日活アクションの末期の頃に作られたB級不良グループもの
このシリーズ、1作目は和田アキ子を主役にしたホリプロ映画だったが、一部で好評だったためか、2作目からは日活が権利を買ってシリーズ化したものらしい。
ダイニチ配給が配給しているくらいの時期だから、もうすでに日活の経営状態は末期状態で、例え外部作品であっても、少しでも手応えがありそうな(客層がいそうな)企画は自社で温存したかったのだろう。
不良ものと言うのは、大体、どの時代でも一定数好む客がいるはずだが、撮影所全盛時代は、東映以外の映画会社のトップがあまりその手のジャンルを好んでいなかったために、積極的に作られなかったと言う部分もあったのではないだろうか。
ただし、需要があると言っても一定数であって、幅広い支持を受けている訳でもないので、このシリーズも、公開当時に観ていた観客は限定的だったはずだ。
採算が取れるくらいヒットしていたのなら、日活はポルノ路線ではなく、こういうB級不良もの路線も作っていれば良かったはずなのだから。
この当時になると、日活にはもう単独で客を呼べるほどのスターがいなかった事もあり、アクションものでもグループものを作るようになっていたらしいが、このシリーズの新鮮さは「ズベ公グループ」、つまり「女の不良グループ」を素材にした所だろう。
当時の青年コミックスなどでも人気があった素材だが、不良女ものは「セックスと暴力(エログロ)」要素を描き易く、それは若者の欲望、願望を簡単に満たしてくれるものだったからだろう。
とは言え、当時の日活では、もう予算はないに等しい環境だったに違いなく、当時の若手スタッフたちは、その悪条件の中で、悪戦苦闘して作っていたに違いない。
シリーズ3作目となる本作は、もう初期のアウトローっぽい新鮮さ、壮快さはなくなって来ており、底辺の若者たちの荒んだ雰囲気だけが目立つかなり陰鬱な作品になっている。
最後の見せ場が、西部劇風になっているのが唯一の見せ場かも知れない。
ラストで何故、妹を撃ったのか?と言う疑問もあるだろうが、混血の不運のようなものを兄妹共に断ち切ろうとしたかったのかもしれない。
身勝手と言えば、身勝手そのもので理不尽な終わり方なのだが、当時の一部映画や劇画などにあった「救いのないラスト」を、新しい、かっこいいとする風潮に乗った表現のような気もする。
主役は梶芽衣子だが、そのお相手役を勤めているのは、「シャープ・ホークス」と言うGS(グループサウンズ)グループのボーカルだった安岡力也。
前年にグループが解散しているようなので、役者として新天地を求めた初期の作品だと思う。
劇中でも「禁じられた一夜」と言う歌を披露しているが、この当時は痩せており、なかなかの良い男である。
不良っぽい感じもあるので、映画全盛期で役に恵まれていれば、もっと人気が出た可能性もあった人ではないかと思う。
珍しいと言えば、TVの「8時だョ!全員集合」などでもお馴染みだった「ゴールデン・ハーフ」も登場している事。
エリー(石山エリー)が在籍した、初期の5人メンバーの時代であり、「恋人がほしいの」と「黄色いサクランボ」等を歌っている。
キャストロールには、「ゴールデン・ハーフ(東宝)」と書いてあるが、当時、彼女等はナベプロ所属で、東宝はもう一部スター以外の専属俳優等持っていなかったはず。
ナベプロと東宝が提携関係で、タレントは共有と言う考え方だったのだろうか?
