オーディオ日記 第50章 幸せのひと時(その15)2020年11月2日


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感性の器:

改めてオーディオにおける音を決める要素とは一体何なのか、堂々巡りをしている。スピーカーに関しては周波数特性、指向特性、位相特性、能率、そしてインパルスレスポンス特性などなど、、、しかし物理的なファクターに依らない何らかのメジャメントも必要かもしれないと考えてしまうのだ。音の良し悪し、というものに対しては何か別の次元の評価軸がないと客観的に把握することが難しいと感じる。現状では選別された音源をベースに出てきた音に対して自分の感性(更には感覚的な言葉を加えて)で判断するしかない。

ユニットメーカーあるいはスピーカーメーカーは音を仕上げるに際して、各種の測定は当然としてもその後の微妙なところについては、どのような仕掛け、あるいは仕組みで行っているものなのか再度興味も湧いてくる。リスニングによる微調整もあるだろうということは推測できるが、さてその評価とフィードバックの手法はどのようになっているのだろうか。

システム全体の構成や部屋の関与度合も大きいのだが、それでも(我が家でも)ユニットの違いによる音の差は歴然としてあり、それを単なる物理特性の違い、と云い切って良いのか自信が持てない。おそらくは設計、製作する側にも何らかの音の良さを決めるもの(それが感覚値であっても)があるのではないだろうか。そしてそれは人(あるいは特定の個人?)によって為されているものなのだろうか。

世には多くの伝説的なとも云えるユニットの設計者あるいはスピーカーシステムの製作者がいて、個人として語られることも多い。結局はそのような人々の「感性の器」によって吟味され、生み出されているものなのだろうか。

オーディオの多くの部分は物理特性もあるがやはり感性でしか語れない部分があることは認めざるを得ない。だが、この感性の器の大きさが自分には一体どれくらいあるのか分からない。到達点としての音の良さへと導くものは結局は自分自身のこの感性に依ってしまうものなのか、、、

さてさて、いつも通りの禅問答など脇に置いといて、ユニットの高さを変えて試してみようとなったら、あれもこれもやって見なくては。暫定的な高さ変更(かさ上げによる)では案外と良かったので、まずはスタンドの高さを50㎝から70㎝に変更してみる(Accutonのユニットはどける)。

スタンドを変えてみた:(スタンドの高さ70㎝)
SB Acoustics MW16TX SB Acoustics MW16TX

音の印象は若干なりとも音の密度間が高まるという 前回 の暫定的なテストと当たり前であるがほぼ変わらない。だが、見た目の不安定感が思った以上にあってこれは望ましくない。もし将来的に16㎝から19㎝のユニットへ交換するとなれば、多少エンクロージャのサイズアップも有り得ることから、さらにこの不安定感が増してしまうだろう、、、、むむむ、である。

そこで、スタンドは50㎝に戻して、今度はFPSをミッドローとする構成(ミッドハイはホーンドライバ)に変えてみた。この配置ではCarbon Texremeの音とFPSの音の差異がより明確になるように思える。もちろんタイムアライメントをしっかり調整し、周波数特性的にも大きな変化は測定上見られないにも関わらず。総合的に見ればFPSはしなやかで柔らかい。Carbon Textremeは明晰で音が濃い。その上で共にホーンドライバーとの連携も決して悪くなく、密度感のある音楽を聴かせてくれる。

FPSでも同じように:(スタンドの高さ50㎝)
SB Acoustics MW16TX SB Acoustics MW16TX

勝ち抜き合戦でも競争でもないので、それぞれの音を楽しめば良いんだろうなとは思う。そう考えると、やはりスタンドから交換(これは位置調整を含めてかなり面倒)しないといけなくなる構成よりも50㎝のスタンドでミッドハイについてはAccuton C51とSony SUP-T11との接続変更で済む配置が楽チンであろう。また、FPSを聴く場合にはユニットの載せ換えなのでまぁまぁ手間は掛からずにできる。

結局はオリジナルの配置に:(スタンドの高さ50㎝)
SB Acoustics MW16TX

ユニットをとっかえひっかえして聴くというのは本来趣旨ではないし、別段それが楽しいという訳ではないが、歴然と音の違いがある以上それぞれを煮詰めて行きたくなるのは仕方のないことなのかもしれない。だが、このCarbon Texremeミッドローとホーンドライバーの組み合わせ、我が家では出色の出来栄えでもあり、音楽の躍動感が何とも楽しい。暫くはこれを聴き続けることになるだろう。


                 4way MW16TX構成の設定暫定値(2020年11月2日更新)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
SB Acoustics
MW16TX
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
能率
能率(90dB基準相対差)
dB 97.0 (+7.0) 87.5 (-2.5) 110.0 (+20.0) 93.0 (+3.0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +0.0 +0.0 -11.0 +6.0
マスターボリューム
アッテネーション
dB -9.0 -3.0 -3.0 -5.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0 0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 88.0 84.5 84.0 82.0
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

160
160

900
900

3150
4000

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-24 24-24 24-18 24-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm 0.0 +35.0 -35.0 +25.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Rev Norm Norm  
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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