ビックラゲーション(1980/12)

最優秀賞
◎電車の窓際で手枕をしている女の人の腕に力こぶがあった

土屋卓也(神奈川県)17歳

優秀賞
○病床に伏せっている恩師に出した手紙に「暮れも押し迫り・・」と書くところを「墓も押し迫り・・・」と書いたやつがいる

黒沢豊彦(静岡県)19歳

○母はしらが染めスプレーを、となりのネコで試していた
亀山英彦(埼玉県)19歳

○中目黒を歩いていたら、道端の犬のンコにグラニュー糖がまぶしてあった
ひらしまれーこ(東京都)

佳作
△ある風の強い日、電車の開いた窓の所に座っていたおじさんの耳が風に吹かれて、ひらひらとなびいていた

成沢亜紀(神奈川県)

△毎日トンカツが食えると思って、≪夜ごはん付き≫という貼り紙がにつられてトンカツ屋でアルバイトをしたが、冷や奴1丁でご飯を食べてくれ、と言われてあせった
生方雅之(神奈川県)20歳

△S区の某都立高の生徒は学校近くにマクドナルドやロッテリアがないので、しょーがなくヤキトリを食べていた(店の前での立ち食い) S・Y(東京都)


通常取り扱い作品

▲網走に行った時、国士舘高校の学生が『網走刑務所』と書いてある表札をひとり20枚くらい買っていた  谷田貝祥子(東京都)

▲電車の中で席を譲るのがいやで、ねているふりをして薄目を開けたら、お婆さんがしゃがみこんで僕の顔をのぞいていた
仙台達也(東京都)16歳

▲妹がパンティを盗まれたが、どろぼうは、代わりにお金(千円)を置いていった   山内正雄(東京都)23歳

▲数学の潮先生は積分を「大根のみじん切り」と形容したが、次の瞬間「一体、大根のみじん切りにして何に使うのか?」という疑問でクラスは騒然となった   いとうけいこ(鳥取県)

▲先日、父親の仕事の都合で千葉県の方へ転校していった篠塚君が、一週間後、となりのクラスに転入してきた
磯村和志(愛知県)15歳

▲友人某は、NHKの番組終了の『君が代』を聞くとむしょうに英単語を覚えたくなる、と言っている   高橋康一(大阪府)19歳

▲友人が「トイレットペーパーがなかったから残ってた芯でふいてきちゃった」と私に告げた  菊地直子(東京都)

▲家のサッシにゴキブリのバラバラ死体があるが、誰も片づけないまま3年過ぎた   本多恭子(愛知県)