家元
ビックリハウス萬家元振興会編集のこのコーナーは、1984年5月号から1年間続いた。家元の申告をして自分の流派を勝手に作ってしまおうというもの。申告の心得は以下の4つだった。 一,自分の流派をハッキリと名乗ろう。 一,流派の作法を正しく簡潔にまとめよう。 一,失敗を怖れず、何度でも申告しよう。 一,対抗する流派には、果たし状を添えて戦いを申し込もう。 認定家元には認定状が与えられたが、未熟な申告者には門前払いとして、名前がさらされた。 |
食事道部門 家元:ヘンタイあっちゃん(新潟県・15歳)
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@まづしいたべものを用意する(例たくあん) |
食事道部門 |
回転寿司、それはビンボー学生にとってぜいたく以外なにものでもありません。そこでそれを安値で食する、もしくは無料で食する法を伝授するのが我が流派です。まず店に入ったらできるだけ板前から離れ、かつしょうがを自在に操れる位 置に着きます。そして食べ終わった皿にはしょうがをのせて、またコンベヤーにのせ、知らんぷりします。皿の枚数で料金を算出する回転寿司の盲点をつくところが我が流派の正統性であります。 |
交通道部門 愛の電車乗車道 家元:トルレチのえびフライ(大阪府・21歳) |
先ず、駅に着いて乗車してきた客人に、「ようこそ、近鉄電車奈良線へ。おつかれでっしゃろ。まァ、お座り」と、あたたかい声をかけてあげる。それで相手が怪訝な顔つきを示したならば、自分は関東大震災・太平洋戦争と生き残って、やれやれと思ったのも束の間、今度は共通 一次の受験戦争、でも今度は受かると思ってます。と、わけのわからない身の上話をして、「若いのに苦労人だな、この人なら信用できる」と悟らせ、席につかせて、喜びを感じる。 |
その他の部門 家元:竹森さだとし(長野県・17歳) |
私はこの流派の名前が嫌いだ!なぜビンボーゆすりなのだ。しかし俗世間のものどもにはこの名前を使わないとわからないので、やむをえず使い、次第にあらためたいと思う。したがって、当流派ではビンボーゆすりと言わず、“ファッションゆすり”と言う。 その1、我々がゆすっている時に文句を言うおろかものがいても、かまわずゆすりつづける。しつこいようなら「お前より、金持ちじゃボケ! 」と言え。 その2、宣教師の不屈の精神を見習い、ビンボーゆすりとして定着するよう努力しろ。 その3、ゆする時はできるだけ音をたて、「ファッションゆすりここにあり」と、その力を誇示せよ。 |