オーディオの道を考えてみる:
我が家のオーディオシステムの
構成全体
について、下流から上流に向かって「良かれと思う」一連の施策、対応をずっと続けてきた。ベリ三兄弟を中核とする4wayマルチアンプシステムを紆余曲折ながらどうにかこうにか構成し終え、近いところではデジチャン更新、古いところではマルチチャネルアッテネータの導入やコネクトケーブルのSolid Silver化などなど、、、
ここ最近では上流に関して、宅内LAN配線見直しを含むネットワーク環境のブラッシュアップやらストリーミングプロセッサの導入など、考えられるレベルでの手当ては終了した。EMC対策やらデジタルケーブルの吟味やらも一応の結果が伴って、良しと思えるところまでは来た。
これをもって自分のオーディオの道の探求が終わったことには決してなってはいないのだが、この先のステップについてどう進めて行くべきか迷いがある。オーディオの姿、あり方について、今後は更に何を求めていくのか。その根源的な問いとして。
ずっと足掻き続けてきたことが、「良い音楽を心地良く聴く」ことに尽きるのならば、少なくとも自己満足の世界には到達できたようにも思うのだ。しかしながら、この先の更なる究極? 到達できない理想? 胸が締め付けられ、目頭が熱くなるような音楽をいつも聴いていたいという夢? を追っていくべきなのだろうか。そこに何となく逡巡する想いが生じているのは否定しきれない。
また、音を追い求めれば自然の結果としてそれなりの投資も必要となる。投下費用に対する価値観はおそらく人それぞれであろうし、高価であっても導入しなければならない機器もある。一方で素晴らしい機器だと思うけれどモノの価値として相容れないものは自分で購う気持ちにはなれない。そのような中から取捨選択を行って最終的に導入するものを決めることになる。オーディオファイルであれば誰しも同じような葛藤?のプロセスを踏むのではないだろうか。
(高価な)良い機器を持つことによって人の羨望を集めたい訳ではないし、良き音を誇りたい訳でもない。義務感的に頑張って音の向上を図り、それをこのブログで語っていく必要もない。オーディオは本来自分自身のためだけに存在しているもの、というポリシーが根底にある。
世のオーディオ情報を咀嚼して、自分にとって本当に意義のある施策を取り入れていかねばならない。風評や宣伝であっても時に当を得ていることもあるけれど、鵜呑み、追随では自分としての成長はできない。実聴しての評価、吟味が不可欠であると強く思っている。
現状の我がオーディオの音を鑑みれば、まだまだ伸び代はあると思う。だが、それを実現していくのはそんなに簡単なことではないだろう。絶対評価として積み増していかねばならないからだ。単なる環境の変化や機器の相対比較に落ち込んでしまえば、真の向上には至らない。そこを冷静に判断していく必要があると認識している。
大キレットから臨む槍ヶ岳:(頂きへの道は遠くとも見えてさえいれば力づけられる)
永らく歩き続けてきたこのオーディオの道も、振り返ることは出来るけれど、今に至るも頂きを仰ぎ見ることは出来ない。未だ頂上は見えていない。見えているのはただ足元であり、せいぜい次の一歩か二歩。その先は依然として雲に隠れているのだ。従って、やるべきことは無限にあるのだろうけれど、やりたいことの選択肢が余る程ある、という状態にはなっていない。
今ここで聴いている音楽に関して、オーディオ的に自己評価すれば、掛値無しにこれで充分、、、そういう想いを感じることはできている。大事なのは音楽、音源であるので現状を妥協とは呼びたくないし音楽を聴く幸せは既にここにある。「この先」の世界もきっとあるのかもしれないけれど、それを求めるならこの先はまた遠い道にもなるだろう、、、ここまで来たのだから見果てぬ夢は見続けたいとも思う。若き日に好きだった懐かしい曲の歌詞が自ずと浮かんでくる。
「君の行く道は果てしなく遠い。だのに何故何を探して君は行くのか、、、」
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