シナリオ劇場

シナリオライターごっこのコーナー。81年5月号から83年1月号まで続いた。
媒体は設定自由。出演者なども全て自分で考えることができた。
このコーナーがきっかけで構成作家とかになったハウサーもいたのでは?

最優秀賞作品

2人の関係
[テレビ/午後1時〜1時30分/ライオン奥様劇場]出演:男(中条きよし)、女(池上季実子)、一見紳士(米倉斉加年)


昼下がりの公園、噴水の前のベンチで、男が去ろうとしている女の腕をつかんで・・・。
「待ってくれ、美智子さん。もう一度だけでいいから聞いてくれ」
「いや!もういやよ!何度いったらわかるの?もうその話は聞き飽きたのよ!」
「違う!君は誤解している!」
と、そこへさっきからニヤニヤ見ていた初老の一見紳士が登場。
紳士「ほほう、お二人さん、ケンカですなあ?見たところ彼氏は何か話があるようだ。さあ、お嬢さん、聞いてあげなさい」
「(少しヤケ気味に)誰よ、あなた!」
紳士「いや、ただの通行人ですわ」
「(少しあきらめた口調で)そんな人に、私たちの関係がわかるわけないわ」
紳士「だが、少なくとも君たちよりは人生経験がある。さあ、わけを言ってごらん」
「(少しためらいがちに)彼ったら、昔の話をもちだして 、それも同じことを何度も言うのよ」
「だから誤解だと言ってるだろ!このことは君は知らないはずだ。たのむ、一度でいい」
「(少し泣きながら)わかったわ・・・」
紳士「(それを見て、得意気に)はっはっは。男女の仲なんてどこも同じようなものですな」
 そう言って立ち去った後、男がおもむろに口を開いた。
「いいかい、さあいくよ。昔々、ある所におじいさんとおばあさんが・・・」

ありすれいん 埼玉県入間郡(17歳)

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