●●エンピツ賞傑作選

 1984年4月、パルコ出版より発行された単行本。帯には『 超文学・準文学と呼び名も高いビックリハウスの芥川賞!  エンピツ賞が8年の歳月をかけて25, 025 点の中から厳選した76作品一挙掲載の傑作選!』とある。

◎しづこちゃん=窪田僚◎ヨーカン切り=里田直久◎「
法界限界」まえがき+α=戸沼裕史◎艶枕草子=渡部民
夫◎女=はなおかあさこ◎迷宮の思う壺の瓜ふたつ=赤
野田忍◎住所不定=田中雄一郎◎7世紀語の幻想=遠藤
均◎実録・出勤地獄=松本次郎◎輪ゴム=久保敬◎ネコの育て方=白鳥まさあき◎肉を運んでいる犬=渡辺博之◎射星=野村一之◎土星=串間努◎ウンイン物語=太田次雄◎かきの味=桝井英人◎座りつづける男=山崎俊樹◎ガチャガチャ=住田雄祐◎おじさんは=大石祐規子◎血=向山博文◎乾電池=本多未知鷹○チュウ公へ=大和田佳子○受胎酷似=窪田僚○文芸的非必文芸=田山英世○フォートラン・エクスプレス=里田直久○白痴=内夕次○桜、桜=塚辺裕子○裏を返せば=広川竜雄○成層圏=大村伸一○海のうんこ=岡田勝○病い=福園竹雄○河口ゆうじ=浜田順道*合体=曾堂舞人*クロノスに挑め=森元宏* 海=KK3A BHK14 *コスモスのふたり=山池和宏*スーパー・ショート・ショート=佐藤英和*汚れたぞうきん=伊藤巧

ふー。とりあえず、38作品一挙早打ち!(校正 なし)指つった・・・。 後は近い内に。

◎はエンピツ賞、○は候補作、*は特別 賞。

●●森脇広平君のこと

 

 

 

 

 

●●森脇君から届いたメール

 第11回糸井重里賞、第14 回三遊亭円丈賞、 第16回椎名誠賞と、いづれも審査員特別賞。その他 に入選作品3本、佳作が1本。4年間で7作品も 掲載されているのは稀に見る快挙だ。しかも、最 初の作品は小6の時のものだ。この時のデビュー は鮮烈だったが、彼にとってのエンピツ賞とは何 だったのか。掲示板にも来てくれた彼は、今回の 企画のために感想メールも送ってくれた。今、彼は33歳。職業はゲームライターである。

“つまるところ、肝心のエンピツ賞を取ってなかったり「エンピツ賞はこういうものだと一人で表現」してたり(第13回総評より。うろ覚え) 、入選してなきゃしてないで総評には名前出してもらったり(たしか第15回)、そんな感じの森脇広平君です。ども。
すげえ格好良く言えば「無冠の帝王」ってやつですか。カール・ゴッチとかアントニオ・ロッカとかですか。

でもねえ。方法論なんか全く確立してなくて、いわばマグレ当たりの連続だったんですよ。いやマジに。
1次通過で終わってたのが、その回に送った中で「一番イイんじゃないか」と思ってたのだったりしてたし。まあ、それがどんなのだったか忘れましたけど。そういう、マグレと結果 オーライと思 いつきでやっちゃう癖は、未だに治ってなかったりしますけどね。日常すべてにおいて。

審査員特別賞いただいた後に依頼で書いたのを入れると1 1 作ほど載せてもらったわけですが、いやあ、思い出すに泣きたくなりますね。とくに、インパクトだけは強い『 台風一過 』なぞは『 大全』にまで収録されちまってますから、涙も床下浸水起こしそうです。
それでも無かったことにして昔の自分を忘れてしまう生き物=大人になってもいませんから、今望むことは

「書き直してえ」

これに尽きます。 ちゃんと文を整えて、膨らませてメリハリつけて。
しかし、そうするとエンピツ賞的には佳作--選外佳作あたりに落ち着くモノになりそうな気がします。それもまたエンピツ賞。
今でも自分が天才、ただし社会的利用価値の極めて薄い、特殊天才であることは自認してますが、当時はもう一段違う次元にいた、思春期スペシャルバージョンだったんでしょう。うむ。

今にして思うと、ってだけじゃなく当時の自分としても一番好きな話は、実は『うわ』(たしか第 16回)だったりします。 こんな馬鹿話、無責任にポーンと書いてポーンと送れてポポーンと載っちゃう場ちょっと欲しいなあって、気もしますね。

とまあ、自分の話ばっかして恐縮ですが、自分のやつ思い出すだけでいっぱいいっぱいなんですよ。すいませんね、ほんと。 ”
2001年7月6日 


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