NWN冒険日誌
カスタナミアの失われた島


●港町

*ここは名も無き港町である。以前は漁業が盛んで町も潤っていたが、3年前沖合いに奇妙な島が突然現れてから急変した。船が島に近づくとことごとく大嵐が起こり、皆帰らぬ人になった。それからと言うもの海に出る者はめっきり減り、町の活気は失われた。

Rileus Dokarty: お
Rileus Dokarty: よお、元気だったかい?
Bull Doggen: 俺、元気
Rileus Dokarty: それにしてもこんな所で会えるとはね
Bull Doggen: あれからあちこち歩いた
Bull Doggen: 船に乗ったら
Bull Doggen: ここに着いた
Rileus Dokarty: ふむ
Bull Doggen: ライルは元気か?
Rileus Dokarty: 見てのとおり
Bull Doggen: 俺、嬉しい
Rileus Dokarty: おれは奇妙な島の噂を聞いてね
Rileus Dokarty: いかにも冒険の匂いがするじゃないか
Rileus Dokarty: まあ、どこか休める場所はないかな
Bull Doggen: ここ
Bull Doggen: 酒場

*偶然、再会した二人は近くの(そしておそらくこの小さな町で唯一の)宿屋に入った。ライルは本来の目的である島の事について酒場にいた人々に聞いて回る。すると、一人の人物が彼に話しかけてきた。

アレン ザナエス: 折り入って話があるのですが。
Rileus Dokarty: 君は誰だい?
アレン ザナエス: 自己紹介が遅れました。私は賢人エンキオーテの弟子アレン・ザナエスと申します。
Rileus Dokarty: 話ってなんだい?
アレン ザナエス: 仕事の話なのですが、勇敢な冒険者を探しているのです。
Rileus Dokarty: 危険な仕事なのかい?
アレン ザナエス: え、ええ・・・若干ですが・・・あなたなら大丈夫です、きっと。
Bull Doggen: ライル勇敢
Rileus Dokarty: どんな仕事なのか話してくれ。
アレン ザナエス: 実はご存知かも知れないのですが、ここの沖合いのある島に行ってもらいたいのです。
Rileus Dokarty: 面白い、やってやろう。
アレン ザナエス: ありがとうございます。まずは前金として1000お支払いします。
Rileus Dokarty: 島に近づけるのか?
アレン ザナエス: 噂では小さな船や泳いで行った場合には嵐は起こらないそうです。ですので、大型ガレー船である程度の距離まで行き、そこからはボートで上陸していただきます。
Rileus Dokarty: 船は?
アレン ザナエス: すでに大型ガレー船と優秀な船員の手筈は整えてあります。この先の船着場に船長がいますので、準備ができたら出航してください。
Rileus Dokarty: よく船乗りを集められたな。誰も行きたがらなかったんじゃないのか?
アレン ザナエス: 彼らには安全な所までの案内ということで雇ってあります。ですのでボートでの上陸は単独で行ってもらわなければなりません。
Rileus Dokarty: なるほど
アレン ザナエス: 念のために少々訓練していったほうがいいかも知れませんね。町の南側に訓練所があります。紹介状を書いておきますので行ってみてください。
Rileus Dokarty: わかった。行ってみよう。
アレン ザナエス: これによって考古学、魔法科学の全てが覆ります。これからの未来の飛躍的発展は我々の肩にかかっていると言っても過言ではないでしょう。
アレン ザナエス: 期待して待っております。

Bull Doggen: 行くのか?
Rileus Dokarty: もちろん
Rileus Dokarty: そのために来たんだし
Bull Doggen: 俺も行くぞ
Bull Doggen: ライルの手伝いする
Rileus Dokarty: おお
Rileus Dokarty: そりゃあ、助かるね
Bull Doggen: ライル友達
Rileus Dokarty: まあ今回もよろしく頼む

*町の小さな店で必要なものを買い揃えたり、軽く訓練などして準備したあと、二人は桟橋に向かった。

ウェルター船長: お前があの島に上陸するのか!
Rileus Dokarty: そうだ、よろしく頼む。
ウェルター船長: あの島は危険な噂でいっぱいだ。生きて帰れるよう祈ってるよ。
Rileus Dokarty: 出発!

