ホームルーム

子供の頃入った遊園地のビックリハウスは、忘れることができない。どこにでもあるような応接室に通 されソファーに腰掛けると、突如世界の秩序がひっくり返り、まるで、地球の外へ投げ出される恐怖を味あわされるのだ。
本誌は、都会をひとつの遊園地と想定し、その中で三半規管を刺激するあのビックリハウスになれれば、と願うタウン誌である。つまり、ビックリハウスはひとつの価値基準であり、ダラダラした日常生活をゆさぶる起爆装置設計図であり、 またコンクリート・ジャングルをネヴァーランドにする為の片道キップなのだ。毎号、都会と都会型人間について、さまざまな視点から考察していこうと思っているが、それ以外内容に関しては、まったく決めていない。都会の中の迷路をあてもなく歩きまわる快感と同様、編集方針も行き当たりバッタリ楽しみながら決めていきたい。(H)
これは、編集後記のページ。Hっていうのは当然萩原朔美さんのことで、この他はNが一人書いているだけでEもTも書いていない。
 フラフラしている朔美さんだったけど、やっぱいいこと書いてる!編集方針は行き当たりバッタリ楽しみながら決めていくだって! ソーダ、ソーダ、がちがちに計画練って、段取りよろしく進行していく大手出版社のようではなかったのだ。脇道それまくりで面 白いということだけを頼りに、スタッフや著者がひとつになれたんだ。これがそもそものビックリの基本概念だったんだ。今、萩原さんはタマ美で教授している。一昨年の文化祭イベントでは「まんが力〜面 白さのしくみ〜 」っつうトークイベントを学生にやらせていたようだ。

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