吹きガラスは、溶けたガラスを吹き竿の先に巻きつけて
そこに息を吹き込んでうつわを作る、
古代ローマ時代から受け継がれてきた技法です。
高温で素手では触れることができないので、
竿を回転させてガラスを宙に浮かせながら、
しゃぼん玉のように息を吹き込んで膨らませていきます。
なので宙吹き技法ともいいます。
高温の状態を保ちつつ、宙に浮かせながら作るため、
陶芸や型に流し込んで作る技法に比べて
形に関する制約が多く、
自分の作りたい形を作るというよりは、
ガラス自身がそうなりたい形へ導いていく、
そんな作り方になります。



写真は、工房で作ったうつわが並んでいる
工房のショップ部分です。

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窯の中では、1200℃に熱せられたガラスが、
30〜60キロほど水飴状になって溶けています。
それを金属のパイプの先に巻き取り
成形していきます。
溶けている物を巻きつけてすくってくるわけで、
一度に必要な量を巻き取るというわけにはいかず、
一度巻き取ったものをある程度冷ましたその上に
再び溶けたガラスを巻きつけていきます。
なので、作りたいものが大きければ大きいほど、
2回巻き、3回巻き、4回巻きと、
巻きの数、巻き取る回数が多くなります。

 


 


外気に触れたガラスは秒単位で冷めて硬くなっていくので、
都度、過熱を繰り返しつつ、
800℃から500℃の間で成形していきます。
手のひらサイズのものでも
場所によって温度が異なるため、
柔らかさがまったく違います。
なので、あるいはその差を利用しつつ、
常に時間と温度を頭の中で計算しながら
作る必要があります。
500℃以下になると、熱い部分と冷めた部分との
温度差による歪みにより、
かなりの確率で割れてしまうので、
熱いガラスが冷めてしまうまでの、
瞬間的な仕事といえます。

写真は濡らした新聞紙で形を整えているところです。





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