●島

*吹きすさぶ雷雨の中、気がつくとどこかの海岸に倒れこんで気を失っていたようだ。島にもう少しというところで大嵐に遭遇し海に投げ出されてしまったのだ。海のはるか向こうに見える地形からこの場所が目的地の島であることに間違いはなさそうだ。周りを見渡しても大型ガレー船の姿は見つけることはできない。

Rileus Dokarty: うう
Bull Doggen: ここは・・・
Rileus Dokarty: ひどい目にあった…
Bull Doggen: まだくらくらする
Rileus Dokarty: 船ってのはこうも難破するもんかね (注:TRPGのお約束なのでつい出たセリフ)
Rileus Dokarty: まあはぐれなくて良かった
Bull Doggen: ああ

*周囲を見回すと、近くに小さな竜巻のような力場が天に伸びている。どうやらこれが嵐の原因らしい。うかつにも近づきすぎたライルは弾き飛ばされた。

Rileus Dokarty: …
Rileus Dokarty: 武器は準備しておいたほうが良さそうだ
Bull Doggen: しびれるのか?

*それから、二人して島を捜索するがかなり小さな島で、何もない。

Bull Doggen: ここで
Bull Doggen: 何を見つけるんだ
Rileus Dokarty: なんでもいいから珍しいものをさ
Rileus Dokarty: ウィザードなら欲しがりそうなもんを、だな
Rileus Dokarty: あやしいのはこれだけか…
Rileus Dokarty: どうもここが嵐の中心らしいが
Bull Doggen: らいる
Rileus Dokarty: なにもないなあ
Rileus Dokarty: ん?
Bull Doggen: ここになにか
Bull Doggen: ある

*しげみに隠れた扉: しげみに巧妙に隠された入り口の扉をそっと開けると、古いカビの匂いにまじって、血生臭く腐ったような匂い(おそらくゴブリンのものだ!)が辺りを漂う。中は予想外に広そうだ。

Rileus Dokarty: なるほど
Rileus Dokarty: 降りてみる

●島の地下

*地下に入ると、突然頭の中に声が響く。

[頭の中に響く声]ようこそ客人よ。私はカスタナミア、我が島にようこそ。私は残念ながら「無機物への別次元からの召還者のインストール」という緊急の用事を済ませなければならなくなった。早ければ2日後に戻ってくる。それまで使用人のモネとクレコがもてなしてくれるだろう。

Bull Doggen: 誰の声だ?
Bull Doggen: どこにいる?
Rileus Dokarty: 魔法の声だ
Bull Doggen: ごぶりん

*地下に入ってすぐのホールの隅にゴブリンたちが住みかを作っていた。新たな侵入者に襲い掛かってくるが、軽く撃退する。

Rileus Dokarty: ふうむ
Rileus Dokarty: ここの主が留守にしてる間に住み着いたらしい
Rileus Dokarty: 他にもいるかもしれないから注意するんだ
Bull Doggen: 分かった

●使用人部屋

[頭の中に響く声]モネとクレコはここに住んでいる。昼夜問わず手助けするよう言ってあるので、何でも言いつけてくれ。

*この地下の館はそこらじゅうに罠や鍵が仕掛けられている。それらを解除しつつ進む。

Rileus Dokarty: ちょいちょい
Bull Doggen: 開けていいか?
Rileus Dokarty: ああ
Rileus Dokarty: とにかく使用人とやらを探そう

*使用人はすぐに見つかった。死体となって…

Rileus Dokarty: この死体…
Rileus Dokarty: まあ、ここの主人がいなくなってからだいぶ経ってるようだ
Bull Doggen: そうだな
Rileus Dokarty: なにしろ使用人が死んじまうくらいだからな!

*探索は続く。

Rileus Dokarty: ちょっと待て

*罠が作動した!