決して出来が良いと思える作品ではないが、全く観るべき所がないとも言えないような気はする。
▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼ |
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1970年、日活、大和屋竺+藤井鷹史脚本、 長谷部安春脚本+監督作品。 昼日中、ミキ(青木伸子)を抱いた中年男に因縁をつけ、仲間の女たちと脅していたのはズベ公グループのリーダーマコ(梶芽衣子)だった。 彼女たちは、中年男の時計と財布を奪い取ると、その金で買い物をして、米軍基地のある立川を闊歩する。 タイトル ゴーゴーバーでは「マックス」が演奏していた。 そこで、ミキは、ハッシッシを吸って、男からあっちにもこっちにもキスされたと仲間たちに自慢話をしていた。 それを聞いていたマコはむかついたのか、止めな!と制するが、やる気?とミキが睨みつけて来たので、来な!と声をかけ、メグミ(有川由紀)とペコ(秋とも子)に車を見つけさせに行くと店を出る。 ミキに焼きを入れるつもりだと気づいたユカ(英美枝)はマコを止めようとするが、心配しなくて良いよとマコは笑って、盗んだ2台の車に仲間たちと分かれて乗り込み、人気のない空地に向かう。 そして、片手に懐中電灯、片手にナイフを持った格好で、ミキと決闘する。 マコはミキの左足を斬り、ミキの方はまこの右手を傷つける。 そこに2台のジープに乗った男たちがやって来て、何がおかしいのか笑い出す。 不良グループ「イーグルス」の面々だった。 倒れたミキを抱き起こした仲間たちに、早く手当てしてやんな…と呟いたマコは、彼女たちと「イーグルス」のジープが走り去ると、草むらに仰向けに横になり、夜空を見上げる。 その時、どこからともなく歌いながら近づいて来た男がいた。 もっと歌って!と寝そべったままマコが声をかけると、近づいて来た男は、びっくりするじゃねえか。そんな所で涼んでいると、踏んづけられちゃうぞと声をかけて来る。 血出てるぜと男が言うので、重傷…とふざけて答えたマコは、どこ行くの?と聞く。 「ママブルース」って店、知ってるか?と男が逆に聞いて来たので、知らない…とけだる気に答えたマコだったが、男は自分が着ていたシャツを脱ぎ、マコに着せてやる。 マコは立ち上がりながら、ダメなんだよ、楽しくないよ…と愚痴る。 男は、岡本数馬(安岡力也)と名乗る。 ゴーゴーバーでは、先に戻っていた女仲間たちが、明らかに若い女目当てに場違いな店に踏み込んで来たと思しき中年男相手をからかっていたが、そこにマコと数馬を連れて町に帰って来る。 数馬は、町を走り回っている「イーグルス」のジープを目撃する。 店に落ち着いたマコは、「イーグルス」のリーダー、バロン(藤竜也)がやって来たのに気づく。 バロンはいつも本を持っている紳士風の男で、その日は植物の本を持っていたので、女たちを口説こうとしていた中年男(弘松三郎)に近づくと、クラバリア・パリタンと言う毒キノコを知っているか?8分で死ねるそうだと声をかけると、その写真のページを破り取る。 それを受け取ったマコはくしゃくしゃに丸めると、中年男の口に押し込もうとする。 からかわれたと気づいた中年男は、這々の体で店を出て行く。 私は行かないと断ったユカをその場に残し、マコたちはその後、バロンたちのジープに乗り、「立川グリーンハイツ」と言うマンションの一室に向かうと、そこで大麻煙草(ハッシッシ)を吸う。 「イーグルス」の進(岡崎二朗)は、陶酔状態になったマリを、麻薬を餌に口説こうとする。 それに気づいたペコは、分かってないね、マリは恋愛中よと言うので、誰だ?と進が相手を聞くと、行ってみな、「ママブルース」とペコは答える。 進はジープに乗り、「ママブルース」と言う店に向かう。 その頃、マリは、「ママブルース」で恋人の一郎(ケン・サンダース)と出会っていた。 