整形外科に関連したちょっと役に立つ医学コラムを掲載していきます
腰痛について
ほとんどのみなさまに腰痛の経験があるのではないでしょうか。
「人間が二本の足で歩行をするようになった宿命だ」と説く方もいらっしゃいます。

宿命かどうかはさておき、腰痛は大きく分けて
●「骨格に原因がある腰痛」
●「内臓に原因がある腰痛」に分かれます。
このうち整形外科では「骨格に原因がある腰痛」を治療します。
患者様の腰痛の原因がどちらか、まずそれを判断します。
「内臓に原因がある腰痛」が疑わしいときは、それぞれの疾患に応じて最適な科を紹介します。
「骨格に原因がある腰痛」と判断したときは、次にその疾患の鑑別をおこないます。
当院ではまずレントゲン撮影をして腰椎に異常がないかどうかを調べます。

レントゲン写真から腰椎の変形があれば変形性脊椎症でしょうし、上下の背骨の間にある椎間板の隙間が狭くなっているときは椎間板ヘルニアを疑います。ヘルニアとは椎間板の中にある組織が外に出てきて主に神経を圧迫する病気です。
一般的にはこの時、坐骨神経痛を合併する事が多く、腰痛以外に臀部から下肢後面にかけての放散痛があるのが特徴です。
また骨粗鬆症が原因で腰痛になる事もあります。
もちろんレントゲン写真で異常のないタイプの方も多く、この時は筋肉が原因で腰痛をきたしていることが多いです。

こうして疾患の鑑別をおこなった上で腰痛の治療をおこないます。
激しい腰痛も一般的には安静を取る事によって改善します。
これが「骨格に原因がある腰痛」の特徴です。
ただし忙しい現代社会で生活する方々にとって、ただいたずらに時間をかけて安静を取り続けるわけにも行かず、少しでも早く痛みを和らげなければなりません。
歩くのも困難な痛みの場合は注射をする事もありますが、基本的には投薬とリハビリを中心に治療いたします。

患者様個々の病状によって対応する事を心掛けておりますので、急な腰痛がおこって辛いときはもちろん、慢性の腰痛がなかなか改善しないときは是非一度受診されることをお勧めいたします。
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