Bull Doggen: いてて
Rileus Dokarty: おいおい
Rileus Dokarty: 気をつけろよ
Bull Doggen: 俺
Bull Doggen: 急に止まれない
Rileus Dokarty: まあ死ぬような罠じゃなかったからいいが
Rileus Dokarty: 今度からは注意してくれ
Bull Doggen: 罠がある・・・
Bull Doggen: 大事なものが
Bull Doggen: あるからか?
Rileus Dokarty: さてね
Rileus Dokarty: ウィザードってのはそこら中に罠をしかけたがる生き物なんだ
Bull Doggen: ウィザード
Bull Doggen: 他人信じない・・・
Rileus Dokarty: いいやつもいる
Rileus Dokarty: 人それぞれだ
Bull Doggen: ふむ

●リビングルーム

Bull Doggen: この煙
Bull Doggen: 罠か?
Rileus Dokarty: いや、演出だろう

[頭の中で響く声]ここでは気取る必要はない。座って楽にしてくれ。君たちも一緒に読書をしようじゃないか。

*突然、小さな生き物が話しかけてきた。

小人の妖精ビル: おお!新人さんだな。へへへ、確かな事はひとつ。君達が迷っていることだ。
小人の妖精ビル: 向こうにいるやんちゃ坊主たちも同じように迷っている。カスタナミアが去ってから、全ての物の時間がゆっくりと進むようになってしまった。
Rileus Dokarty: カスタナミアが去った?彼はどこへ?
小人の妖精ビル: オォォ、君のそのぴかぴかの指輪、もしそれを貸してくれるなら・・・
Rileus Dokarty: 指輪をあげるからカスタナミアについて教えてくれ!
小人の妖精ビル: あああ!近づかないでくれ!もうぜんぶ話した!彼は去ったんだよ!いなくなっちまったんだ!彼は・・・彼は・・・彼はとんでもなく悪ふざけが好きだったんだ。
Rileus Dokarty: 落ち着け!
小人の妖精ビル: ヤァァ!まだ終わっちゃいない!!一発食らわしてやる!

*襲い掛かってきた妖精を仕方なく撃退した。

Rileus Dokarty: なんなんだ
Rileus Dokarty: いきなりぶちきれたぞ
Rileus Dokarty: どうやらくるってしまったらしい…
Bull Doggen: 危なかった
Rileus Dokarty: うん
Rileus Dokarty: なにか鍵を持っていた

*どうやらかなりとんでもない事になっているらしいと不安になった二人は柔らかいカーペットの上に座り込み、持ち物を確認する。

Rileus Dokarty: ポーションどれくらいもってる?
Bull Doggen: ライト3個
Bull Doggen: 包帯8個
Bull Doggen: だ
Rileus Dokarty: それだけ?
Rileus Dokarty: じゃあこれを (薬や道具をいくつか渡す)
Bull Doggen: もらった

Rileus Dokarty: キッチンに行くかゲームルームか、戻るか、だな
Bull Doggen: 本、ばかりだな
Rileus Dokarty: 世界のなにもかもが本でわかると信じてるのさ
Bull Doggen: キッチンいこう
Bull Doggen: 腹減った
Rileus Dokarty: …

●キッチン

[頭の中に響く声]スナックをつまんでもらってもかまわない。ただ、もうすぐモネが美味しい料理を出してくれるかと思うが。

Bull Doggen: 変なキッチンだな
Rileus Dokarty: 腹ごしらえはできそうもないな

*突然、物陰からドワーフが飛び出して襲い掛かってきた。その目には狂気の光が宿っている。どうやらすでに正気をなくしてしまったようだ。またもや、不本意ながら撃退する。

Bull Doggen: 機械なのか?
Rileus Dokarty: いや…たぶん俺たちと同じだ

*探索を続ける。

Bull Doggen: 何か見つかったか?
Rileus Dokarty: いや何も
Rileus Dokarty: 金目の物が少し
Bull Doggen: うむ
Rileus Dokarty: あとで分けるから心配するな
Bull Doggen: 帰れればな

*少し弱気になってきた…。だが進むしかない二人は次の部屋へと向かった。

●幻想部屋

[頭の中に響く声]楽しんで行ってくれ。だが平静でいることができないなら、この場所で起こるだろうわがままな出来事が、受け入れがたい真実の結果と成りうるだろう。

*仕掛けがわからず、光の柱に触れてしまった二人は別々の部屋に飛ばされてしまった!
*ライルには悪魔が襲い掛かってきた!