そんな2人に暖かいまなざしを向けたママ(奈良あけみ?)は、カウンターに座っていた数馬から、あんたに引き取られて明るくやっていると聞いて来たんだと聞かれる。 しかしママは、誰にも好かれる子だった。でも出て行ってしまったのさと答える。 あの子の事は諦めなさいとママは説得するが、あんたが教えてくれなくても、俺一人で探すと数馬は答える。 その時、進が仲間を連れ、店に入って来る。 マリ、来いと声をかけて来るが、行かないとマリが拒否すると、進は、一郎に出ろ!と目で合図する。 マリは、一郎!行っちゃいけないよと止めるが、一郎は笑って、進等と共に店を出て行く。 マリは、酒瓶を割って追いかけようとするが、それを止めたのは数馬だった。 店の表では一郎が進から殴られており、俺のスケから手を引けと命じられていた。 そこに近づいて来た数馬は、止めろよと声をかけ、かかって来たイーグルスの仲間と喧嘩を始める。 その間、一郎に駆け寄ったマリは、一郎の口の血を拭いてやる。 進は、マコとバロンが残っていたマンションに戻って来て、ハーフの野郎にやられたと訴える。 それを聞いたバロンは、いつかみんな、奴等にやられるぜ!と表情を強張らせる。 昔、目の前で姉を米兵に犯された記憶を蘇らせたバロンは、怒りに駆られたらしく、追い出すんだ!奴等を1人残らず追い出すんだ!と仲間たちに命じる。 コーラの運送の仕事をしていた一郎を探し出した進たちは、車に積んであったコーラを取り上げて地面に落とし、一郎を外に呼びだすと、割れたコーラ瓶を股間に突き刺し、この町から出て行け!と脅す。 その後も、出前をしている青年や日本人の彼女とデートしていた混血らしき青年を観かけると、ジープで追いかけ回しからかう。 バロンの元に戻って来た進たちは。面白れえぜ、この戦争ごっこ!と喜んで報告するが、それを聞いたバロンは、戦争ごっこじゃない!本当の戦争だ!と怒鳴りつける。 そんな「イーグルス」を見かけたマコたちが近づいて来て、何、やってんのよ?と聞くので、お前たちを守ってやってるんだ。貞操をよと笑う。 それを聞いたマコたちは、余計なお世話よと不愉快になる。 その後、仲間と町を歩いていたマリは、コーラの配達をしていた青年から、一郎は辞めたと教えられる。 一方、数馬は、宝飾店の女店員に、あんた、メグミってんだろ?俺のメグミはたった1人なんだと話しかけていた。 対応に困った女店員は、店長を呼ぶが、店長が相手をしようと戻って来た時には、もう数馬の姿は消えており、代わって入って来た進たちから、今ここにいた男は?と聞かれたので、戸惑う事になる。 「イーグルス」は、その後「ママブルース」にやって来て、居合わせた客に嫌がらせを始める。 しかし殴られた客も逃げようとはせず、気の済むまでやんな。どうせ、殺せはしないんだと粋がって来たので、バロンは、ビール瓶の底を抜き、殺せるぜ…、お前次第だ…と凄んでみせる。 「イーグルス」がひとしきり暴れて帰った後、ママは、みんなもう、帰ってお休みと客たちに声をかけるが、客たちは、壊された店を手直しして、そのまま居残る。 外でジープに乗り込もうとしていたバロンに、突然ナイフで斬り掛かって来たのはマリだった。 バロンは、マリを捕まえると、呼びな、マコを…と進に命じる。 マンションに、ユカを伴いマコがやって来ると、マリが椅子に縛られており、マリのナイフをバロンが持って、その横に立っていた。 マリ、惜しい事したねと皮肉を言うマコに、ひんむいて、こいつをぶち込んでやると言ったら?とナイフをマリに突きつけながらバロンは笑う。 仕方ないね、マリ…と答えたマコは、その代わり、あんたたちも仕方ない事になるよとにらみを利かす。 バロンはマリを解き放ってやるが、今後一切、俺たちの事にしゃしゃり出てくるんじゃねえぞと釘を刺す。 ゴーゴーバーの前まで付いて来たマリだったが、あたい、一郎を探しに行くよと言い残し立ち去って行く。 店の中では、ゴールデン・ハーフが「黄色いサクランボ」を歌っている所だった。 