奧の細道二人旅・山刀伐峠越え

大石田1

 芭蕉一行は「羽州街道」を東根・天童と南下して「山寺」に向かいます。そして山寺から再び北上して「大石田」へ戻るのですが、悟雀一行は宿の都合で先に「大石田」に向かいます。
 最上川の船に乗ろうと、大石田というところに日和を待つ。この土地に古い俳諧の種がこぼれていて、忘れぬ花の昔を慕い、芦角一声(声を合わす)して風流心をやわらげ、この道に探り足していて、俳諧の新古二道に踏み迷っているけれど、道しるべする人がいないのだからと、無理をして一巻残した。このたびの風流はここに至ったのだ。

西光寺

高野一栄宅跡
 山寺から大石田に着いた芭蕉は、船問屋であった「高野一栄宅」に三泊している。ここでは、一栄や高桑川水などから指導を乞われ、「五月雨をあつめて涼し最上川」を発句とする歌仙を開いている。
 現在は板垣家となっており、最上川の堤防脇に「奥の細道高野一栄亭跡」の標柱と、芭蕉真筆の「さみだれを・・・」を発句とした歌仙碑が残っている。
一栄の墓のある寺。ここには句碑が残っている。
中央が芭蕉句碑
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