悪魔ベイラー: ああ、カスタナミアは最後にごちそうを贈ってくれた!!
悪魔ベイラー: シャーコス メイリックス デボンツ!!
悪魔ベイラー: せいぜいあがくがいい。終わりには死あるのみだ。
悪魔ベイラー: シャーコス メイリックス デボンツ!!
悪魔ベイラー: 儚い命だったようだな。地獄の業火を食らうがいい!

*なんとか倒すと、元の部屋に戻ることができた。二人は合流する。

Bull Doggen: 俺は綺麗な女に会った
Rileus Dokarty: ひどいな!おれは悪魔だったぜ
Bull Doggen: 彼女はすっと一緒にいて欲しいと
Bull Doggen: 悪魔は退治したのか?
Rileus Dokarty: なんとかな
Bull Doggen: 流石ライルだ

Bull Doggen: ライルと会ってから
Bull Doggen: 一人が心細くなった
Rileus Dokarty: そうか…レンジャーにはなれんな
Bull Doggen: ブルはレンジャーなれないな
Rileus Dokarty: 生きている限り、一人ということはない。気がつかないだけで、たくさんのものたちがいつも近くにいてくれるんだ。

*合流できた二人は次の部屋に進む。

●展示部屋

[頭の中に響く声]部屋の中の世界的発見について説明させてくれ。これらはギンガチムと呼ばれる魔法的なエネルギーの強い実体を持たない生命体なのである。彼らを召還し物体にインストールさせることにより有効に利用することができる事を発見した。障壁には決して近づかないよう注意してくれ。魔法で保護はしてあるが、中は非常に不安定で危険である。

*近くには立て札があった。それには以下のように書かれている。

警告: ジンガチム展示場
自由形態のジンガチムは生命エネルギーを吸収して生存している。それぞれのエリアには下位階級のジンガチムが代表的な形態で存在している。
警告 - 警告ラインを渡って中の物体に触らないようにして下さい。

Rileus Dokarty: だとさ
Bull Doggen: これが
Bull Doggen: ウィザードの
Bull Doggen: 好みか?
Rileus Dokarty: うん
Rileus Dokarty: なかなかの業物が落ちてるようだが近づかないほうが無難だな
Bull Doggen: 互角だ
Bull Doggen: 援護があっても
Bull Doggen: キツいかも知れんな
Rileus Dokarty: 魔法の生き物は普通の武器じゃ傷つかない事もある
Rileus Dokarty: とりあえずここは手を触れずにおこう
Bull Doggen: そろそろ帰る方法を見つけないと
Bull Doggen: 腹ぺこだ

●ダイニングルーム

[頭の中に響く声]楽しんでくれたまえ!食べ物や飲み物はすぐに持ってこさせる。

*部屋の中にはファイアービートルの大群がいた。襲ってきたそれらを退治する二人。

Rileus Dokarty: 死体だらけだ
Bull Doggen: 虫にやられたのか?
Rileus Dokarty: おそらくは
Rileus Dokarty: 迷った挙句に…な
Rileus Dokarty: 気味の悪いところだが休憩しよう

●ゲームルーム

[頭の中に響く声]自分の責任において参加してくれ。どうなろうと私は責任は取らないぞ。

*部屋の中央が鉄柵で四角に囲まれている。その中心には魔法陣のようなものがあり、その傍らには袋が置かれている。

Bull Doggen: ・・・
Bull Doggen: 俺が入ろう
Rileus Dokarty: わかった

*ブルが足を踏み入れると、中心の魔法陣から次々にモンスターが召喚され始める。なぎ払い続ける二人。

Bull Doggen: 切りがないな

*モンスター召喚の隙をついて、ブルが袋まで届いた。すぐさま戻ってくる。

Bull Doggen: 袋の中は
Bull Doggen: 3ゴールドだった
Rileus Dokarty: そうか…
Bull Doggen: つまらんゲームだ

