デジタルトランスポートの要求仕様:
このところオーディオに対する向き合い方が変化しているようにも思う。アナログディスクに続きCDも断捨離してしまったこととも関連するかもしれない。実際にはオーディオ全体というよりも「音源選曲のあり方」について、と云う方が正確だと思うが、自分でもやはりそうだよな~、と思うくらいに音楽の管理に係わる利便性へのこだわりが強くなってきている。
「より良い音」への希求は変わっていないとも思うのだが、音源ならびに最上流の送り出し機器について、音そのもの以外の部分でストリーミングへの対応範囲、また先に
記載
したようなストリーミング音源を自分の音楽ライブラリーと同等に仕立てる部分について、どれだけの機能(=使い勝手)が備わっているか、というソフトウエア的な部分が、自分にとって快適かどうかの判断要素の高い比重を占める。
物理的な音源をほぼ排してしまった現状においては、自分なりの「仮想的な音楽ライブラリ」をストリーミングの世界で築かねばならない。だから、如何に自在にストリーミングから聴きたいと思う音源を取り出せるか、あるいはお気に入りの音源を忘れてしまわないようにどれだけ自分のライブラリ相当としてストックできておけるか、そこが大きなポイントとなる。そしてそれは、どのサブスクのストリーミングであるか、自分のリッピング音源であるかどうか、などその所在をいちいち気にしないで済むようにしたい。
比較的長時間、音楽を流しっぱなしにして聴く時は、お気に入りのプレイリストを選択する。選択上の大項目は概ねジャンル別であるが、アーチスト単位であったり、演奏スタイル(例えば、弦楽四重奏のみ)というようにさらに細分化もしている。ここで、重要なのは、このプレイリスト上の音源トラックは密林、Qobuz、自分のリッピング音源のいずれでも良い訳で、これをシャッフルして再生させることも多い。また、アーティストでまとめる場合も同様で、どのストリーミングであるか、自分のライブラリにあるものかどうかは問わない。
ストリーミング中心で益々このような聴き方となってきている現状なのでその実態をベースに、改めて自分が望むようなデジタルトランスポートの要求仕様を考えてみた。これらを機能として実現できているものが、つまりは自分にとっての究極? あるいは理想のデジタルトランスポートとなってくれるはずである。
1.必須:ストリーミングや自分のライブラリを横断したプレイリスト、ライブラリの管理ができること。
2.優先:プレイリストを含むライブラリの管理(コピー、追加更新などの編集)が自在に直感的にできること。
3.優先:気に入った音源があった時に、瞬時にプレイリストにそのトラックあるいはアルバムが追加登録ができること。
4.優先:単体機器として完結していること。(注記)
5.優先:ストリーミングサービスを横断した音源検索ができること。
(注記)NASやサーバーなどの音源用の別機器を必要とせず、単体でリッピングおよびダウンロード音源を保持できること。リクロックするための機器やマスタークロックなどの付帯装置を極力必要としないこと。要は一台の機器のみで、上質なデジタル出力が担保出来ていること(当方の構成上の理由もあって、DAC機能は不可欠ではない)。
改めて書き出してみると、ハードウエア的な要件は4.のみで、それ以外はソフトウエア上の要件である。つまるところ、音云々は4.のハードウエア仕様にも依存するところが大きいと思うのだが、望む「本質」はそこにはないとも考えられる。かっての自分がそうであったのかもしれないが、多少不便なアナログ再生でも音が良ければ正義、という考え方は(オーディオファイルにはあるまじきことかもしれないが)最早当方には無い、、、とまでは云い切れないが相当薄れてきていることは間違いない。
今後のことをつらつら考えると、必ずしも複数のストリーミングサービスを使い続けることはないかも、という選択肢もあるので、密林、Qobuzのミックスは必須とは云えないかもしれないが、自分のライブラリ音源との横断管理(含む横断検索)はどうしても必須だと考える。ネット上にある無限に近いものを、如何に自分の手の内に展開し、コントロールするのか、という(欲張りな)観点と云えば良いのだろうか。
この観点で、今あるネットワークストリーマ機器を眺めてみようと思ったのだが、自分で使っていないものは、そこまで出来るのか、出来ないのか、製品案内その他から窺い知る事は難しい。確認したいと思うような項目の記載はまずないのだ。ネット上の記事やユーザーのブログを検索してもやはり操作性に関して踏み込んで評価、記載したものにはほぼお目にかかれない。浅学にして自分で使ったことのある機器はそれほど多くないので、纏まった採点リストが作れないことに改めて気付いた次第でもある。
(注記)上記の要求仕様の一部について個別に可能(あるいはほぼ満たしていると思われる)なものがあることは判っているが、全体としての機能の充足度まで把握し切れていない。
となると、現実的な観点では、触れる機器であれば販売店に出向くなり、あるいはソフトウエアであれば改めてこの観点でのテストをするなりして、実践の上でのキャッチアップをしなければ、、、との思いにも至る。
逆に云えば、これはこれで、また面白くもあり、興味深い探求になるだろうか。ハードウエア的な性能(二アーイコール音の良さ)は差し置いても、この音源管理的な側面のソフトウエア機能を優先事項として整理してみたいと思う。もしかしたら、この要求仕様を概ねでも満たしてくれるような機器は未だ無いのかもしれない。だが、現状のBluOSでできること、Roonでできること、Eversoloが実現しているハードウエア構成、そしておそらくはTaktinaが実現していること?(把握できていないことが多い)を足し合わせれば、かなり理想に近づくとも想定できるので、全くの夢物語ということでもないはず。今後新たに登場してくる機器に期待するという手もある。その時に、自分の評価尺度をしっかりと持っておけば良いことにもなる。
音の良さを求めることもまた見失ってはいけない視点なのだが、そのために機器が増え、複雑な構成になってしまうことは自分としては本来望むものではない。やはり「Simple is the best.」一台で完結でき、機能も網羅されていることが「究極のデジタルトランスポート」なのだとも思える。
4way構成の-12dB/oct設定値(2023年11月15日)
項目 |
帯域 |
備考 |
Low |
Mid-Low |
Mid-High |
High |
使用スピーカー ユニット |
- |
Sony SUP-L11 |
(Experimental) BeW-16 |
Bliesma M74B-6 |
Scan Speak D2908 |
- |
能率 能率(90dB基準相対差) |
dB |
97.0 (+7.0) |
87.5 (-2.5) |
97.0 (+7.0) |
92.0 (+2.0) |
|
DF-65の 出力設定 |
dB |
+1.2 |
+0.7 |
+2.7 |
+4.7 |
|
マスターボリューム アッテネーション |
dB |
-9.0 |
-2.0 |
-3.0 |
-0.0 |
|
パワーアンプでの GAIN調整 |
dB |
0 |
0 |
-12.0 |
-12.0 |
|
スピーカーの 想定出力レベル |
dB |
89.2 |
86.2 |
84.7 |
84.7 |
|
クロスオーバー 周波数 |
Hz |
~ 160 |
160 ~ 900 |
900 ~ 4000 |
5000 ~ |
High Pass ~ Low Pass |
スロープ特性 設定 |
dB/oct |
flat-12 |
12-12 |
12-24 |
24-flat |
|
DF-65 DELAY 設定 |
cm |
-7.0 |
+22.0 |
+20.0 |
+25.0 |
相対位置と 測定ベース |
極性 |
- |
Norm |
Rev |
Norm |
Norm |
|
DF-65 DELAY COMP (Delay自動補正) |
- |
ON |
自動補正する |
DF-65デジタル出力 (Full Level保護) |
- |
OFF |
保護しない |
|