見つかると思う?とテーブルに付いたユカが聞くが、マコは、さあね…と無関心そうに答えるだけだった。 その頃、数馬は、旅館から中年男と一緒に出て来た、あの宝飾店の女子店員を見張っていたらしく、めぐみ!と呼びかけながら近づいて来る。 あんな男と付き合うんじゃないと言い聞かそうとした数馬だったが、女子店員は迷惑そうに振り払おうとする。 そこに通りかかったマコたちは、数馬が女をものにしようとしていると思い込み、その女子店員を近くにあった車の中に引きずり込む。 しかし、数馬は、その女子店員に生まれを聞くと、北海道だと言い、この町はおじさんを頼って出て来たと聞くと、すまなかった、人違いだと詫び、そのまま解放してやる。 数馬が、メグミと言う妹を捜している事を知ったマコは、自分のグループにいるメグミを数馬に会わせる。 数馬は、横須賀の町を覚えていないか?とメグミに聞くが、メグミは迷惑そうに、生まれたときからずっと1人だったと言う。 お前、本当に、俺の妹じゃないのか?と問いつめた数馬だったが、メグミは、とっとと消えな!と言うと、やって来たマコに、あたいがあんな奴と兄妹な訳ないだろう!とふてくされてみせる。 後日、自動車修理場で働いていた数馬を発見した「イーグルス」メンバーは、ジープの故障を観てもらう振りをして、数馬をジープの下に潜り込ませると、急に車を発進させる。 数馬はとっさにバンパーを握りしめ、地面を引きずられながら表まで連れ出される。 バロンが、ジープの上であくびをしながら観ている中、数馬は痛めつけられる。 そこにやって来たマコは、卑怯じゃないか!1人を大勢でかかったりして。それが男のやる事かよと声をかける。 バロンは、そんなマコに、面倒見てやれよと言い残し、仲間たちとジープで立ち去る。 その後、バーで傷の手当を受けていた数馬は、店にバロンと進が来たので、自らバロンのカウンターの横に座りに行く。 ハジキが欲しければ、手に入れてやるとバロンが言うと、数馬は欲しくないと答える。 ナイフでやるか?殴りっこにするか?と進が挑発する。 そんな2人の間にマコが座る。 いや、俺は出て行くぜ、この町を…、用が終わったら出て行くと言い出したので、マコは降参したの?と数馬に聞く。 そう取ったって良いと答えた数馬は、バロンに、俺、妹を捜しているんだ。17になる俺に似た子だと打ち明ける、それを側で聞いていた進は、いるぜ、一目で分からあ…と言いながら、その場にいたメグミの方を観る。 バロンは、ハーフなんだな?見つけ次第会わせてやると約束し、だがな…と言うと笑い出す。 その先は怖くて言えねえだろう?その子をやってみろ、その時は西部劇みてえじゃないが…と数馬は釘を刺す。 バロンたちが帰ると、あんたの妹はあたいたちが探してやるよとマコが言い出すが、数馬は迷惑はかけたくないと言うし、ユカも止めた方が良いよと止める。 しかし、翌日から、マコは必死にメグミを探し始める。 一緒に同行していたメグミの表情は曇り始め、町を奇声を発しながらジープを走らせる「イーグルス」の姿を観る。 あいつら夢中だよ、あんちくしょうの手足みてえになってうろついてやがると、マンションに戻って来た進はバロンに報告する。 そんな事だろうと思った…とバロンは答えるが、どうする?回しちまうか?と仲間が言うと、くだらねえな…、どうせなら束になって売って儲けるか…と呟く。 その後、バロンは、チュウ公と言う小柄なオヤジに地元の顔役を紹介してもらう。 何だ、お前?パーティー屋でもおっぱじめるつもりかい?と、顔役は聞いて来るが、あなたの商売に立ち入るつもりはありませんよとへりくだったバロンは、ちょっと面白い趣向で遊びたいと思いましてね。あなたに面倒を見てもらいたいんですと頼む。 すると、ハリーはその場に同席していたチュウ公に、スタンバイしてやんなと声をかける。 マコたちは、バロンからパーティに紹介され、着飾って出席する事になる。 