Bull Doggen: どの部屋も
Rileus Dokarty: 一回りしたのかな
Bull Doggen: 行ったことがありそうだ
Rileus Dokarty: もう一度調べよう
Bull Doggen: 何処がいい?
Rileus Dokarty: じゃあ先行する
Bull Doggen: うむ

*もう一度、それぞれの部屋を調べなおす。きちんと調べてない部屋は展示部屋のみ。二人は展示場の魔法生物をくわしく調べてみる事にした。魔法生物は魔法の光で囲まれた檻の中にいる。

Rileus Dokarty: 光に触れなければ平気だ
Bull Doggen: 分かった

*魔法生物はこちらから手を出さなければ襲ってこないようだ。光の檻の中を調べてみると…

Rileus Dokarty: 隠し扉だ!

*こんな所に隠し扉が見つかるとは驚きである。これもカスタナミアの(奇妙な)ユーモアのひとつかも知れないと思った。

Rileus Dokarty: 降りてみる

●研究所

[頭の中に響く声]止まれ!お前たちは私的な研究所と仕事場に入った。ここは安全ではない。即座に客室に戻るのだ。

Bull Doggen: ここは?
Bull Doggen: 進むしかないようだな
Rileus Dokarty: うん
Rileus Dokarty: 開けるぞ

*入り口の扉を開ける。中には魔法で作られたゴーレムや、いくつか奇妙な品物が見つかった。

Bull Doggen: こりゃウィザードが
Bull Doggen: 喜びそうだ
Rileus Dokarty: よしいいぞ
Rileus Dokarty: ここからは慎重にいこう

*やがて二人は作業部屋のような場所に来た。動かないゴーレムと、それに対応するようにレバーがいくつかある。

Rileus Dokarty: このレバーはなんだろうな?
Rileus Dokarty: わなはない
Rileus Dokarty: レバーそのものには、わなはない、だけどな正確には
Bull Doggen: わはは
Rileus Dokarty: まあほおっておこう、よくわからない物をいじくるもんじゃない

*次に、神殿のような雰囲気の部屋に入った。中心部には祭壇のようなものがあり、周囲には財宝がちりばめられている。中央の祭壇に触れると、突然光と共に何者かが現れた!

ナラジム・ジンガチム: Bull、我は呼び出された。何が望みだ?
Bull Doggen: あんたは誰だ?
ナラジム・ジンガチム: 私はジンガチムの一人ナランジムだ。カスタナミアのための神託者として任命されている。この極小の空間のすべては私の認知内にある。
ナラジム・ジンガチム: 私の肉体は永遠ではあるが、忍耐は永遠ではない。お前たちといるとイライラしてくる。質問をするのか、ここを立ち去るのかハッキリしろ。
Bull Doggen: この場所について知りたいことがある。
ナラジム・ジンガチム: 質問の答えはタダではない。私の答えは非常に価値があるのだ。
Bull Doggen: カスタナミアはどこへ行ったんだ?
ナラジム・ジンガチム: その答えは500GPの価値がある。支払えるかな?

