整形外科に関連したちょっと役に立つ医学コラムを掲載していきます
「ばね指」ってなんだ
「ばね指」という病気をご存知でしょうか。

両手のどの指にも発症する事がありますが、圧倒的に母指(親指)におこります。
指を屈伸する度に痛みが出現したり、引っ掛かりを感じたりするようになります。
この時の具合がちょうど指の中に「ばね」があるような感じになるので、そう呼ばれています。
症状が進行すると、指を曲げた位置で動かなくなり、にっちもさっちもいかなくなる場合があります。

これは指を曲げる腱(屈筋腱)を固定しているバンド(腱鞘といいます)がちょうどトンネルのようになっていて、その中を屈筋腱が通過する際にこすれて炎症を起こすのが原因です。

狭いトンネルの中を炎症をおこして腫れて太くなった腱が通過する際に引っかかるわけです。
ひどくなるとトンネルを通過した腱の腫れた部分が元に戻れなくなり、指が固定されてしまうのです。

治療方法は、指が少し引っかかる程度の場合は、消炎鎮痛剤を含む外用剤やリハビリで治まります。
それでも症状が改善しない場合や、ロッキングをおこす時は、先ほどのトンネルの部分にステロイドを含むブロック注射をおこなうのが効果的です。

それでも改善しない場合は、トンネルを広げる手術をすることがあります。
手術は比較的簡単で外来で十分におこなうことが出来ますが、再発を防止するためにも十分な設備のある病院での治療をお勧めします。
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