSはリリースされていません・・・
BIOSが古いとキャッシュメモリの初期化に失敗する
さらに調べを勧めていくと、BIOSが古くCPUを認識できないと、CPUのキャッシュメモリコントローラの初期化に失敗し、キャッシュが無効になったりハングアップすることが分かりました。そう、セレロンを入れると、起動時間がむちゃくちゃ遅くなっていたのは、キャッシュがONになっていなかったからです! また、ハングアップするなら、BIOSでキャッシュメモリをOFFにしてしまえば、そんなことも無くなるということです。さらに都合が良いことに、メルコのmate-NX専用アクセラレータに付属しているキャッシュコントローラはインターネットで公開されていて、自由にダウンロードができるのです! うん、これで道が開けました!!
目下、IO-DATA PK-P2A667NXで常用中
いよいよ本題です。まず、搭載するCPUを用意しましょう。選択の基準は、コア電圧が2.0Vであること、FSB66MHzであること、SLOT1であることです。もちろんCPUゲタでも構いませんし、それならカッパーマインやTualatinでもOKです。FSB100や133のCPUでも66MHzで動くだけなので使えなくはありません、今回交換するCPUには、間違えて買った、IO-DATA PK-P2A667NXを使いましたが、きっと条件に合えば何でも良いでしょう。 次に、メルコのサイトでキャッシュコントローラを取ってきましょう。(http://buffalo.melcoinc.co.jp/download/driver/cpu/hp6.html) キャッシュコントローラのインストールは、CPU交換前に行います。ついでに、BIOSセットアップで、キャッシュメモリをOFFにしておくと安心です。 キャッシュコントローラをインストールすると、起動時にメルコのロゴが表示されるので、上手くインストールされたことが確認できます。 BIOSセットアップは、マシンの電源ON後、NECのロゴが表示されている間に「F2」キーを押すと入れます。 おもむろにCPUを交換してから、電源を入れます。キャッシュOFFのせいか、起動には少し時間がかかりますが、HDDを読み始めるようになると、キャッシュコントローラが効いて通常速度に戻ります。上手く立ち上がれば大成功です!! ちなみに、Windows98系のOSにしか対応していないようで、Windows2000はダメだそうです。 |
セレロン1.4GHzとPL−iP3/Tでも試してみる セレロン1.4GHzはFSB100のTualatinコアです。ゲタを使うので電圧は問題ありませんが、FSBが66でないCPUでも使えます。ただし、1.4GHzにはならず、66MHz×14=933MHzになってしまいます。FSB66のCPUで最も高速なのは、セレロン766MHzですが、FSB100のCPUを流用すれば800MHzを越えられるわけです。440LXはFSB100の信号があっても、それを無視して66MHzで動くので、CPUゲタをFSB66に設定する必要もありません。CPUを新品で買うなら、C766もC1300も大差ないようです、ただ、C1400は目下の処、ちょっとだけ高めなようですが・・・ ちなみに、C1400はもったいないので、常用はC667です(^^;)
|
結果は?
というわけで、HDBENCHの結果を乗せておきましょう。上の段から、C1400、C667、C400、P2-333(純正)です。クロックの上昇分通り、演算速度は3倍に、全体評価値は1.6倍になりました。でも、ビデオやHDDの速度は変わりません。体感速度的には、するすると速くなった感じです。ビデオやHDDはそのままですので、プログラムの起動なんかは大差ありません。でも、入出力を伴わない演算は速くなります。キビキビはしないけど、するすると速くなりました(笑)
純正HDDは4GBでATA33対応されたものが使われています。内部速度が遅いので、あまり転送速度は速くありません。最新の物に替えれば結構速くなるはずです。できれば、ATA100カードなんか入れれば、ベンチマーク的には激変すると思います。プログラムの起動もキビキビしてくるかもしれません。
でも、FSBが66MHz以上に上がりませんので、限界は見えています。なるべくお金を掛けずにアップグレードしてください(笑)
CPU | (MHz) | ALL | Integer | Float | MemoryR | MemoryW | MemoryRW | DirectDraw | Rectangle | Text | Ellipse | BitBlt | Read | Write | Copy |
C1400 | 933 | 9397 | 37313 | 39210 | 10389 | 7312 | 12791 | 4 | 10953 | 14723 | 6135 | 8 | 4912 | 4147 | 1453 |
C667 | 667 | 7858 | 26635 | 27987 | 8953 | 7315 | 12077 | 3 | 10104 | 12774 | 5493 | 6 | 4860 | 4177 | 2026 |
C400 | 400 | 6179 | 15957 | 16768 | 7721 | 7821 | 10529 | 3 | 9763 | 11785 | 4872 | 6 | 4460 | 4125 | 1770 |
P2-333 | 333 | 5736 | 13283 | 13960 | 5731 | 6698 | 7778 | 4 | 10343 | 11940 | 4672 | 8 | 4420 | 4378 | 2261 |