*金を要求するらしい。二人は所持金をかき集める。

Rileus Dokarty: 俺にまかせておけ

*金を預かり、ライルが質問を再開する。

ナラジム・ジンガチム: 何が望みだ?
Rileus Dokarty: この場所について知りたいことがある。
ナラジム・ジンガチム: 質問の答えはタダではない。私の答えは非常に価値があるのだ。
Rileus Dokarty: カスタナミアはどこへ行ったんだ?
ナラジム・ジンガチム: その答えは500GPの価値がある。支払えるかな?
Rileus Dokarty: あぁ、支払おう。
ナラジム・ジンガチム: 彼は死んだか、死んでいる途中であるようだ。もしくは我が認知できない別次元に移動したのかも知れない。彼は長い間いなくなっていると、誰かが私に語りかける。だが永久にいなくなったとは言い切れない。
Rileus Dokarty: この場所について知りたいことがある。
ナラジム・ジンガチム: 質問の答えはタダではない。私の答えは非常に価値があるのだ。
Rileus Dokarty: どうやってここを脱出するんだ?
ナラジム・ジンガチム: その答えは4000GPの価値がある。支払えるかな?
Rileus Dokarty: あぁ、支払おう。
ナラジム・ジンガチム: この島の表層部への唯一の脱出口はカスタナミアのプライベートな部屋にある。そこへは休憩エリアの隠し扉から行く事ができるだろう。・・・それ以外の脱出方法はない。もしお前たちが死んだとしても、霊魂は物質世界に確実に送り戻されるだろう。
ナラジム・ジンガチム: 我は我の意思でのみで行動する。我に敬意を払わぬ者は復讐を受けるのだ。遠方を見通す事ができるがゆえ、何ぴとも我から隠れる事はできぬという事をよく覚えておけ。

ナラジム・ジンガチム : [シャウト] 我が宝に近づくな!

*突然の怒りの声に、ライルは振り向いた。見るとブルが周囲に散らばる宝物に手を伸ばそうとしているところだった、が、次の瞬間ナラジム・ジンガチムの怒りの声と共に発せられた魔力がブルにまとわりつく。ブルはふらつき四つん這いになると、低い鼻から顔が長く伸び、体が太くのっぺりとしていく、新しい皮膚が白と黒のまだら模様に変わった。そこにはブルの姿はなく、一頭の太った牛がいるだけだった。変身は一瞬だった。ライルが唖然として驚いていると、牛になったブルは、情けなさそうにモゥと一声鳴いた。

ナラジム・ジンガチム: それでは我は行くぞ

*ライルは困って、再びナラジム・ジンガチムを呼び出してブルを元に戻してもらおうかと悩んでいると、ブルは元に戻った。ライルはやれやれと肩をすくめる。

Rileus Dokarty: 用事はすんだ
Bull Doggen: ああ
Rileus Dokarty: あとは探検して戻るだけだ

*二人は遥か上方に伸びるらせん階段を見つけた。用心しながら上っていくと、地上のような場所(この不思議な場所では、感覚的に地上とははっきりわからない。ナラジム・ジンガチムの言葉を信じるならば、ここは地上ではないのだろう)に出た。周囲を探索してみたが、特に危険はないようだ。唯一人工的な物は崖の近くにいるぼろぼろの古びた遺跡のようなものだけだ。

Rileus Dokarty: なにもないのかな
Rileus Dokarty: ん…
Rileus Dokarty: あれは

*遺跡の中に、人影がある。

*孤独なメイジがきらきらと輝く球体に包まれ、頂点に立ち尽くしている。彼は奇妙なほどにじっとしていて動かない。彼の目は見開き前方を凝視している。あなた方は動かないハズのメイジに見詰められている感覚に襲われ身震いする。

Bull Doggen: こいつが
Rileus Dokarty: こいつがおそらく…
Bull Doggen: 何をしているんだ?
Rileus Dokarty: わからんが、とにかく研究所をもうすこし探索してみよう
Bull Doggen: ああ
Rileus Dokarty: なにかわかるかもしれん

*二人は再び研究所へと戻ると、図書室と書かれた部屋へと入った。本棚が部屋の全ての壁を覆いつくしている。その中でたった一人の何者かが部屋の中央で立ち尽くしている。彼の目は本を注意深く見守っているかのようだ

Rileus Dokarty: 本に触れないほうが良い
Bull Doggen: なんだって?
Rileus Dokarty: そのおっさん見張っててくれよ
Rileus Dokarty: 本棚調べる
Bull Doggen: ?
Rileus Dokarty: いいか?
Bull Doggen: ああ

*わけのわかっていないブルへの説明は後回しに、ライルはゆっくりと本に触れる…

ブラドビク: 止まれ!これらは全てカスタナミアの本だ!すぐに図書館を立ち去れ!
ブラドビク: 本!本!何年もの間見てきたものは本だけだ!かつての私の情熱は今や私の毒でしかない。カスタナミア、なぜ私にこんな命令を!?奴の炎で充分罰を受けたではないですか!

