妄想は続くよ、どこまでも
密林音楽と蒼い音(Bluesound Node 2i)によって楽曲の選択やらリスニングスタイルに変化が起き、どうやらそれが今後は既定の路線となりそうである。音源は多彩、大量過ぎて聴きたい曲は次々リストアップされるのだが、正直なところとても聴いている時間が足りない、追いつかない。
音楽を聴くこと自体は至福であり、またオーディオの目的でもあるのだが、、、
オーディオとしては「これで良いんじゃ?」という思いと「まだまだ!」という感情、思惑が交錯する。確かに音源として考えた場合、自分のライブラリ音源と密林のストリーミングがあれば充分。また、デジタルトランスポートとしてはこのストリーミングを利用する場合、現状他の選択肢が見つからないほど。将来的にはBluOSベースでもう少し物量を投入し一層充実した機器が出てきて欲しいとも思うのだが。
なお、デジタルトランスポートについて考えた場合、Symphonic-MPDも度重なる進化を続けていて、更に二台構成の将来ビジョンもアナウンスされて益々楽しみ。我が家に於いては現状双璧を為していると云って良いだろう。自分のライブラリ音源を気合を入れて聴きたい時は、やはりこちらに傾くことにもなる。
オーディオとして最上流となるデジタルトランスポートについては、一旦はこのふたつの構成で良しとしてこれからの動きや経過を見守ろうと思う。だが、しかし、その他の部分についてはまだまだやってみたいことも多いし、頭の中は妄想に溢れている。(問題は財力と気力?)
いろいろなスピーカーユニットを研究、吟味し、それをベースに現状の4way構成を組み上げてきたのだが、世の中には本当に魅力的なユニットが多い。元々市販のスピーカーシステムを使うことよりもユニット自体に惚れ込んでしまう、というタイプなのかも。従って、この領域ではアンテナを張ってこれはというユニットの情報集めはちょこちょことしてきた。上流への対応がひとまず一段落となれば、次はこちらの起動か、、、、
スピーカーユニットというものは単体でその能力を把握することは案外と難しく、実際に聴いてみるまでは特性や素材だけでその優劣は語れないもの。一方でスピーカーユニット自体が放つオーラというようなものがあって、ふとそれに触れた時にチャレンジする意欲も俄然沸いてくる。もちろん、最新のテクノロジーに裏打ちされた振動板自体が魅力となることもあり、ユニットの姿、形、佇まいという外観にも魅力の一端は宿る。(この辺りは一般的にオーディオ機器に感じる魅力とそう変わらないものとも思う)
今回は16cm級のミッドバスユニットについて、具体的にあれこれと考えてみたく(妄想してみたく?)なった。もちろん、4way構成における中低域用のユニットとしてであるが、使い方によっては2way構成の低域用としても使えるものを念頭に置いている。(密林音楽をBGM的に聴き流す場合は、コンパクトに2wayでも良いのかな~という発想も最近はやや強くあるため)
16cm級ユニットの振動板素材にはそれこそ多種多様なものがあるのだが、素材と音とは必ずしも一致しないし、古典的な紙コーンの音の良さには捨てがたいものがあるので、新素材を訴求したようなユニットの実力はそれだけでは判らない。最近は日本のスピーカーユニットが注目を浴びるような事はないが、ベリリゥム、ボロンやカーボンであったり、ハニカム構造であったり、元気だった?頃の国産オーディオメーカーの遺産も現状は海外から形を変えて登場している。素材として考えれば、軽量、高強度、内部損失という観点からベリリゥムやダイアモンドが最有力なのであるが、製造難易度、製造原価という難題もあるものと思う。
Paradigmの16cm級ベリリゥムユニットは是非とも使ってみたいものなのだが、ユニット単体としては手に入らない。ダイアモンドもこのサイズでは製品が無い(あったとしても買えないと思うが)。複合的な素材の組み合わせというものも現状ままある。MAGICOが最新の
M9
や
A5
に搭載を始めたアルミハニカムにナノグラフェンという構成にも大いに興味をそそる(こちらもユニットとしては手に入らない)。また、Focalの6WM(ターゲットはカーステ用)というユニットのユニークさ、美しさには惹かれるものがあるし、実際に音を聴いて導入を強く意識してしまったこともある。
Paradigmのベリリゥムユニット:外観は至極武骨である
Focal 6WM:構造はCELLタイプと思われ美的センスに溢れている。
ペーパーコーンのユニットとしてScanspeakのユニットの音の素晴らしさは捨て難くて順当なのだが、逆にあまり使用例の無い(情報の少ない)ユニットでも何らかの魅力を感じるものであれば使ってみたくなる。そんな中で自分的に急浮上してきたのだがTextreme(テキストリーム)というカーボン素材。カーボン素材としては既にMOREL TSCM634も評価が高いユニットなのだが、より軽量化されたものだという。
