整形外科に関連したちょっと役に立つ医学コラムを掲載していきます
モルトン病
長い距離を歩いた後やスポーツの後などに足の第3趾と第4趾の間のやや踵よりの部分が激しく痛むことがあります。
レントゲンを撮っても異常がなく、「年齢によるものだろう」と云われ特別な治療を受ける事なく放置される事もあります。

これは「モルトン病」と呼ばれており、第3趾と第4趾の間の神経腫(しんけいしゅ)が原因です。
神経腫というのは、本当の腫瘍ではありません。趾先に行く足の裏の神経が、靭帯に圧迫されて変形して腫れて発生する”偽神経腫”というものです。

足先への過度の荷重が発症の原因とされています。ハイヒールのような幅の狭い靴や底が薄くて硬い靴を履くことが多い人や、硬い床の上での運動やダンスなどをする人は注意が必要です。

治療は、最初は消炎鎮痛剤や湿布、塗り薬を使ったり、温熱療法などのリハビリをおこないます。
それでも改善しない時は、足先への荷重を減らすようにします。
具体的には除圧用の中敷き(アーチサポート)などの装具療法を試みます。
この時、患者さんの足の裏の形にあった装具を作製することが大切です。

それでも効果が無い場合や、神経腫のかたまりが触れる様な時は、かたまりの部分にステロイドの注射を行います。

ただし、いったん神経腫ができてしまうと、こうした保存療法ではなかなか難治性です。日常生活に支障を来たすような痛みが続くようなら手術をして神経腫を切除する事もあります。

しかし神経腫を切除しても完治しない重症型もあるので、神経腫の状態にしないことが肝心です。
この内容は7月17日AM7:50よりAM神戸「みんなの健康相談」で放送されました。
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