オーディオ日記 第44章 理想と現実の距離(その11)2019年3月12日


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10MHzマスタークロックの誘惑:MUTEC MC-3+USB(その6)

MUTEC MC-3+USBのリクロッキング効果に気を良くしているのだが、こうなるとMUTEC MC-3+USBに10MHzマスタークロックを入力してみたくなる、というのはやはり避けられない人情かと思う。しかしながら、ことクロックに関しては当方はさしたる知見がない。大分昔にAntelope Isochone OCXを 試した きりでその後の進歩がない。

かってのAntelope Isochrone OCX(上)と EMISUKE EM-DAC 4399 Oct(下) :
Antelope Isochrone OCX & EM-DAC 4399 OCt

(参考)当時のPC Audioを含むデジタルセクションの全体構成図(2011年3月25日時点)
Digital Section Diagram

当時それ以上クロック周りを深く追求しなかったのは、使用していた機器構成にも若干の課題があったものと考えている。Antelope Isochone OCXをワードクロックディストリビューターとして、サンプルレートコンバータ(BEHRINGER SRC2496)、デジタルイコライザ(BEHRINGER DEQ2496)、そしてDAC(EM-DAC 4399 Oct)の3台の機器にクロックを配信するスタイルで、DACの後段はプリアンプ経由アナログのチャネルデバイダーの構成。クロックディストリビューションとして使うことでそれなりの効果を上げていたと思うが、結局CDトランスポートやPCオーディオからのAES/EBUのパスが長すぎることや、個々の機器のクオリティが追い付いていない、自分の音の纏め上げが出来ていないということもあっていつしか使うことを止めてしまっていた。その後デジタルチャンデバへ移行したがDF-55、DF-65ともにクロック入力機能がないこともあって、ここに至るまで忘却の彼方であった。

MUTEC MC-3+USBは高精度の1GHzクロックを搭載しており、この内蔵のクロックを使用してのリクロックでも十分効果は感じれらているのだが、それよりも100分の1も遅い10MHz クロックを敢えて外部入力して、効果があるんだろうか?という気持ちもある。(クロックの位相雑音特性と音との関連は実はよく理解できていない)従って、マスタークロックに関しては「是非試してはみたい」けれど「それほど大きな期待でもない」という謂わば中途半端な心情ではある。そんな曖昧な気持ちの背中をグッと押すように、マスタークロックを使ってみたらどう? と達人よりお貸しいただいた。CYBERSHAFT製のOCXOベースの10MHzクロックである。オーブンコントロールのクリスタル故にまずは一晩暖気して温度がしっかりと一定になるのを待って、おずおずと試聴開始。

CYBERSHARTの10MHzマスタークロック:
CyberShaft Master Clock

外部クロック入力によるリクロックの状態:
CyberShaft Master Clock Test

だが、このマスタークロックの存在意義は「一聴」にして判る。音楽が自然で優しい。そう感じるのだ。奥行?見通し?空間表現?音の芯?具体的にどう表現すれば良いのか言葉で語ることは難しく、それ以上の細かい評価だの、テストだチェックだなど行う気も失せて音楽を堪能してしまう。元々デジタルの再生については何か少し心に引っ掛かりがずっとあったことは事実。どうすれば自然の音に近づき、音楽としてより楽しく聴けるようになるのか、そういう観点からの疑問と拘りである。10MHzクロックを外部入力して、MUTEC MC-3+USBにリクロックさせた音は、そのベースとなっているテクノロジーがどうこうなどすっかり忘れてひたすら音楽だけを楽しめば良いのだと教えてくれる。それだけで十分な効果と云えるかもしれない。

PCオーディオからUSB接続の経路、CDトランスポートからAES/EBUの経路の両方で聴いてみたが受ける印象は同じ傾向にある。ただ音としては我が家の場合やはりPCオーディオからの経路の方が自分には馴染んでもいるのでぴったりとくる。うん、10MHzマスタークロック、素直に欲しいぞ、、、、

厳密な観点から云えば、MUTEC MC-3+USBの外部マスタークロック入力は75Ωで、CYBERSHAFT製マスタークロックは50Ω出力であるので必ずしもベストマッチングではないとも思われる。BNCケーブルについても極力短いものが良さそうなのだが、下記のようなノイズ対策をした1mの長さのものを現状は使用している。この辺りも含めもう少しいろいろと勉強しなければならないだろう。

リングコアとフェライト処理のBNCケーブル:
CyberShaft Master Clock Test


4way構成の設定備忘録(2019年3月8日更新)Accuton C51-6-286対応設定値

項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
FPS
2030M3P1R
Accuton
C51-6-286
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+7) 90 (0) 93 (+3) 93 (+3)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +2.5 +0.7 +1.0 +4.0
 
マスターボリューム
アッテネーション
dB -3.0 -0.0 -3.0 -3.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0.0 0.0 -6.0 -6.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 96.5 90.7 85.0 86.0
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

180
180

1250
1250

4000
4000

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-48 48-24 24-48 48-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm -10.0 -0.0 +2.5 +5.5 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm JPLAY FEMTO
環境下
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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