*突然(といっても予想はしていたが)襲ってきた男を二人は打ち倒した。

Bull Doggen: ?
Bull Doggen: まったく意味がわからねえ
Rileus Dokarty: 本を守らされていたんだ
Rileus Dokarty: だから、本に触れたら襲ってくるだろうとおもったわけさ
Bull Doggen: ご苦労なことだな

*本棚に仕掛けられた罠を解除して回ってから、二人で本棚を調べていく。

Rileus Dokarty: めぼしい本は手に入れた
Bull Doggen: こっちもだ
Rileus Dokarty: 依頼主も満足しそうなやつだ
Bull Doggen: いくぜ
Rileus Dokarty: ああ

*探索を再開する。目的の品物を手に入れ、帰り道もわかっている二人は油断して扉を開き部屋の中に入ってしまった。

*この部屋はかつて豪華であったのだろうが、今では見る影もなく無残な状態である。老人があなた方を見上げ、驚いて錯乱してしまったようだ。襲い掛かってきた老人は魔術師で、しかも二人は完全に不意をうたれてしまった!だが、なんとか撃退する。

Bull Doggen: ふう
Bull Doggen: 休んでていいぞ
Rileus Dokarty: まいったな
Bull Doggen: 油断したな
Rileus Dokarty: 魔法で動けなくなったのか?
Bull Doggen: ああ
Bull Doggen: まったく動けなかった

*少し休憩したのち、二人は次の部屋へ進む。

Rileus Dokarty: ここに
Rileus Dokarty: 外に通じる隠し扉がある
Bull Doggen: これか

*小さな突起物に気付く。恐る恐る押すと、ものすごい振動とともに頭上から轟音が鳴り響く。しばらくすると何事もなかったかのように静かになってしまった。そして、そこには魔法のポータルが出現していた。

Rileus Dokarty: それは外に出るポータルだとおもう
Rileus Dokarty: 最後にしよう

*ポータルはそのままにして、二人は最後にカスタナミアの私室と思われる部屋に足を踏み入れる。部屋に入ると、いきなりゴーレムが殴りかかってきたが、破壊する。

Bull Doggen: いきなりか
Bull Doggen: まったく
Bull Doggen: とんでもねえところだぜ
Rileus Dokarty: ここがやつの私室らしい
Rileus Dokarty: まあ、ガーディアンがいるのは予想してたけどな(ニヤリ)

*部屋を探索すると、カスタナミアの日記や研究に関する資料が見つかった。わかる部分だけ軽く目を通す。カスタナミアはジンガチムに関する研究を行っていたようだが、新しい段階の実験中に何か予想外の事が起こって帰ってこれなくなったのだろう。(理由は、さきほど遺跡で発見したような状態になってしまったからだ。ナラジム・ジンガチムの言葉を借りれば、”死んでいる途中”の状態に。)

Rileus Dokarty: ふむ
Rileus Dokarty: それ、もっていってくれ
Bull Doggen: どうやら
Bull Doggen: 自分で作った
Bull Doggen: 魔法生物と
Bull Doggen: けんかしてた
Bull Doggen: みてえだな
Rileus Dokarty: あの魔法生物は作られたものじゃない
Rileus Dokarty: おそらく別のプレーンの生き物だろう
Bull Doggen: よくわからねえが

*目的の物も大体手に入ったと判断し、二人は地上へのポータルへ向かった。もしかしたらカスタナミアをなんとかしてやる方法もあるのかもしれないが二人に魔法の専門知識はないし、なによりこの奇妙な場所を早く離れたかったのだ。ポータルを抜けるとそこは…