Scanspeak Ellipticor:独特のマグネット配置には理論に基づく説得力が
MOREL TSCM634:いかにもカーボン素材らしい振動板が強い印象を
昔懐かしい元素周期(すいへいりーべぼくのふね、、、)を鑑みてみれば、軽さの順にベリリゥム、ボロン、炭素(カーボン、ダイアモンド)であり、振動板素材としては剛性もあわせ持つベリリゥムが最適のようにはやはり思うのだが、無いものねだりをしても仕方がない。ボロンもかってのダイアトーンでは一般的でもあったのだが今はツィータとして搭載されているモデルがあるのみ。そう考えれば、消去法にてカーボンに行き着くのだが、カーボン繊維はそれ単体では振動板としては使うことはできないようで、レジンで固めなければならない。一般論的にはレジンの量が多くなりその分重量は重くなってしまうという欠点を持つ。(ケブラー繊維を織物状にしてレジンを少なくするという工夫がなされたりしているケースもある)
もちろん、振動板素材と音は別物である。だが、このTextremeというカーボン素材を搭載したSB Acousticsのユニットは姿、形も(当方にとっては、であるが)眩しいオーラを放っていてそれが「使ってみて!」という誘惑の声にも聴こえてくる。設計や構造も極めてリーズナブルなもの(そのルーツから考えればScanspeakとの類似性は否定できないのだが)。
SB Acoustics :市松模様に日本的美学が?
一方で忘れてはならない素材としてセラミックがある。Accutonの16cm級ユニットは製品モデルが多く多彩な選択肢があって、特にCELLユニットはその完成度の高さと音の良さは一級品だと思う。ミッドハイに同社の50mmユニット(Accuton C51)を使っているので、常識的に考えればこちらのユニットを選択すべきなんだろうと思う。構造や姿、形もまた極めて魅力的なものであるし。また、ポリプロピレン系の振動板であるがAudio Technologyの存在感にも光るものがあって忘れてはならない。
Accuton CELL:質実剛健さの中に美がある
Audio Technology:これも捨て難い、オーソドックスで玄人好み?
あれこれ書いてはきたが、ユニット選びは理論的なものだけでは行われない。心の中でイメージを描きながら音を想像してみる事は楽しく、何が自分にとっての最終判断条件なのかは正直自分でも良く判らない。インスピレーションを大事にして敢えて冒険したくなるという要素も大事なのかも? かように妄想は果てしない。だが、妄想すること自体もオーディオのもうひとつの面白さでもあることをオーディオファイルであれば否定はし得ないと思う。
4way SUP-T11構成の設定備忘録(2020年6月17日更新)設定値
項目 |
帯域 |
備考 |
Low |
Mid-Low |
Mid-High |
High |
使用スピーカー ユニット |
- |
Sony SUP-L11 |
FPS 2030M3P1R |
Sony SUP-T11 |
Scan Speak D2908 |
- |
スピーカーの 能率(相対差) |
dB |
97 (+4) |
90 (+0) |
110 (+17) |
93 (+0) |
|
DF-65の 出力設定 |
dB |
+0.0 |
+1.2 |
-10.0* |
+4.0 |
|
マスターボリューム アッテネーション |
dB |
-7.0 |
-6.0 |
-3.0 |
-5.0 |
|
パワーアンプでの GAIN調整 |
dB |
0 |
0 |
-12.0 |
-12.0 |
|
スピーカーの 想定出力レベル |
dB |
90.0 |
85.2 |
85.0 |
80.0 |
|
クロスオーバー 周波数 |
Hz |
pass ~ 224 |
180 ~ 800 |
800 ~ 3550 |
4000 ~ pass |
Low Pass ~ High Pass |
スロープ特性 設定 |
dB/oct |
flat-24 |
24-24 |
24-24 |
24-flat |
Low Pass High Pass |
DF-55 DELAY 設定 |
cm |
0.0 |
-30.0 |
+28.5 |
+32.0 |
相対位置と 測定ベース |
極性 |
- |
Norm |
Rev |
Norm |
Norm |
|
DF-55 DELAY COMP (Delay自動補正) |
- |
ON |
自動補正する |
DF-55デジタル出力 (Full Level保護) |
- |
OFF |
保護しない |
|