そんなな彼女たちにチュウ公が、今日は紳士のパーティですからね、エレガントにしてくださいよと笑いながら、一枚ずつ紙幣を渡して行く。 マコも、白のドレス姿で会場にやって来る。 タキシード姿のバロンに、一体どういう事?とマコが聞くと、俺たちは昨日今日の付き合いじゃねえ。つまらない事でいがみ合っている手はねえ。俺たちは友達だ。お互いに協力しさえすれば、結構楽しい事にも出くわせるってことさと説明する。 やがて、部屋の中には、外国人たちが集まり、ギャンブルが始まる。 その内、ハリーと言う外国人は、マコを気に入ったとバロンに耳打ちして来る。 すると、バロンはマコを外に連れ出す。 車の中で、ハリーと言う奴に渡せって言われた。お前をだ!冗談じゃねえやとバロンが打ち明けたので、それを聞いたマコは、愛してる?と言って微笑む。 部屋の中では、外国人客たちが、マコの仲間を襲い始めていた。 女たちは必死に抵抗するが、チュウ公は、お前たち前金受け取っているくせに!と言うし、進は女たちを殴りつける。 こんな奴等の手先になりやがって!と女たちは、イーグルスの連中を罵倒するが、金をもらっているからなと男たちは笑う。 バロンとホテルでベッドインしたマコだったが、バロンは何もせずベッドから起き上がる。 タバコを吸い、急にバロンが笑い出したので、どうしたのよ?と聞いたマコは、やっぱり女は汚えや…と嘲るので、できないの?そうなのね?とマコは言い当てる。 すると、いきなり殴って来たバロンは、マコ、そいつは誰にも言わせねえと睨みつける。 そして、あのパーティはな、らんちきパーティだよ。今頃バカバカやられてるだろうな…、お前の仲間…と説明し出す。 バロン、どういう事?とマコが聞くと、お前等がブルースの連中をあんまりつけあがらせるから、あんな連中を抱くより、本物を抱いた方がよっぽど良いんじゃないかと思ってな…と言いながら、バロンはブランデーグラスの中にバラの花びらを落とし飲み干す。 売ったんだね?私たちを…とマコは気づく。 お前は別だ。だから連れて来たんだ。お前も売ったんだよ、仲間を…とバロンは嘲る。 私は仲間を裏切りはしない!と言い抵抗しながら起き上がったマコは、ぎゃーぎゃー、お前らしくもないなと言うバロンに、もうこれっきりだね、あんたと一緒に入るとムカムカするよと服を着て言い放つと、太ももに装着していたナイフを抜く。 やばいよ、何しろ見境なしだからね…。ヤサグレのノラなんだからと微笑みながらマコは近づく。 マコ、かっこいい革ジャン買ってやったっけな?とバロンが言うと、破いちゃったよとマコは答える。 香水…、ディオールのディオリッシモ…とバロンが言うと、瓶ごと割ったと答えるマコ。 あいつに惚れたんだな?とバロンが聞くと、そうよとマコは答える。 分かったよ、だがまずい事になるぜ。それでも良いのか?とバロンが聞くと、良いわとマコは言う。 ズベ公が色気づきやがるとこうだ。まるで見境がなくなるんだな…と呆れたように言うバロン。 私はあんたと違うのよ。立派な1人前の女だからねと答えるマコ。 1人前の女が何やっているんだ?良く観てみろ!腰振って、やろうにべたつくしか能がないじゃないかと嘲るバロン。 バロン、もう良いよ、はっきりしたとマコが言葉を封じようとすると、癇癪を起こしたバロンはつかみ掛かろうとするが、それを振り払ったマコは部屋を飛び出して行く。 ホテルステートサイドの前に、下着にシャツを纏っただけの姿でマコが佇んでいると、バイクに乗ったチュウ公がやって来て、バロンと一緒じゃなかったのか?と来て来たので、うんと答えたマコは、バイクに近づき、チュウ公を殴りつけると、バイクを奪って、畜生!あんな奴等に回されてたまるか!やってやろうじゃないか、ズベ公らしく…と呟きながらパーティ会場へと戻る。 マコはユカと一緒に、それぞれコーラの半ダース入りケースを持って会場の中に入る。 コーラは火炎瓶になっており、マコは、仲間たちが襲われていた室内目がけて、火炎瓶を投げつけ、騒ぎに乗じて仲間たちを連れ出す。 