整形外科に関連したちょっと役に立つ医学コラムを掲載していきます
変形性膝関節症とは
機械も動かし続けているうちに磨耗してきます。
人間の体にも同じような現象がおこることがあります。
膝の関節は、体重のかかる下肢の関節であることと、その構造が蝶番のようになっていて安定性を欠くことから磨耗することの多い関節です。

実際の病態は、加齢と共に膝が内反(いわゆるO脚)変形を来たす事によって、内側の軟骨が磨り減るのが主体です。
軟骨が磨り減ってくると、炎症がおこり、膝の痛みや水腫をきたし、その結果として歩行障害や関節の動きが制限されてきます。

このような状態を放置していると、徐々に悪化していって、ますます変形が強くなり、膝の関節自体が固まってしまい、歩行が出来なくなる事もあります。

変形性膝関節症は、レントゲン写真を撮って、膝の軟骨の隙間を調べることによって、比較的簡単に診断できます。

年齢による変化だからとあきらめずに適切な治療を受ける必要があります。
少し磨耗してきただけの時期なら、適切なリハビリをすることによって症状が改善する可能性が十分あります。
特に大腿四頭筋(太ももの前方の筋肉)をトレーニングすることによって病状の進行を予防できます。

残念ながら少し進行して軟骨が半分以上磨り減った場合には、機械に油をさすように、膝の関節の中にヒアルロン酸というお薬を注射すると症状が改善し、将来の磨耗の進行を予防する事が出来ます。

加齢による症状だからと決して放置せずに、一度専門医を受診される事をおすすめします。
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