●フィナーレ

*地上だ!空は落ち着きを取り戻し青空が広がっている。水蒸気が立ち上っていた場所は爆発したかのように破損していた。

Rileus Dokarty: 外だ
Rileus Dokarty: 脱出したんだ
Bull Doggen: 嵐は
Bull Doggen: どうやら
Bull Doggen: 嵐の原因は
Bull Doggen: なくなったようだな
Rileus Dokarty: うん
Bull Doggen: しかし・・・
Rileus Dokarty: 何が原因だったのかは、結局わからなかったけどね
Bull Doggen: おい

*ブルの視線を追うと、そこには人が立っていた。向こうも驚いたような表情を見せている。

ジェスビー船長: こんな所で人に会えるとはな。俺はジェスビー向こうの海の住人だ。ここらへんの海はまだ海図がなくて、何かあるか見に来たってわけよ。
ジェスビー船長: そしたらどうだい、この海のちょうど真ん中を走ってるとき、今まで見たこともない巨大な嵐に巻き込まれちまった。そんときこの島からドラゴンの咆哮のような爆発が吹き上がったのを見たのさ。そしたら嵐がぴたりと止まった。まるで嵐がその爆発に飲み込まれて消えてしまったかのようさ。
ジェスビー船長: ここにはあんたと俺らしかいない。島を探ってはみたが何もないみたいだし、俺らはもうそろそろ帰る。お前たちも港に帰ったほうがいいんじゃないか。もし船がないなら近くの港までつれていってやるよ。
Rileus Dokarty: そうだな、この島は調べつくした。
ジェスビー船長: 出航する前に、あんたら何か欲しいのあるかい?
Rileus Dokarty: いや、港に連れて行ってくれ。

*こうして二人は、奇妙な魔法の島から帰還することが出来た。港に戻ると早速、報告をしに宿屋へと戻る。

アレン ザナエス: おかえりなさい、心配していました。島の事、カスタナミアについて詳しく話して下さい。何か発見はありましたでしょうか。
Rileus Dokarty: ジンガチムの召還とインストールの本を渡す
アレン ザナエス: ジンガチムというもののエネルギーを利用する方法ですか。すぐにでも実験する必要がありそうですね。もし魔法界に革命があれば、それはあなたの功績です。
Rileus Dokarty: カスタナミアが造ったショートソードを渡す
アレン ザナエス: すばらしい!カスタナミアが造った剣なのですね。すぐに調べてみる価値がありそうです。
Bull Doggen: カスタナミアの日記を渡す
アレン ザナエス: すばらしい!この発見でカスタナミアの大部分の謎が解明されるでしょう。歴史的大発見です!
Bull Doggen: ゴーレムパワーとしてのジンガチムの本を渡す
アレン ザナエス: カスタナミアはなんと偉大だったのでしょう!200年前にすでにこのような高度な技術を保持していたなんて!この本により技術革新が行われることでしょう!
Bull Doggen: 替え玉の人造人間ゴーレムの本を渡す
アレン ザナエス: とても200年前の文献とは思えません。貴重な発見です。

*ライルとブルは島での出来事をアレンに聞かせてやった。二人は奇妙で困難な島を脱出し、島の機能を停止させたことでこの港町の住民に感謝され英雄と呼ばれるだろう。そして、カスタナミアの失われた記憶の一部を持ち帰ることに成功したことは現在の魔法界をも震かんさせる偉業を成し得たと言ってもいいだろう。しかしカスタナミアの生死は確認することはできなかった。知識を取り戻しに再びこの世界に姿を現すかもしれない。

*今回の冒険で一年は豪遊できるような大金を手に入れた二人は、旅に役に立ちそうな魔法の品物を分配し、その夜は港町で一夜を過ごした。次の日、やっと空が白み始めた早朝に、ライルは宿を出た。ふと振り返り、ブルを旅に誘おうかと考える。2度の冒険を共にした事で彼がその戦いの技量だけでなく精神的にも信頼に値すると感じていたからだ。しかし、ライルは苦笑するとかぶり振り、その考えを追い出した。ブルにはブルの旅があり、ライルにはライルの旅がある。彼の自由を束縛するような事は言えないな、とライルは一人で街道を歩き始めた。それがただの言い訳にすぎないのだという事に、彼自身も気がついてはいなかった。


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