何とか仲間を救出し外に連れ出したマコは、悪かったよ、私がバカだったよと謝る。 仲間たちは、それなら立ちな!と命じて来たので、マコは、良いよと素直に応じ、彼女等に背を向けて後ろ向きに立つ。 その背中に向けて、裏切られた仲間たちは、石や装飾品を投げつけて来る。 その後、バーにいたマコたちの元に、マリが戻って来る。 やっぱり、みんなの側が良いもの…、マリはそう言うだけだった。 一方、パーティ会場を汚された顔役は、戻って来てその惨状を観たバロンに、ここをどんな町だと思ってるんだ?と睨んで来る。 バロンは動じず、俺の遊び場だよと答える。 お前のな?と応じた顔役は、だったら、この始末は自分で付けてみろと言い残し去って行く。 残った進たちは、バカなんだよ、あいつらと女たちの事を言うが、分からしてやるよと答えたバロンは、マコには手を出すなと釘を刺す。 翌日、自動車修理工場に来た「イーグルス」の面々は、数馬を呼びだす。 そして、草原にやって来た彼らは、行って良いぜと数馬を降ろす。 数馬は、草原の中を帰って行くが、ジープの上では、バロンは「狐狩り」の本を読んでいた。 1分過ぎた時、バロンが手を振ると、2台のジープは走り出し、数馬を見つけると、追いかけ始める。 その様子を金網塀の外に呼びだされていたマコが発見する。 数馬は投げ縄を手足に巻き付けられ、地面を引きずられる。 バロン!見損なったよ!ここへ呼びだしたのは、この事だったの!数馬!逃げるのよ!とマコは必死に叫ぶ。 しかし、数馬は徹底的にいたぶられる。 血反吐を吐き気絶した数馬を観たバロンは、勝ち誇ったかのように高笑いをする。 その後、廃屋の中に傷だらけの数馬を連れ込んだマコは、仲間の中のメグミを連れて来る。 こいつとの話ならもうないわと言い、帰りかけたメグミに、お前は俺の妹だ。顔を見てすぐに分かった。一緒に町を出ようと数馬は声をかける。 俺はホームで、お前はもらわれっ子になった。その後家を飛び出したらしいが、そんなに苦労しなくたって、俺がちゃんと食わしてやったのに…と数馬が言うと、どうして、あたいががあんたと兄妹なのさ?とメグミは聞いて来る。 数馬は、俺たちには、マーカー・ウィルソンと言うオヤジと、横浜で死んだ岡本春江っていうおふくろの血が流れているんだ。お前は目立たねえけどよと教えても、違うったら!何か証拠がある!とメグミは抵抗するが、その左手のシャツをめくった数馬は、昔、取っ組み合いをしてふざけ合ったとき刺さった鉛筆の芯の痕が残っているじゃないかと指摘する。 それでも、誰がお前みたいな…と認めようとしないので、近づいて来たマコが、バカ!と言いながら殴りつける。 それを観た数馬は、複雑な表情で廃屋を出て行ったので、マコは慌てて追って行く。 その夜、基地の金網の前に佇んでいたメグミを見つけた「イーグルス」のジープが止まる。 ここにあった荷物どこに行ったか知らないか?と聞いて来たので、兄さん、もう帰って来ないの…、あたいの兄さんは、もう遠くに…とメグミが答えたので、それを聞いたバロンは、何?お前、あいつの妹だったのか?と気づく。 面白いじゃねえか、こいつ、頂いとこうか?と仲間たちがジープを降りると、バロンは愉快そうに笑い出す。 メグミは「イーグルス」の連中に捕まりかけるが、そのt期、進だけは、止めろよと制止する。 そんな進に、バロンは、お前が先にやれと命じる。 嫌だよ、ごめんだな、俺は…と進が拒否したので、バロンは何故?と聞く。 なあ、バロン、前は俺たち、こんな手は使わなかったんじゃないのか?女相手に…、インポのなり損ないのような…と進は言う。 その言葉を聞いたバロンは、きっと睨みつけて来る。 じゃあ、お前は観てろとバロンは言い、他の男連中がメグミに襲いかかる。 進は、レイプの現場にいるのに嫌気がさしたように歩いて去る。 それをジープで追いかけたバロンは、進、どこ行くんだ?まさか「イーグルス」を見捨てて行くつもりじゃないだろうな?