「格言」、「諺」の類を知ったのは、小学生の低学年の頃だったと思う。
 ところで、「格言」、「諺」と、これらの単語を気楽に使うが、意味は違うのだろうか?
 辞書(大辞林:三省堂)を調べてみよう。

   格言 :短い言葉で、人生の真理や処世術などを述べ、
        教えや戒めとした言葉
   諺  :昔から人々の間で言いならわされた、風刺・教訓・
        知識・興趣などを持った 簡潔な言葉


 なんとなく違いがあるようだが、ハッキリしない。
 敢えて言えば、格言の方は、品格があり、偉い人が説いた言葉のようであり、諺は、庶民の中から出てきたもののようである。特に、「風刺」の味付けがなされているようである。
 初めて知った「格言(?)」は、

  ” 二度あることは、三度ある ”
 
で、ナルほどね、物事は続くんだ、との印象を持った記憶がある。どちらかと言うと、悪い事は……のイメージであった。
 気を付けよー、と教えられたものである。

 ところが、少し経って、別の「諺(?)」を知った。

  ” 三度目の正直 ”

  エッ、どう言うこと?  一度や二度、上手く行かなくても三度目には上手く行く。ウーン、どうなってるんだろう? 
 どちらかが間違っているはずだ。どちらだろう? 
 当然、答えは出ない。
 そのうちに、気が付いた。ナーんだ、状況や、自分の「都合」によって使い分ければ良いんだ! ヘー! 上手く出来ているな、世の中って。
 小学校3年生位の頃だったと思う。
 
 この時、コマッシャクれた、ヘラズ口を叩く子供が出来上がった。

 人々が長い年月をかけ、人生の真理、教え、戒め、教訓などを後世の人々に伝えるべく出来上がった「格言」、「諺」も受ける相手によっては、このような結果を生み出すようである。
 特に、無垢な子供には、総ての状況を鑑み、「都合」良く使い分けなければならないようだ。

 ウーン、難しいなー! 世の中って。