戻るんだよ、進!と声をかけるが、進は答えようともせず歩き続ける。 バロン!本当は俺もハーフだったのさ!と立ち去りながら教える進。 それを聞いたバロンは、ショックを受けたよにジープを反転させるが、そこで止まると、そうか…、そうだったのか…、ハーフだったのか、お前…と呟きながら車内にあった銃を手に取り、進〜1と呼びかけながら、発砲する。 背中を撃ち抜かれた進が驚きながら振り返ると、バロンはさらに数発、銃弾を撃ち込む。 進は、最後の力を振り絞ってナイフを取り出すと、それを投げつけて来てその場に倒れる。 血染めのナイフは、バロンには届かず地面に落ちていた。 「ママブルース」にマコと来ていた数馬はママに、メグミが帰って来たら、素直でかわいい子だって、みんながそう言うのを聞いて、俺が安心したって言ってくれ、なあ、ママさん!と頼んでいた。 言っといて上げる。会えたのね?とママが聞くと、ああ…と数馬は答える。 言っといて上げる。兄さんがそう言ってたって。兄さんの所へ早く帰りなさいってねとママは言う。 そこへ、レイプされたぼろぼろの姿になったメグミが入って来る。 ママは、泣き出したメグミを抱き、良いの、良いのと慰める。 数馬はそれを観ていないように、ママさん、メグミが帰って来たら…と又言うので、何言うの?ちゃんと帰って来たじゃないとママは言い返すが、兄貴をもう捜すなって言ってやってくれと、もう1度ママに頼み、そのまま店を出て行く。 ママは、バカ!とその背中に向かって叫ぶが、マコは数馬の後を追って行く。 その後、数馬とマコは銃砲店に押し入り、ライフルを強奪して行く。 バロンは、マンションの外から銃撃を受けたので、慌てて転がると、床の下に保管していた武器庫を開ける。 そこに、仲間たちも駆け込んで来て、全員武器を手に持つ。 数馬とマコは、基地の側にある監視塔の中に来ていた。 マコは数馬に、いつかのあの歌、歌ってとねだる。 数馬が歌い出すと、マコも唱和し、数馬、あんたが好きだった。寝たかった。買い物したり、色んな事をしたかった…、ねえ、数馬店と話しかけるが、数馬は何も答えなかった。 夜が明け、数馬は、監視塔から、遠くに立っている木の上を目がけ、ライフルを試射していた。 そこに、「イーグルス」の面々がジープで近づいて来る。 数馬〜!面白い事になりやがったな〜!と大声で声をかけて来るバロン。 数馬は黙って、マコを抱く。 いやよ、こんなの!降りて行くのよ!とマコは訴えるが、その口を数馬がキスで塞ぐ。 撃たないで〜!と監視塔の部屋の外からマコが叫んだので、人質だ!と「イーグルス」の面々は緊張する。 マコ!とバロンも案じ、俺だ、俺を呼んでやがる…と呟くと、仲間たちの制止を振り切り、1人で監視塔の下まで走り出す。 監視塔の階段を登ったバロンと、上で待ち構えていた数馬は、互いに向き合い、ライフルを連射し始める。 2人とも血まみれの状態になるが、なかなか倒れなかった。 まず、数馬が尻餅を付き、部屋の外に座り込んでいたマコが立ち上がってバロンを観ると、バロンが倒れる。 数馬は、部屋の外にはい出して来る。 そこへ、ユカたち仲間に連れて来られたメグミが、兄さ〜ん!と叫びながら走って来るのが見えたので、メグミ!来るな!と立ち上がった数馬は、横にいたマコを押しのけると、俺はおめえの兄貴なんかじゃねえ!と叫ぶ。 メグミはそれでも、兄さ〜ん!と泣きながら走って来る。 すると、木の柵にかろうじて身を寄せかけていた数馬は、ライフルを発射する。 その銃弾は、メグミの腹に命中する。 メグミは、兄さん…と呟いてその場に倒れる。 その後も、弾がなくなるまでライフルを撃ち尽くした数馬はライフルを落とし、マコが耐えかねて背中を向けると、笑いながら落下して行く。 数馬の死を悟ったマコは、振り向く事もなく、つば広の帽子をかぶるのだった。 |
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